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スーパーフォーミュラ2024第6,7戦プレビュー 今年初のダブルヘッダー開催。注目の王座決戦へ“先手”を打つのは誰だ!?
モータースポーツコラム by 吉田 知弘現在ランキングTOPの野尻智紀(TEAM MUGEN)
毎回、白熱したバトルが展開される2024年シーズンのスーパーフォーミュラ。今週末は富士スピードウェイを舞台に第6戦と第7戦が開催される。今年初のダブルヘッダー開催ということで両日とも午前中に予選・午後に決勝レースが行われるため、普段は決勝日しか観戦に来ないという方も、今回は朝早くからの観戦にはなるが、緊迫した予選の雰囲気を味わえるチャンスだ。
今シーズンは全9戦のうち5戦が終わったということで、後半戦に突入したばかりという印象を持っている方もいるかもしれないが、大会数で見ると今週末の富士と11月の鈴鹿の2回だけ(両方とも2レース開催)ということで、実質的には終盤戦に入ってきていると言っても良い。
そうなると気になってくるのはシリーズのチャンピオン争いだ。第5戦もてぎを終えて、野尻智紀(TEAM MUGEN)が58ポイントでランキングをリードしているが、前回のレースで自身2勝目を飾った牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が53ポイントで2番手につけている。さらに今季は3度表彰台に上がるなど、安定した走りをみせる坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が43.5ポイントでランキング3番につけている。
シーズン序盤からの流れを振り返ると、開幕戦の鈴鹿で優勝を飾って好ダッシュを決めた野尻に対して、シーズン中盤でポイントを稼いだ牧野と坪井が追いかけるという雰囲気がある。特に牧野に関しては第5戦もてぎでの優勝が大きい。このレースはチームメイトの太田格之進がトップを快走しながらも、ファイナルラップ直前でマシントラブルによりスピンを喫し、2位を走っていた牧野が1位に上がってチェッカーを受けた。それだけに、本人もこの勝利には微妙な表情をみせていたが、そこで獲得した20ポイントがあったことで野尻に対して5ポイント差まで迫った。
第5戦で今シーズン2勝目を挙げた牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
観ている側からすれば盛り上がる展開ではあるが、本人は「ポイントのことはあまり気にしていないです」とのこと。それよりも、もてぎでのモヤモヤした気持ちを取り払うべく、今度はしっかりと主導権を握って優勝を飾りたいという気持ちが強いようだ。この富士ではシーズン中に行われた公式テストでも好調な走りを見せていただけに、今回も優勝候補になることは間違いなさそう。いずれにしても最終大会に向けて勢いをつけたい富士の2日間となるだろう。
ランキング3番手の坪井は、もてぎで力強い走りを見せながらも戦略面で後手を踏む展開となり、野尻とのポイント差が離れてしまった。とはいえ、7月の第4戦で圧倒的な速さと強さをみせていただけに今回も手強い存在になることは間違いない。土曜・日曜と2連勝することができれば野尻とのポイント差を一気に縮めることも可能だけに、坪井にとっては勝負の富士ラウンドとなりそうだ。
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ランキング3位の坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)
対して“逃げる立場”にある野尻は、予選でトップ3に入れないレースが続いたものの、決勝でしっかりと追い上げて表彰台圏内をキープし続けている。振り返ると、第2戦オートポリスを除いて全て表彰台に上がっており、決して調子が良くない時でも結果を残し続けているのが、ランキング首位を守り続けている要因となっている。
ここまで取材をしてきた印象だと、富士スピードウェイに対しては苦手意識の方が比較的強そうな感じ。さらに今回2レースあるということで、両方ともライバルに高得点を奪われると、追いかける立場で最終大会の鈴鹿に向かうことになる。こちらも、どういう流れで富士大会を終えるかがキーポイントとなりそうだ。
もちろん、ランキング4番手以下のドライバーたちにも十分にチャンスがある。何度も触れている通り今回は2レース制ということで、両レースともにポールポジション(3ポイント)と優勝(20ポイント)を飾ることができれば、一気に46ポイントも稼ぐことができる。すでに富士スピードウェイでは7月に公式テストと第4戦を各陣営が経験しており、データも揃っているはず。“ここで一気に逆転を狙う”と考えている人が大多数だ。
それだけに、今まで以上に激しい2連戦になることは間違いなさそう。今季の王座争いで“先手”を打つのは、果たして誰なのか? 富士2連戦から目が離せない。
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【限定】【近藤真彦会長がドライブ!】 スーパーフォーミュラ開発テストカー『赤寅』デモ走行
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配信期間 : 2024年10月13日午後2:10 ~
文:吉田 知弘
吉田 知弘
幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ
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