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モーター スポーツ コラム 2025年4月9日

絶好調の日産!アメリカ、初開催のマイアミで輝くか? | FIA フォーミュラE世界選手権 2024/25 第5戦 マイアミ プレビュー

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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絶好調の日産!アメリカ、初開催のマイアミで輝くか?

絶好調の日産!アメリカ、初開催のマイアミで輝くか?

電気自動車の世界選手権フォーミュラカーレース「フォーミュラE世界選手権」のシーズン11(2024年〜25年)。東京でのフォーミュラE開催まであと1ヶ月と少しになりました。レースはマイアミ、モナコでの3レースを経て、いよいよ5月、東京にやってきます。東京大会を楽しんでもらうためにも是非ここからの3レースはぜひチェックしていただきたいですね。今シーズンもJ SPORTSは「フォーミュラE世界選手権」を生中継。今回は2025年4月12日(土)開催の第5戦「Miami ePrix」のプレビューをお届けしましょう。

さて、今回の舞台はアメリカのフロリダ州マイアミです。近々、F1マイアミGPも開催されますが、フォーミュラEの開催はF1の市街地コースではなく、かつてインディカーを開催していたホームステッド・マイアミスピードウェイが舞台です。いわゆるオーバルコースになりますが、バンクのついたオーバルは利用せず、オーバルの直線区間の一部だけを使い、あとはオーバルのインサイドに設けられた特設コースを使ったレイアウトです。1周は約3.6kmと長めのコースになります。

マイアミと言っても実際にはマイアミの中心地からは車で1時間以上離れた畑に囲まれた場所にあり、かなり長閑なところ。現在は1年に1回NASCARが開催されるだけのコースであり、インサイドを使ったロードコースもレースが開催されていないので路面に関するデータは皆無で、実質的にはストリートコース、雰囲気はドイツのベルリンの空港跡地を使ったコースと考えて良いでしょう。

その分、大幅な番狂わせが起こる可能性があります。今季をリードするのはメキシコシティ、ジェッダで早くも2勝をマークしているオリバー・ローランド(日産)=68点。そしてランキング2位はルーキー、若干20歳のテイラー・バーナード(マクラーレン)=51点。なんと日産パワートレイン勢が1-2状態で好調。チームランキングでも「日産」と「マクラーレン」が僅か1点差で1-2状態を築いています。

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【決勝 ハイライト】FIA フォーミュラE世界選手権 2024/25 第3戦 ジェッダ(サウジアラビア)(2月14日)

オリバー・ローランド(日産)の強さもさることながら、今季開幕戦・サンパウロで3位表彰台に登り、前戦のジェッダでは3位、2位、さらには第4戦で初ポールポジションを獲得する活躍を見せるテイラー・バーナード(マクラーレン)は今最もホットなドライバーです。

バーナードは2022年にドイツF4でランキング2位を獲得すると、翌年はFIA F3に参戦。昨年はFIA F2にステップアップし、モナコのスプリントレースで優勝を果たしました。そして昨年、代役でモナコを含む3レースに出場し、ベルリンで2レースとも入賞。その速さと高い順応性が評価され、今季「マクラーレン」のレギュラーシートを獲得しましたが、これがドンピシャで当たりましたね。特に初開催のジェッダでは昨年FIA F2で走った経験が活きました。

ストリートコースや特設コースなど事前練習がほとんどできないコースが多い「フォーミュラE」において、この順応性の高さはまさに貴重な戦力です。「マクラーレン」ではベテランで12勝をマークしてきたサム・バード(マクラーレン)がチームメイトですが、全てにおいて彼を上回るバーナードのポテンシャルはもう本物です。「マクラーレン」として長期的な契約を考えても何ら不思議ではないですし、F1やインディカー、WECなど様々なカテゴリーに参戦するマクラーレンで大きなチャンスを掴む可能性が高まってくるのではないでしょうか。

あどけなさが残る20歳のテイラー・バーナード(マクラーレン)

あどけなさが残る20歳のテイラー・バーナード(マクラーレン)

「フォーミュラE」における最年少優勝はジェッダのレース1で優勝したマキシミリアン・ギュンター(DSペンスキー)の22歳と200日ですから、現在まだ20歳になったばかりのテイラー・バーナード(マクラーレン)が優勝すれば最年少優勝記録を大幅更新することになります。その舞台が誰しも初レースとなるホームステッドマイアミになるでしょうか、楽しみです。

最年少優勝の記録を持つギュンターにとっては米国籍で参戦する「DSペンスキー」にとって母国でのホームレースです。ロジャー・ペンスキー率いるペンスキーはアメリカのカーディーラーであり、物流も担う巨大な企業グループであり、インディカー、NASCAR、IMSA、WECなどでチームペンスキーとして常に優勝争い、チャンピオン争いをするビッグチームです。

「フォーミュラE」においてはシーズン3からパワートレインサプライヤーとして参戦。シーズン9からはステランティスグループのDSオートモビルと組み「DSペンスキー」として参戦。昨年はチームランキング3位を獲得しました。

今季から実質同じパッケージである「マセラティ」とドライバー入れ替えを行い、マキシミリアン・ギュンター(DSペンスキー)がマセラティから移籍。ジェッダで彼はチーム移籍後の初優勝。チームに2年ぶりの勝利をもたらしました。

ギュンターは昨年の東京を含めてすでにキャリア6勝をマーク。ちょっと成績が安定しないところもありますが、マシンがキマった時の爆発的な速さと勢いは凄まじいものがあります。第4戦のリタイアが響き、ランキング4位につけていますが、チャンピオン争いには必ず絡んでくるドライバーになるでしょう。ペンスキーの母国アメリカで優勝すれば、そのチャンスは一気に高まります。

また米国籍のチームは「アンドレッティ」、さらに「クプラ・キロ」と合計3チームが参戦。元チャンピオンのジェイク・デニス擁する「アンドレッティ」はまだ今季表彰台が無し(最高位4位)の状況であり、母国アメリカでの表彰台はチームの再浮上のために必至です。「クプラ・キロ」は昨年までの「ERT」から体制変更したチームで、ロサンゼルスの企業がチームを取得したため米国籍で参戦しています。母国レースに挑むアメリカ勢の活躍も期待しましょう。

さて、チャンピオンシップとしてはオリバー・ローランド(日産)が大幅にポイントリードを取っていますが、気になるのはそのチームメイトとして日産に復帰したノーマン・ナト(日産)の存在。ローランドが大活躍する一方で、ナトは今のところノーポイントレースが続いています。昨年苦戦して契約終了となってしまったサッシャ・フェネストラズよりも酷い惨状となっており、チームランキング首位を維持するためにはナトの活躍が絶対必要な状況。東京大会が間近に迫る中、日産として波に乗っていけるのか気になる1戦になりそうです。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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