人気ランキング

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム一覧

モーター スポーツ コラム 2025年3月26日

ブレガ&ドゥカティ完勝で始まった2025年の行方は? | スーパーバイク世界選手権 2025 第2戦 ポルティマオ プレビュー

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
  • Line
FIM スーパーバイク世界選手権2025 第1戦 フィリップアイランド

スーパーバイク世界選手権 2025 第2戦 ポルティマオ

スポーツバイクの最高峰世界選手権シリーズ「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」はすでに2月末にオーストラリアのフィリップアイランドで開幕。第2戦以降は全て欧州のサーキットで開催となり、ヨーロッパラウンドがいよいよ始まります。「J SPORTS」では今季も同選手権を放送&配信。今回はポルティマオ(ポルトガル)にあるアルガルヴェインターナショナルサーキットで3月28日(金)〜30日(日)に開催される第2戦のレースプレビューをお届けしましょう。

さて、開幕戦・フィリップアイランドはタイトルの通り、ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)のパーフェクトな3連勝となり、ドゥカティ陣営が優勢という形で2025年シーズンの幕が開きました。フィリップアイランドは昨年同様にレース1、レース2がピットイン&タイヤ交換義務付の特殊なフォーマットになりましたが、その難しいシチュエーションが絡んでもトップを譲ることなく、独走劇を展開。まだ25歳と若く、WSBK参戦もまだ2年目というニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)の成長レベルが凄まじいと誰もが感じる週末でした。

一方、チームメイトの元チャンピオン、アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)はスーパーポールレースで転倒し、ノーポイントレースを作ってしまうことになりました。今回もまた一気に速さを増した若きチームメイトに昨年以上に離されてしまった焦りも垣間見えたように思います。

開幕3連勝を飾ったニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)は昨年もフィリップアイランドでは速さを見せており、いきなりWSBKデビューウインを飾るなど、同サーキットは彼の得意コースとも言えますが、第2戦・ポルティマオはどうでしょうか。

ポルティマオでは昨年、トプラク・ラズガットリオグル(BMW)が3連勝をマークしています。彼がWSBKの記録となる13連勝をマークしたのがポルティマオでした(その次のレースで転倒、欠場により連勝記録はストップ)。2023年も彼は2勝をマークしていますし、ヤマハ時代にも優勝経験があり、相性の良いコースと言えるでしょう。

またBMWにとってもポルティマオは相性が良いとも言えます。2021年のスーパーポールレースではマイケル・ファンデルマーク(BMW)が移籍後の初優勝を達成。この勝利はBMWにとっても実に8年ぶりの勝ち星だったのです。そういう意味ではBMWにとってはトプラク・ラズガットリオグル(BMW)、マイケル・ファンデルマーク(BMW)共にトラブルによるノーポイントレースを2つ作ってしまった開幕戦の鬱憤を晴らすには良いコースかもしれません。

ただ、いつもと違う状況があります。ポルティマオでのレースはこれまでサマーブレイク明けの9月前半辺りに設定されることが多く、春開催は初めてのこと。今までとは異なるコンディションに強さを見せるのはやはりトプラク・ラズガットリオグル(BMW)ですから、ここはシーズンを面白くしてもらうためにも逆襲が見たいところです。

しかしながら、開幕戦3レースを終えてランキング上位5台は全てドゥカティ。プライベーターを含めてドゥカティ無双状態の優勢ぶりとなりました。対抗できたのはトプラク・ラズガットリオグル(BMW)ぐらいで、「ビモータ」、「ヤマハ」、「ホンダ」のライダーたちはさらに苦戦を強いられていました。ここから始まるヨーロッパラウンドでドゥカティの対抗馬が現れるのかどうなのか、という点が今回の要注目ポイントになりそうです。

「ヤマハ」は今季復活が期待されていたジョナサン・レイ(ヤマハ)が開幕前テストで骨折、欠場。今回も回復が間に合わず、MotoGPテストライダーのアウグスト・フェルナンデスが代役としてアサインされていましたが、急遽MotoGPアメリカズGPへの代役参戦が決定したため、代役の代役としてジェイソン・オハローラン(ヤマハ)が起用されることになりました。

オハローランはBSB(英国スーパーバイク選手権)で長くトップライダーとして活躍した37歳のベテランで、今季はFIM EWC(世界耐久選手権)のヤマハトップチーム「YART Yamaha」に加入。レイの代役を急遽務めることになり、肩の荷がなかなか重いですが、レイの本格復帰の前にヤマハ浮上のキッカケを作ってもらいましょう。

カワサキから体制をリブランドして参戦した「ビモータ」は3レース全てでアレックス・ロウズ(ビモータ)、アクセル・バサーニ(ビモータ)共にトップ10でのフィニッシュを達成。新体制としては悪くないスタートを切りました。

一方で「ホンダ」はもっと深刻なスランプと言えるリザルトになってしまいました。イケル・レクオーナ(ホンダ)が欠場となり、ベストフィニッシュはチャビ・ビエルゲ(ホンダ)の11位。シーズン立ち上がりが苦戦したのは昨年同様ですが、ホンダ勢は昨年のシーズン後半は表彰台を争うレースを多数展開していただけにこの苦境を乗り切ることができるでしょうか。

「ドゥカティ」優勢で始まった2025年シーズン。このままニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)の独走体制が続くのか、それともいつもシーズン立ち上がりがスロースタートのトプラク・ラズガットリオグル(BMW)が逆襲の狼煙を上げるのか。いよいよ2025年の行方が見える戦いが始まります。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
モーター スポーツを応援しよう!

モーター スポーツの放送・配信ページへ