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モーター スポーツ コラム 2024年10月18日

2年連続王者へ着々とポイント重ねる36号車

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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No.36 au TOM’S GR Supra

今週末は2024年のSUPER GT第7戦オートポリス。8月末の第5戦鈴鹿大会が台風の影響により12月に延期となったため、このオートポリス大会がシリーズ6戦目。サクセスウェイトが一番重くなる1戦となる。さらに舞台となるのは“シーズンの中で最もタイヤに負担がかかる”と言われるオートポリス。今回は3時間レースと距離も伸びるため、予想のつかない展開が待ち構えていそうだ。

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改めて前回のSUGO大会を振り返ると、週末を通して不安定な天候に見舞われ、土曜日の予選はキャンセルとなり、公式練習での順位でグリッドが決定。決勝レースは雨上がりのコンディションから、後半にかけて路面が乾いていくという難しい状況の中で、14番手からスタートとしたNo.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)が序盤から怒涛の勢いで追い上げて、レース後半にトップに浮上。そのまま後続とのリードを守って今季2勝目をマークした。

昨シーズンは苦労が続いた37号車の笹原/アレジ組だが、今年の第3戦鈴鹿で待望の初勝利を挙げてからは一皮剥けたような感じで、燃料リストリクター制限がついた状態のなかでも粘り強さでポジションを上げてくるシーンが増えている。特にスーパー耐久でも活躍中のアレジが自信を深めている様子で、SUGOでも優勝がかかった重要な場面でミスなく安定したペースで走っていたのが印象的だった。

これで、ランキング2番手に浮上したこともあり、チャンピオン獲得への期待も高まっている。

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“粘り強く戦っている”という点でいくと、今年もGT500クラスのランキング首位を快走するNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)の戦いぶりが印象的だ。開幕戦でのポール・トゥ・ウィンを皮切りにサクセスウェイトが増えていく中でも着実にポイントを重ねている。

なかでも印象的だったのは、第4戦富士。サクセスウェイトが74kgとなり、同クラスのなかで燃料リストリクター制限が2段階目に突入した。舞台が富士スピードウェイということもあり、ストレート勝負では圧倒的に不利という状況だった。

それでも「1ポイントでも持ち帰る」ことを目標に予選から最善を尽くす走りを披露。決勝も14番手スタートから坪井が順位を上げながらレース後半まで引っ張る戦略で周回を重ね、短めの後半スティントを担当した山下が、勝負をかけてさらにポジションアップ。コース上での直接バトルでは何度もストレートでライバルが先行するが、コーナー区間で逆転を狙うという粘り強いはしりをみせた。

特にNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Zとの8番手争いでは、山下がセクター3で間合いを詰め、メインストレートでは相手のマシンの真横に入って“サイドスリップ”を使ってスピードを稼ぐという手法で有利な展開に持ち込んでいった。

こうした諦めない走りで最終的に7位を獲得。連覇に向けて貴重な4ポイントを手にした。

前回のSUGOでも、サクセスウェイトが82kgになって燃料リストリクター制限はMAXの3段階目に突入したが、予選日が雨だったことを味方につけて4番グリッドを獲得。決勝でも一時はトップを走る力強さを披露した。その後、路面が乾いてきてからはライバルの先行を許したが、粘り強くポジションを守って4位入賞。8ポイントを獲得してランキング首位を守った。

SUPER GTは独自のルールであるサクセスウェイトを積むことで不利になる点はあるが、その中でも中盤戦でどれだけ上位に食い込んでポイントを獲得できるか……そこにフォーカスして実行できているというのが、今の36号車の強さと言えるだろう。

「燃リスが入ってきた時の辛さは昨年散々味わってきているので、どういうふうになるかは想像ができています。そこから『どういうふうにしたら抜けるか、どうしたら前に出られるか』をいっぱい試して、対処法はわかっているつもりでいます。その経験が今年は活きているのかなと思います」

そう語るのは昨年36号車でチャンピオンを獲得した坪井。その経験があるからこそ、状況的に厳しくなる中盤戦でも、常に落ち着いてコメントしている姿が印象的だ。

今回のオートポリス大会に向けても、相方の山下と共に「長いレースだからこそ、チャンスはある」と前向きに捉えている。98kgのサクセスウェイトを背負って優勝というのは現実的に難しいが、4~5位につけることができれば、チャンピオンにまた一歩近づくことにある。

2024年のチャンピオン候補が、九州での長丁場ラウンドをどう攻略するのか。非常に楽しみなところだ。

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文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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