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SUPER GT2025 Rd.1プレビュー 雨と厳しい寒さが続いた公式テスト…その中で際立ったチャンピオンたちの走り
SUPER GT by 吉田 知弘3連覇を狙うau TOM'S GR Supra
続々とシーズン開幕を迎えている2025年のモータースポーツ界だが、日本で最も人気のあるレースカテゴリーであるSUPER GTも4月12日(土)・13日(日)の岡山国際サーキットで、2025年のバトルがスタートする。
今年もGT500クラスが15台、GT300クラスは28台が年間エントリー。なかでもGT300クラスでは新体制になるチームや、注目のドライバーが参戦するなど話題が多い。
そんな中、シーズンを占う上で重要視されている公式テストが3月15日(土)・16日(日)に岡山国際サーキット、3月29日(土)・30日(日)に富士スピードウェイで行われたが、いずれも天気は芳しくなく、特に岡山は2日間とも雨絡みとなり、結局ドライコンディションで走れたのは1日目午後のセッション2後半のみ。しかも、気温は一桁台と非常に寒く、現在のSUPER GTを戦う上で重要な要素のひとつである“タイヤ”のテストメニューを思うようにこなせなかった。
続く3月末の富士公式テストも1日目は終日ウエットコンディション。2日目は好転してドライでのテストが実施できたものの、ここでも気温が上がらず5月の第2戦を想定するとなると、各陣営ともにデータを豊富に集められたという印象はなかった。
そういう状況下で始まる2025年シーズン。まさに“予想不可能”としか言いようがない状況ではあるが、当日のコンディション下でも安定した速さを見せていた2台の車両がいる。それが前年のチャンピオンマシンであるNo.1 au TOM’S GR SupraとNo.0 VENTENY Lamborghini GT3だ。
VENTENY Lamborghini GT3
最終的なリザルトというよりも、セッションの途中で何度もトップに顔を出すシーンがあった。本番とは異なるコンディションではあるが、同じ条件下でライバルを上回る速さを出していたというのは注目したいところ。昨シーズンを振り返ってもサクセスウェイトが重い状況の中でも冷静にポイントを積み重ねてチャンピオンを手繰り寄せた2台だけに、今回の開幕戦も彼らを中心にした戦いになっていくのではないだろうか。
ドライバーに関しても1号車は坪井翔と山下健太で変わらず、0号車も小暮卓史/元嶋佑弥で継続。特に坪井はGT500クラスに昇格してから初めて前年と同じチームメイトで新シーズンを迎えることになるという。
ただ両車で共通して唯一変更となるのが、エンジニアだ。1号車は昨年までパフォーマンスエンジニアを務めていた伊藤大晴氏がトラックエンジニアに就任し、吉武聡エンジニアが統括的なポジションにつく。さらに0号車サイドはGT500での田坂泰啓エンジニアが今季はチャンピオンマシンを務めることとなった。
テストでの走りを見る限りでは、この変更による影響はほとんどなさそうだが、SUPER GTではレース中に様々なことが起こるため臨機応変な対応も求められる。そういった時にうまく対処できるかが今回の注目ポイントの一つとなりそうだ。
シーズン開幕戦は全車サクセスウェイトがないことを考えると、現状では前年のチャンピオンたちが一歩リードしていそうな雰囲気があるが、もちろんライバルたちも黙ってはいない。
GT500のチャンピオンコンビが警戒していたのはホンダ シビックTYPE R-GT勢だ。昨年デビューして2シーズン目を迎えるマシンだ。今年は空力パーツ等の開発が凍結され、エンジン以外は昨年とほぼ変わらない状態となっているが、マシンの熟成と各チームの理解度が進んでいることを考えると、手強い存在になるこ可能性は高そう。実際にテストでも好タイムを記録する場面もみられた。
ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT
加えて日産勢では2023年にチャンピオンまであと一歩と言うところまで迫った千代勝正/高星明誠が今年は23号車でコンビを組む。速さ・安定感という意味では定評がある2人だけに、開幕戦のみならずシーズンを通しても注目な存在となりそうだ。
またGT300クラスも気になるライバルが多数いるが、なかでもテストで安定して上位につけていたのがメルセデスAMG GT3勢。特にNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)はどのコンディションでも安定して上位につけていたのが印象的だった。こちらも昨年はシーズン2勝を飾るも、最終的にチャンピオンに手が届かなかった65号車。今年は菅波がチームに復帰し、チームも心機一転という印象が感じられる。昨年は開幕戦の岡山でポールポジションを獲得し、決勝でも優勝争いを展開していただけに、今年も目が離せない。
LEON PYRAMID AMG
結局は何を予想しても、最終的な勢力図が見えてくるのは今週末の開幕戦。あいにく雨が絡む天気予報になっているが、他のカテゴリーに負けないくらいのシーズンスタートになることを期待したい。
文:吉田 知弘
吉田 知弘
幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ
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