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最終戦でデモランを行った自立走行レースリーグA2RLのマシン
先日、ある会合で文章をまとめるということになり、メンバーはほぼ皆先輩だったので、ボクにそのお鉢が回ってきた。どうような文章を作ろうか思案している間にそこに居合わせた代理店業の若者が「こんなのどうでしょう?」とラップトップを向けてきた。なんと素晴らしい文章がそこにはあったのです。入れ込むべき要素・項目、文字量をアプリケーションに入力、体裁も選ぶと瞬時に文章ができ上がる。これぞAI(人工知能)の威力。ボクが作る文章よりも簡潔なものでした。
モータースポーツ雑誌の編集助手みたいなことをしている時に出回り始めたラリーコンピュータ(ラリコン)の取材をし、特集ページを作ったことがある。1970年代のこと。今や一般車に装着されているGPSを使ってのナビゲーションシステムもない時代。ラリコンの出現前は、コ・ドライバー=ナビゲータが計算機、計算尺などを駆使してアベレージスピードなどを割り出していた。ラリコンは、【ナビいらず】と呼ばれた。文章を簡単に作ってくれるAIは、【ライターいらず】ですね。
そう言えば、スーパーフォーミュラの最終戦にドライバーが乗っていないSF23の走行が披露され、自律走行システムとAIによってマシンが鈴鹿サーキットを周回した。何周したかは忘れてしまったけれど、最後はヘアピンの立ち上がりでスピンしてイン側にクラッシュ。その様を見ているとこの無人フォーミュラカーは、【ドライバーいらず】の域には達してはいない。フォーミュラではないけれど、海外でスポーツカーのロボットカーが走行し、やはりクラッシュしてしまった。その状況を<幸いに誰も怪我しなかった>と外電が報じた。これは最高のジョークだ。しかし、ロボットカー製作に資金を投じた人物とエンジニアは精神的な痛手を負ったでしょう。
AIによるものという領域ではないけれど、国内でフォーミュラカーのセッティングをその場ではなく、リモートで行うことが実現しているのを聞きました。マシンのベースセッティングから走行。後のデータロガーをリンクさせ、プラス、ドライバーからのインプレッションを聞き、それに基づいてセッティングの変更をメカさんに指示。見事にタイムアップとドライビングのインプルーブメントが達成されたと聞きます。すごい世の中になったものだ。つい数十年前まで、マシンセッティングは感覚が最重要だった。昔々あるドライバーがピットに戻ってきて、「どうもリヤが滑る」と。ベテランメカさんが工具を手にしてリヤのサスペンションで取り付きコースに送り出す。見事にタイムアップ。ドライバーも満足。しかし、ベテランメカさんは、素振りだけで何も作業はしていなかった。そのような時代の方が温かみを感じられるこの年の瀬です。
文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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