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モーター スポーツ コラム 2024年10月15日

SUPER GT第7戦プレビュー タイヤに厳しいオートポリス シーズン最重量のハンデで激戦に

SUPER GT by 島村 元子
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第5戦鈴鹿が台風上陸の影響で開催延期、そして第6戦SUGOは悪天候で度重なるリスケジュールになるなど、シーズン中盤は天気に翻弄されているSUPER GT。SUGOでは、降雨が続くなかでも来場した多くのファンが辛抱強くレース開催を待っていた姿が記憶に残る。次の第7戦こそ、ぜひ秋晴れの下でレースを! と願うのはみな同じ。雄大な阿蘇の外輪山に位置する大分・オートポリスでは、シリーズタイトルを視野に入れた熱戦を見せてもらいたい。

・サクセスウェイトMAXでの一戦

雨の影響を受けてタフなレース展開となった前回のSUGO。決勝では、14番手からスタートを切ったNo.37 Deloitte TOM’S GR Supraが巧みな戦略を味方に、シーズン2勝目を遂げた。これによってシリーズランキングも4位から2位へと浮上。現在、ランキングトップである”僚友”No.36 au TOM’S GR Supraとの差はわずか1点になり、混戦模様を呈している。他のライバルたちも王座を巡って厳しい戦いが続くなか、今大会で課せられるサクセスウェイトはシーズン最重量となるため、例年以上にシビアな一戦になりそうだ。

参戦6戦目までは、シーズン中のレースで獲得したシリーズ得点の累積1ポイントを2kgに換算し、サクセスウェイトとするSUPER GT。以降、7戦目は1ポイントを1kgに換算し、8戦目にはウェイトを積載しないルールを適用している。今大会のオートポリスは第7戦として行われるが、第5戦鈴鹿が延期になったことで、開催レースとしては”6戦目”。よって、”フルウェイト”の積載となる。過去2シーズンは第7戦として実施しているため、今シーズンは最大値のハンディキャップをもってオートポリスに臨まなければならない。

GT500クラスでは、36、37号車に加えてNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTの計3台が、いわゆる”3リスダウン”と言われる燃料流量リストリクター径の調整対象になる。SUGOを制した37号車の笹原右京は、「ジュリアーノ選手とのコンビになって、前回のSUGOでの1リスダウンも初めてだったが、今度はいきなり3リスダウンになる」と語るが、上位3台にとって今大会はシーズン一番の”耐えどころ”。もちろん展開次第でチャンス到来の可能性もあるが、最終戦までタイトル争いを続けるためにも、まずは与えられた条件下でベストを尽くすことが重要となる。もちろん、直近のライバルより前のポジションでレースを終えることも意識しなければならない。そして、”2リスダウン”が適用されるのは、No.38 KeePer CERUMO GR SupraNo. 3 Niterra MOTUL Zの2台。さらにNo. 12 MARELLI IMPUL Zが"1リスダウン"の対象に。シーズン最大の”足かせ”に対し、上位ランキングの各チームがどんな対策をもって戦うのかも見どころになるだろう。

・オートポリス初の3時間レース

オートポリスでは、2022年まで300kmレースを実施してきたが、昨シーズンは1.5倍の450kmに。そして、今シーズンは初の時間制を採用し、3時間レースで開催される。過去2シーズンのデータをもとに同じドライコンディションで実施された場合、100周前後でのレースになると思われる。レース内容によってフルコースイエロー(FCY)さらにセーフティカー(SC)が導入されると、当然周回数も減るが、ルーティンのピット作業をどのタイミングで行なうかもレース結果に影響を与えることになるはず。今シーズンは、すでに第2戦富士と第3戦鈴鹿で450kmの戦いを経験済みとはいえ、レース中の”不確定要素”をうまく味方につけるような展開がなれば、後方から大きくポジションアップできる可能性も高く、面白いストーリーを期待できるのではないだろうか。

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・GT300クラスはいっそう混乱模様!?

