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モーター スポーツ コラム 2025年4月7日

打倒・au TOM’S GR Supraが合言葉!? メーカー三つ巴の激戦必至!

SUPER GT by 島村 元子
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桜の季節が瞬く間に過ぎようとするなか、いよいよ今シーズンのSUPER GTが幕を開ける。4月12日(土)、13日(日)に岡山県・岡山国際サーキットで開催される「OKAYAMA GT 300km RACE」は、早くも激戦となるのか!? 陽春の岡山を舞台に繰り広げる一戦は、もう目の前だ。

・少ない変化ながら、粛々と熟成を目指すGT500

2024年はチーム体制、参戦車両、レギュレーションなど多方面において変化の多いシーズンだった。今シーズンはというと、まずGT500クラスにおけるコンビの変更は全15チームのうち4チームに留まる。うち、2台がニッサン陣営で、No.3 Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)No.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)という布陣になった。うち、佐々木がGT300クラスからの復帰を果たす形だ。千代と高星はニッサンのエースナンバーを背負うことになったが、かつてともに3号車をドライブしているだけに、心配もないはず。チームとして2015年以来のタイトル奪取という大きな目標に向かって突き進むだけだろう。一方の3号車佐々木は、GT500復帰、しかもNISMO/NDDPチームからの参戦。加えてブリヂストンタイヤも2020年以来となるが、レーシングカート時代からの知り合いという三宅とのコンビネーションとこれまでの経験値を活かし、序盤から優勝争いに食い込んできそうだ。

同じくGT500への復帰を果たすのが、No.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraのサッシャ・フェネストラズ。ともに戦う関口雄飛とは、2020年にTOM'Sの36号車でコンビを組んだ間柄であり、23号車同様、不安要素は少ないはず。過去2年間はフォーミュラEに参戦していたフェネストラズとしては”最新の”SUEPR GTへの対応も必要だろうが、伸び代のある25歳はそんなハードルすらいとも簡単に超えていくことだろう。王者経験のある関口とのタッグで、チームに2016年を最後に遠ざかっているチャンピオンをもたらそうと、早速開幕戦から勝ちを狙ってくることだろう。

一方、GT300クラスからステップアップを果たすルーキードライバーを迎え入れるのは、No.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT。2008年にSUPER GTへデビューして以来、一貫してこのチームで参戦する塚越は2シーズン連続でルーキーとの戦いに挑むことになるが、そのお相手となる小出峻は、GTだけでなくスーパーフォーミュラへもステップアップを果たしており、上昇気流に乗っている。ホンダ陣営からの期待も大きく、どれだけ”化ける”のか注目したい。

なお、クルマに関する開発等は凍結されており、根本的な進化は見られない。予選方法も、昨年のタイム合算方式から少しばかり変更があるものの、2023年まで採用していたノックアウト方式の予選へと戻る。そういう状況のなかで、いかにライバルを出し抜いていくかが今シーズンの重要ポイントとなってくる。その影響もあるのだろうか、今シーズンは5チームがエンジニアを変更。近年、コンマ1秒どころではない僅差の戦いも目の当たりにするようになってきた予選、そしてレースでの緻密な戦略を構築するにあたって、重要な役目を果たすエンジニアの存在がクローズアップされるやもしれない。ドライバーやチームにもたらす成果としての”化学反応”がいち早く見られるのはどこなのか。その点もチェックポイントのひとつになるだろう。

そして、スタートダッシュを見せたいディフェンディングチャンピオンのNo.1 au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)。昨年の岡山を制しており、オフシーズンのテストの流れから見ても盤石の体制であることは明らか。坪井自身には、SUPER GTとして前人未到の3連覇がかかるシーズンになるが、ライバル勢も黙ってはいない。同じトヨタ陣営はじめ、テコ入れを行なったニッサン勢、そしてCIVIC TYPE R-GTの熟成が進んだホンダ勢もタイトル奪還目指して戦闘力強化を進めており、緒戦から3メーカーがしのぎを削ることが予想される。

・激しい格闘に!? 新参組も含め、群雄割拠のGT300

各車両の特性に合わせたパフォーマンスでレースを沸かせるGT300クラス。昨シーズンの覇者、VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)は、ゼッケンをGT300クラス王者の証である「0」へと変更した。サクセスウェイトを積みながら4勝を挙げる強さを超えるパフォーマンスが求められるだけに、その道のりは極めてタフなものになりそうだが、未だどのチームも成し遂げていないGT300クラスでの連覇に向けて、開幕戦から好発進を狙うことだろう。

一方、チャンピオン争いで惜しくも涙を呑んだチームも黙ってはいない。岡山とは極めて相性の良いNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)、さらに昨年の岡山を制したNo. 2 HYPER WATER Racing INGING(堤優威/平良響)がその代表格と言えよう。レース中の戦略含め、それぞれの強みをどれだけ発揮できるか、巧みな戦略も見ものだ。

なお、GT300クラスではGT500クラスに比べて、少しレギュレーションの変更が多くなっている。新たに導入される「サクセス給油リストリクター」では、ピットでの給油時間がこれまで以上かかることになるため、ピット作業のミス回避は必須。1秒たりとも無駄な時間は作れない。サクセスウェイトも100kgへと引き上げられる上に、装着するタイヤはフロントタイヤのサイズが小径化されており、そのデメリットも出てきそう。タフな戦いが予想されるなかで、レース結果に対しては、優勝ポイントの増加さらには上位15位までにポイントが授与されることになった。シンプルに考えても、優勝候補がより増えて今まで以上に熾烈な争いになるはず。果たして、新参チームも登場する岡山では、今シーズンの勢力図がうっすらと浮かび上がってくるのだろうか。

なお、新しいシーズンを迎えるにあたり、レギュレーションの変更等はすでに別コラムで紹介しているので、こちらもぜひ参考にしていただければと思う。

コンパクトながらもテクニカルなレイアウトを持つ岡山国際サーキットはコースと観客との距離も近く、観戦時は、ダイナミックなバトルを存分に体感できる。シーズン最初の戦いの行方を、サーキットで、またテレビでしっかりと見届けよう。

文:島村元子

島村元子

島村 元子

日本モータースポーツ記者会所属、大阪府出身。モータースポーツとの出会いはオートバイレース。大学在籍中に自動車関係の広告代理店でアルバイトを始め、サンデーレースを取材したのが原点となり次第に活動の場を広げる。現在はSUPER GT、スーパーフォーミュラを中心に、ル・マン24時間レースでも現地取材を行う。

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