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モーター スポーツ コラム 2024年9月20日

タイヤ1セット制限とGT300のQ1組分けが廃止。シーズン後半から一部改定された予選ルールを改めておさらい

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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混戦が予想されるGT300クラス。

台風10号の影響で8月31日・9月1日に予定されていたSUPER GT第5戦鈴鹿大会が12月に延期されたことで、今週末の第6戦SUGO大会からシーズン後半に突入することとなる。

今回の注目ポイントは、何と言っても予選ルールの一部変更。今季から300kmレースで使用できるタイヤが4セットに制限されたことを受け、予選ではQ1・Q2の合算タイム方式に変更され、使用できるタイヤは1セットのみという制限がついた。これに伴い、GT300クラスではQ2も2グループに分けてセッションが設けられたほか、上位グループと下位グループで順位入れ替えルールを設けるなど様々なルールを追加し、開幕戦から運用されてきた。

しかし、実際に新方式で予選を進めていくと、路面コンディションの変化で有利・不利が顕著になっている部分もあり、各チームからも様々な意見が上がっていた。

それらを踏まえて、8月4日にGTアソシエイションが予選ルールの一部改定を発表された。その変更内容について、特に重要な部分をピックアップしてご紹介したいと思う。

【GT500・GT300】合算タイム方式は変わらず、予選タイヤ1セット制限が廃止。

予選でのタイヤ戦略も見どころの一つとなる。

まずは今年から導入されているタイム合算方式については変更がなく、Q1とQ2を別々のドライバーが担当し、そこで記録されたタイムを合算したものでグリッドを決める。ただ、後半戦から予選基準タイムが設けられることとなり、両セッションともトップ3の平均タイムの107%を基準タイムとして設定。それに達しなかった車両はグリッド最後尾からのスタートとなる。

その中で大きな変更となるのが、使用可能なタイヤの本数だ。これまでの前半戦では、Q1とQ2で使用できるタイヤは1セットのみ→Q2は必然的にユーズドタイヤでアタックをしなければならなかった。

これが今回からQ2でも新品タイヤを使用することは可能。もちろん従来通りQ1のタイヤを継続し、使用本数を1セットにとどめることも可能で、Q2を新品タイヤにするか否かは各チーム自由となる。ただし、1セッションで2セット以上を使うことはできない。

決勝スタート時に装着するタイヤについては以前のように予選終了後に抽選が行われ、そこで決定した予選用マーキングタイヤでスタートする。ちなみにタイヤマーキングの内訳は以下の通りだ。

・Q1のみで使用したタイヤは「QA」
・Q2のみで使用したタイヤは「QB」
・Q1、Q2両方で使用しタイヤは両方のマーキングが行われる。

ちなみに、このタイヤマーキングは基本的に予選前に行われるとのこと。このためタイヤ戦略は予選前の段階で決めておかなければならいのだが、それをどのような形で現地観戦に来ているファンやテレビで視聴している人に伝えるかというところの方法は、8月にGTAから説明があった時点では“現在模索中”という状況だった。

【GT300クラス】Q1・Q2グループ分けが再編

コース幅の狭いSUGOだけに各車いかにアタックを掛けるのか注目したい。

続いてGT300クラスのグループ分けについて、簡単にまとめると以下のようになった。

・Q1が20分となり全車出走。上位14台と15位以降でグループ分けされる。
・Q2Lower15で15番手以下の合算タイムでグリッドが決定。
・Q2Upper14で1~14位の合算タイムでグリッドが決定。
・総合13~20番手の“順位入れ替えルール”は廃止。

合算タイムなのでQ1から好タイムを狙わなければいけないのだが、14位以内に入らないと上位グリッドを獲得できない。さらに路面コンディションの不公平さをなくすためにQ1は全車出走というフォーマットを採用したため、コース上の混雑でタイムアタックがうまくできないという懸念点が必ず出てくる。

20分と限られた時間で、うまくタイミングを見つけるというのも、見どころのひとつとなりそうだ。

特に今回のルール変更では、GT300クラスに関わる部分が大きい。これに関してGTAの沢目拓レース事業部部長は「組分けに対する不公正さというところに対するご指摘の声をかなりいただいておりましたので、やはり『(GT300に関しては)イコールコンディションで走れるように』というところで、このような結論に至りました。もちろんSUGOのようにコース幅の狭いところやコースが短いところはどうするのかという話も出てきましたが、スポーツ部会で議論を重ねて決まりました。まずは後半戦をこのルールでやっていって、来年以降どうするかについては、改めて議論を進めていきたい」と説明してくれた。

これにより、今まで複雑になっていた部分は改善されたように見える一方で、一部からは「シーズン中にルールを変えるのは良くない」という声も上がっていた。また、今年から導入されたタイム合算方式についても様々な意見が今なお上がっている状態でもある。

「正直なところ、(タイム合算方式の改定については)スポーツ部会や取締役会でもかなり議論させていただきました。特にSUPER GTはプロスポーツでありますので、シーズンの途中で真逆のルールに変更してしまうということ自体は、やはりスポーツの精神として、そこは曲げないべきであろうというところで、タイム合算という方式自体は維持をさせていただきたいというところで決定をしております」と沢目部長。

「ただし、ルールの不公平さですとか分かりにくさ、ルールとして直せるところは手を入れていこうということで後半戦からこのような形で直すべきところを直すという形で決めさせていただいた次第です」と、改めて今回の変更理由について述べていた。

今回の変更については、様々な意見もあるかもしれないが、ひとまず今回のSUGOラウンドで実際に運用することで新たな発見や意見も出てくるだろう。ルール改定で、どのようなドラマが生まれるのか。非常に注目の1戦となりそうだ。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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