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モーター スポーツ コラム 2025年4月28日

「5年後にまた会おう」ーーノリスに誓った少年・リンドブラッド、その言葉に迫るF2最年少優勝の快挙

F1コラム by J SPORTS 編集部
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リンドブラッドに言葉をかけられたランド・ノリス

リンドブラッドに言葉をかけられたランド・ノリス

レッドブルの育成ドライバー、アービッド・リンドブラッドがサウジアラビアの地で歴史を塗り替えた。

FIA F2第3戦ジェッダで行われたスプリントレースで、カンポス・レーシングに所属する17歳254日のリンドブラッドがF2史上最年少優勝記録を更新。トップチェッカーを受けたMPモータースポーツのリチャード・フェルシュフォーに5秒のタイムペナルティが科されたことで、2番手でゴールしたリンドブラッドが繰り上がりで勝利を手にした。

レッドブル代表のクリスチャン・ホーナーも注目する新星は、一体どんな選手なのか。

2007年8月8日生まれのリンドブラッドは、イングランド南部サリー州出身。スウェーデン人の父とインド系の母を持ち、5歳でカートを始めると瞬く間に頭角を現した。2021年にレッドブル・ジュニアチームとの契約を勝ち取り、15歳でF4に参戦。F3にステップアップした2024年シーズンはランキング4位に入り、アラムコ・ベスト・ルーキー賞を獲得している。

F2デビューイヤーとなった2025年シーズンの開幕前には、さらなる経験を積むため、リンドブラッドはニュージーランドで開催されたフォーミュラ・リージョナル・オセアニア選手権に出場。見事チャンピオンに輝き、F1参戦に必要なスーパーライセンス取得の条件である40ポイントをクリアした。

現在のFIA規定では、原則としてスーパーライセンスを取得するには満18歳であることが求められている。しかし、昨年の規定改定により、17歳のドライバーであっても、FIAが一貫して卓越した能力と成熟度を示していると認めた場合に限り、例外的にスーパーライセンスが付与されるようになった。

こうした背景を受け、レッドブルのアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ博士が、リンドブラッドを正式なリザーブドライバーに昇格させるため、FIAに特例措置を申請したと、英日刊紙『Daily Express』が3月半ばに報じている。報道によれば、マルコは今季メルセデスからF1デビューを果たした18歳のキミ・アントネッリを引き合いに出し、「アントネッリに認められたのなら、リンドブラッドにも認められない理由はない」と語ったという。

また、英スポーツメディア『Planet F1』は、リンドブラッドが2月にイモラ・サーキットで行われたレーシングブルズのプライベートテストに参加し、2023年型のAT04を用いたTPC(Testing of Previous Cars)でF1マシンによる初の本格的なサーキット走行を経験したことをピックアップ。このテストを、今季後半に彼を2つのF1チームでリザーブドライバーとしてローテーション起用する構想の一環と位置づけた。

一方で、今月初めには英スポーツ専門メディア『Sky Sports F1』が、リンドブラッドとF1ドライバー、ランド・ノリスとの間にあったエピソードを紹介している。

それは2021年、イタリア・アドリアでのカートイベントでのこと。当時14歳だったリンドブラッドは、現地を訪れていたノリスのもとへ自ら歩み寄り、「僕のことを覚えておいて。5年後にまた会おう」と声をかけたという。

この行動の裏には、ルイス・ハミルトンが少年時代にマクラーレン代表のロン・デニスにF1入りを宣言したという、今や語り草となった逸話への憧れがあったとリンドブラッドは明かしている。自身もハミルトンと同じく多様なルーツを持つイギリス人であり、F1デビューの年が自身の生まれ年でもあったことで、特別な縁を感じていたという。

果たして、あの時ノリスにかけた言葉は現実となるのか──。
今シーズン、F2のパドックにおけるリンドブラッドの存在感から目が離せない。

文:J SPORTS編集部

J SPORTS編集部

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