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モーター スポーツ コラム 2025年6月19日

久しぶりの1レースイベントでポルシェ勢の逆襲はあるか? | FIA フォーミュラE世界選手権 2024/25 第12戦 ジャカルタ プレビュー

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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パスカル・ヴェアライン/TAGホイヤー ポルシェ フォーミュラE チーム

パスカル・ヴェアライン/TAGホイヤー ポルシェ フォーミュラE チーム

電気自動車のフォーミュラカーレース「フォーミュラE世界選手権」のシーズン11(2024年〜25年)は残すところ3大会、5レースとなりました。現在フォーミュラEはアジアを転戦中で、そのアジアラウンドの締めくくりとなるのが6月21日(土)にインドネシアの首都ジャカルタで開催される「Jakarta ePrix」です。今回は土曜日ワンデー開催となるレースは「J SPORTS」で生中継。第12戦のプレビューをお届けしましょう。

さて、今季の流れをご紹介する前に一つ大きなニュースが飛び込んできました。来シーズン(シーズン12)も「Tokyo ePrix」の開催が決定しましたね。史上最多の18戦が設定され、クライマックスを迎えるシーズン終盤の第15戦、第16戦と2レース制開催が発表されました。来季は「Miami ePrix」がF1マイアミGPと同じマイアミ・インターナショナル・オートドロームで開催。また「Madrid ePrix」としてスペインのハラマサーキットでの開催も決定。さらにまだ未発表の2イベントが開催予定です。

来季、ジャカルタでの開催が継続するのかどうかは不明ですが、今季ジャカルタはシーズン9から2年ぶりにカレンダーに復活。今回が3回目の開催となります。北ジャカルタのリゾートエリア、アンチョールビーチに設けられた特設コースはコース幅が広く、ランオフのエスケープゾーンがしっかりあるコースで今回も面白いレースが期待できます。

チャンピオンシップは残すところ5レースとなり、ポイントリーダーはオリバー・ローランド(日産)=171点で、2位のパスカル・ヴェアライン(ポルシェ)=103点に対して68点もの差をつけています。しかし、前戦・上海ではローランドは表彰台を獲得できず、日曜日の第11戦で開幕戦以来となるノーポイントレースを作ってしまいました。一方そのレースでヴェアラインは2位表彰台とファステストラップを獲得し、若干ではありますがポイント差を縮めてきました。

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【決勝 ハイライト】FIA フォーミュラE世界選手権 2024/25 第11戦 上海(中国)(6月1日)

ランキング3位のアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ)=88点も第11戦で3位となり、「ポルシェ」はタブル表彰台を獲得。上海で「ポルシェ」はチームランキングで「日産」を逆転しました。

「日産」はチームポイントの190点の大半をオリバー・ローランドが獲得しています。今季から同チームに復帰したノーマン・ナト(日産)は上海の第10戦で6位フィニッシュし、ようやく今季2度目のポイントを獲得しました。これまでの11レース中2回しかポイントを獲得できていないのはチームとしてはなかなか厳しい状況です。

しかも、次戦・ベルリンでの2レースはFIA WEC(世界耐久選手権)とスケジュールが被っており、キャデラックから同レースに参戦するナトはWECを優先し、欠場が決定済み。次戦はリザーブドライバーのセルジオ・セッテ・カメラが代役を務めることになっています。フォーミュラEはWECと兼任のドライバーが多く、WEC兼任ドライバーたちがベルリンでの重複日程をどうするのかでチャンピオン争いは大きく変わってきます。

一方で「ポルシェ」はパスカル・ヴェアライン(ポルシェ)、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ)ともにル・マンにはスポット参戦しましたが、レギュラーではないのでフォーミュラEに集中できます。これはシーズン終盤戦で形勢逆転を狙うには好条件と言えるでしょう。

ドライバーズチャンピオン争いはまだ数多くの候補がいる状態ですが、現実的には大量リードのオリバー・ローランド(日産)vsパスカル・ヴェアライン(ポルシェ)の一騎打ちというところでしょう。ただ、その構図も今回のジャカルタ次第では変わってきます。

チャンピオン争いに名乗りを挙げてくる可能性があるとしたらテイラー・バーナード(マクラーレン)は要注目でしょう。現在86点を獲得し、ランキング4位につけるバーナードは今月21歳になりました。最年少優勝記録の可能性はまだ残されていますし、東京に続き初レースの上海で3位表彰台を獲得しました。ジャカルタで初優勝を飾れば最後まで逆転の可能性を残せることになります。

上海大会で勝利したニック・キャシディ

上海大会で勝利したニック・キャシディ

また、逆転チャンピオンの可能性は非常に薄くはなっていますが、マクシミリアン・ギュンター(DSペンスキー)、そしてニック・キャシディ(ジャガー)が上海で優勝。どちらもポールトゥウインでした。ギュンターはマセラティ所属時代にジャカルタで優勝経験がありますし、日産vsポルシェの構図にDSペンスキー、ジャガーのドライバーたちがシーズン終盤にして逆襲してくることも考えられます。彼らが躍進するとチャンピオン争いは最後まで行方が分からなくなるはずです。

今回は1レースイベントです。たかが1レース、されど1レース。アジア遠征最後の「Jakarta ePrix」はチャンピオン争いのターニングポイントになる重要な闘いとなるでしょう。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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