人気ランキング

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム一覧

モーター スポーツ コラム 2025年6月9日

【ル・マン特集 | 決勝まであと5日】マクラーレンで参戦する26歳、佐藤万璃音

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
  • Line
決勝レーススタートまであと5日

決勝レーススタートまであと5日

今年で93回目の大会を迎える「ル・マン24時間レース」。2025年6月14日(土)〜15日(日)に開催される「第93回ル・マン24時間レース」は「J SPORTS」で生中継。FIA WEC(世界耐久選手権)の中で最も重要なこのレースを今年も24時間完全生中継でお届けします。このレースをより楽しんでいただくために、決勝レースがスタートするまでの間に24個のトピックスを取り上げ、今年のル・マンの見どころをご紹介。第20弾は「日本人ドライバー、佐藤万璃音」についてです。

今年参戦する日本人ドライバーの中で最年少となるのが「LMGT3」クラスの「United Autosport」から出場する佐藤万璃音(さとう・まりの)です。マシンはマクラーレン720S GT3。今年が2回目のル・マン挑戦となります。

佐藤万璃音は横浜出身の26歳。早くからヨーロッパに渡ってF1を目指してきたドライバーで、多くの日本人ドライバーとは全く異なるキャリアを歩んできた選手です。そう、彼は日本でレースをしておらず、なんと昨年夏のポルシェカレラカップへのスポット参戦が初の国内レース参戦だったのです。

そんな異色なキャリアを持つ彼が大きな注目を浴びたのは2019年の「Euro Formula Open」チャンピオン獲得です。このレースはかつてのF3に相当するレースで、FIAが新しくFIA F3を設立したことで、旧FIAヨーロピアンF3を引き継いだレースでした。日本で言うとSUPER FORMULA LIGHTSのような存在です。

この年の「Euro Formula Open」にはリアム・ローソン、角田裕毅、ジャック・ドゥーハンら後にF1に乗ることになったドライバーたちが参戦。名取鉄平、大湯都史樹、松下信治らもスポットで参戦するハイレベルなレースでした。その中で佐藤万璃音はトータル9勝をマークしてシリーズチャンピオンを獲得。一躍日本のF1ファンにもその名前が知れ渡りました。

95号車 マクラーレン720S LMGT3エボ

95号車 マクラーレン720S LMGT3エボ

その後はFIA F2にステップアップ。角田裕毅、ミック・シューマッハ、オスカー・ピアストリ、リアム・ローソン、岩佐歩夢らと同じレースに出場しますが、F2では下位のチームに所属した佐藤万璃音の結果は厳しいものになりました。

ここで多くの日本人ドライバーは日本に帰国して国内のスーパーフォーミュラなどに参戦するのが通例ですが、海外をベースに闘ってきた佐藤は違う道を選びます。ELMS(ヨーロピアン・ルマンシリーズ)への参戦です。

2023年、佐藤万璃音は「United Autosport」からLMP2に参戦。ここで3勝をマークしてランキング2位を獲得したのです。同チームはマクラーレンレーシングのCEOを務めるザック・ブラウンが設立したチームで、LMP2で数多くの勝利を掴んできたチームです。

2027年からと発表があったマクラーレンのHYPERCARプロジェクトを担うとみられ、「LMGT3」クラスでのマクラーレンの活動はまさにその前段。ここで結果を残せば佐藤万璃音がHYPERCARのドライバーに選ばれることも充分にあるでしょう。日本人ドライバーとして最高峰クラスで、海外メーカーのワークスとドライバー契約を結ぶ日が来るでしょうか。昨年はフィニッシュできなかったル・マンでまずは表彰台に乗って、再び輝いて欲しいドライバーです。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
モーター スポーツを応援しよう!

モーター スポーツの放送・配信ページへ