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モーター スポーツ コラム 2025年5月28日

【ル・マン特集 | 決勝まであと17日】F1王者のバトンも参戦!新体制のキャデラック

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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決勝レーススタートまであと17日

決勝レーススタートまであと17日

インディ500、F1モナコGPと並んで世界三大自動車レースとして名高い「ル・マン24時間レース」。第93回大会となる大会がサルトサーキットを舞台に、2025年6月14日(土)〜15日(日)に開催されます。「J SPORTS」ではFIA WEC(世界耐久選手権)の中で最も重要なこのレースを今年も24時間完全生中継。このレースをより楽しんでいただくために、決勝レースがスタートするまでの間に24個のトピックスを取り上げ、今年のル・マンの見どころをご紹介しています。第8弾は「新体制になったキャデラック」についてです。

アメリカの巨大自動車メーカー「ゼネラルモータース(GM)」のブランド、キャデラック。同社の高級車ブランドとして知られ、日本でもアメ車ファンに愛されてきたブランドですが、モータースポーツのイメージは日本では薄く、同じGMではシボレー・コルベットの方がよりレースの印象は強いかもしれません。

キャデラックブランドとしては実は古くからレースに参戦し、ル・マンでの初登場は1950年。この年からアメリカ車が海を超えてエントリーするようになり、キャデラックをプライベートチームが持ち込んで24時間レースを戦いました。

2000年代には北米のアメリカン・ルマンシリーズLMP900クラスにキャデラック・ノーススターLMPが参戦。V型8気筒のノーススターエンジンを搭載したオープンタイプのプロトタイプカーでル・マン24時間にも出場しました。2002年にはベストリザルトの9位完走を果たしますが、その後撤退。21年の休止を経て2023年に復帰しました。

復帰の背景には北米IMSAとFIA WECがそれぞれのプロトタイプカーの考えを融合させたレギュレーションの統一があります。デイトナ24時間をシリーズに含むIMSA・ウェザーテックスポーツカー選手権ではすでにキャデラックDpi-V.Rが活躍。2019年には小林可夢偉もドライバーとして走ったウェインテイラーレーシングのキャデラックがデイトナ24時間で優勝したのも記憶に新しいでしょう。

38号車 キャデラックVシリーズ.R

38号車 キャデラックVシリーズ.R

IMSAのプロトタイプカークラスGTP はル・マンとも共通のLMDh規定に移行。これを機にFIA WECのHYPERCARクラスへの出場が可能となり、キャデラックはル・マンへの復帰を果たしたのです。

昨年まではLM-GTE ProクラスのフォードGTを走らせていたチップガナッシレーシングがキャデラックレーシングのオペレーションを担当。FIA WECにも1台だけ出場していましたが、今年はWECのオペレーションを昨年までポルシェのカスタマーチームだった「Hertz Team Jota」に委託。「Cadillac Hertz Team Jota」として新たな体制で戦うことになりました。

新体制のキャデラックはアール・バンバーやセバスチャン・ブルデーらキャデラックとの契約を継続するドライバーと、Team Jota側のドライバーの混成チームになります。その中の一人が元F1世界王者のジェンソン・バトンです。世界三大自動車レースのモナコGPでも優勝経験を持つバトンにとって、2023年のル・マンで3位表彰台を獲得したキャデラックのハイパーカーに乗ることは、彼にル・マン優勝のビッグチャンスをもたらすと言って良いでしょう。

昨年のFIA WEC富士ではポールポジションを獲得するなど速さを披露。今季の第3戦スパでは5位、6位でフィニッシュするなど充分な戦闘力があります。さらにIMSAからは2台のキャデラックが参戦し、全部で4台出場。HYPERCARクラスの伏兵はキャデラックではないかと期待しています。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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