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モーター スポーツ コラム 2025年5月31日

【ル・マン特集 | 決勝まであと14日】フル参戦3年目を迎えたプジョーは今も苦戦中

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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決勝レーススタートまであと14日

決勝レーススタートまであと14日

耐久レースの代名詞とも言われる「ル・マン24時間レース」。第93回大会となる大会が聖地ル・マンを舞台に、2025年6月14日(土)〜15日(日)に開催されます。「J SPORTS」ではFIA WEC(世界耐久選手権)の中で最も重要なこのレースを今年も24時間完全生中継。このレースをより楽しんでいただくために、決勝レースがスタートするまでの間に24個のトピックスを取り上げ、今年のル・マンの見どころをご紹介しています。第11弾は「FIA WEC参戦3年目を迎えたプジョー」についてです。

第93回ル・マン24時間にフランス車としては、アルピーヌに加えてプジョーが参戦。あとは一応LMP2のワンメイク車はオレカですので、こちらも全てフランス車ということになりますが、自動車メーカーとしてはプジョーとアルピーヌがHYPERCARクラスに参戦しているので、地元フランスの応援対象となるのはやはりこの両社です。

現在のHYPERCARクラスに独自のマシン、プジョー9X8が参戦したのは2022年のこと。翌年のル・マン24時間制覇を見据えてか、シーズン途中からFIA WECに参戦しました。プジョー9X8はリアウイングを持たないプロトタイプカーとして新しいアプローチのデザインを採用。モータースポーツファンを驚かせました。昨年から結局リアウイングを装着することになりましたが、他にはないちょっと変わったアプローチのマシンを出してくるのもプジョーの大きな特徴と言えます。

93号車 プジョー9X8

93号車 プジョー9X8

プジョーはル・マンの歴史に欠かせない存在です。同社のデザイナーたちが設立したWM(ウェルター・ムニエ)が1976年から参戦し、レース結果よりもル・マンの最高速記録だけを狙うチームとして有名な存在でした。史上最高速の405km/hを記録し、後にシケインが設置されてからはこの記録は破られていません。

そして1990年代にはプジョーがメーカーとして本格的に参戦。当時のF1と同じ3.5リッターNAエンジンのプジョー905で参戦し、1992年、93年と連覇を達成しました。当時の監督は後のフェラーリF1黄金時代を率い、FIA会長にもなったジャン・トッドです。

そして、2000年代後半はプジョー908で挑戦。当時のレースで新しい技術として各社が力を入れたのがディーゼルエンジン。アウディがディーゼルエンジン車で3連覇していましたが、その連勝を止めたのがプジョーでした。

いつの時代も流麗で個性あふれるデザインで魅せてくれるのがプジョーですが、現行の9X8は性能調整を受けるHYPERCARクラスとはいえ、ちょっと振り切りすぎた感のあるデザインでした。昨年の最終戦バーレーンでウイング装着後初の3位表彰台を獲得しましたが、今季は最高位が9位と苦戦中です。

ドライバーは同じステランティスグループのフォーミュラEに乗るジャン・エリック・ベルニュとストフェル・バンドーンを軸にポール・ディレスタやロイック・デュバルなどビッグネーム揃い。それだけにル・マンでは期待したいところです。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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