シリーズランキング上位が僅差のGT500クラスに対し、GT300クラスは、前回のSUGOでNo.65 LEON PYRAMID AMGが粘り強い走りで逆転勝利を果たし、ランキング暫定トップを奪取。同2位のNo. 2 muta Racing GR86 GTに対して15点の差をつけている。今大会を含めてまだ残り3レースあるため、この先も混戦が予想されるが、ライバルより頭ひとつ抜けるためには、より”賢い”戦略が必要となるだろう。前回のSUGOでは、タイヤメーカーがそれぞれ異なるチームが表彰台に上がっているが、オートポリスではいかに!? 加えて、当日の気象条件に対し、持ち込んだタイヤが路面に合うかどうかも気になるところ。おおよそ、各チームでは開催約1か月前にレースで使用するタイヤを選択するらしく、その時点で早くも戦いがスタートしているようなもの。タイヤという道具をいかに使いこなすかを含め、その駆け引きにも注目してほしい。

・ダイナミックなレイアウトのオートポリス

昨シーズンとは異なるシチュエーションでの戦いとなる今大会。戦うドライバーやチームにとって、戦々恐々あるいは千載一遇の一戦になるのか、まったくもって予測が難しい。そんななか、シーズン途中で変更された方式での予選が、ようやく実現する。もともと第5戦鈴鹿から導入予定だったが、続く第6戦SUGOも雨のため予選そのものが実施されずに終わっている。待ちに待った”改訂版”予選セッションだけに、各ドライバーはニュータイヤのメリットを存分に活かしたアタックを見せてくれるに違いない。

一方、オートポリスは大小いろんなコーナーを織り交ぜた高低差のあるレイアウトを持ち、チャレンジングコースとして知られる。クルマのセットアップもエンジニア泣かせで、コンディションに合った的確なセッティングが求められる。また、路面のピックアップ頻度も高く、ドライバーも高度なテクニックでの対応が必要。さまざまなアプローチを結実させ、”難関”のオートポリスを攻略することでシーズン終盤を一気に駆け抜けたいところだ。

■ドライバーからひと言!

吉田広樹(No.52 Green Brave GR Supra GT

 

今シーズンは新しいチームメイト(野中誠太)とともに参戦していますが、チーム1年目の彼と一緒に成長していけたらいいなと思っています。レースに関しては、昨年もそうでしたが”取りこぼさない”ことを目標に戦っています。ただ、第4戦富士でタイヤ無交換に挑んだのですが、ポイントを獲れず終わったのはもったいなかった。でも自分たちで攻めた結果なのでそれを失敗と捉えるのではなく、今後のレースでそれを活かした戦いができれば、と考えています。

また、前回のSUGOは雨のなか、公式練習中にクラッシュしてしまったことはチームにも誠太にも申し訳なかったと思います。その場での修復ができず、決勝も出走できませんでした。でも、”まだ3レース”あるという気持ちでいるし、シリーズ争いも諦めるつもりはありません。オートポリスでは、個人的には多少リスクを取ってでも上位というか、ずばり勝ちを狙っていきたいと思います。もちろん、相手があってのことですが、まずは自分たちがベストを尽くすことに変わりはありません。

オートポリスの路面は、他のサーキットに比べてもタイヤに厳しい。そこをうまくマネージメントして戦いたいですね。鈴鹿が延期になったので、フルウェイトでの一戦になりますが、レースは道具を使うスポーツでもあるので、持っている”武器”を最大限活用したいと思います。チームとしても、シーズンをまたいでオートポリス2連勝中。間違いなく自分たちにチャンスがあるし、ブリヂストンタイヤもすごい武器になると思います。僕としては地元だし、サーキットのアンバサダーですしね! 天候含め、いろいろ”読めない部分”はあるでしょうが、それをうまく味方につけて3連勝を目指したいです。しっかりと戦略を立てて臨みたいと思います。

サーキットで観戦するなら、パッシングポイントの1コーナーの迫力を楽しんで欲しいですね。最終コーナーの手前からの緩やかな複合カーブあたりが難しいポイントなので、前のクルマに詰まりやすいんです。一方、ドライバーとしては先が見えない場所でもあるので、ステリングを切るタイミングなどとても難しいところ。いろんな意味でテクニックが試される場所でもあります。また、サーキットへの道中は、晴れたら季節的にも綺麗な風景が楽しめると思いますので、ぜひ来てくださいね。

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文:島村元子

島村元子

島村 元子

日本モータースポーツ記者会所属、大阪府出身。モータースポーツとの出会いはオートバイレース。大学在籍中に自動車関係の広告代理店でアルバイトを始め、サンデーレースを取材したのが原点となり次第に活動の場を広げる。現在はSUPER GT、スーパーフォーミュラを中心に、ル・マン24時間レースでも現地取材を行う。

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