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モーター スポーツ コラム 2024年9月18日

SUPER GT第6戦プレビュー 前戦延期後の一戦 SUGOならではの混戦に!?

SUPER GT あの瞬間 by 島村 元子
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今大会におけるランキングトップのau TOM'S GR Supraは82kgのサクセスウェイト

台風10号の上陸による影響を受け、開催延期となった第5戦鈴鹿。夏休み最後のビッグイベントを心待ちにしていたファンも多かっただろうが、次なる舞台が近づきつつある。宮城・スポーツランドSUGOでのレースは、久々の一戦だけに予測不可能なストーリーが待ち受けるのか? シーズン後半戦の激闘が、ついに幕を開ける!

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・舞台は”秋のSUGO”

まずは、延期となった第5戦について。鈴鹿サーキットから、12月7〜8日に第5戦として開催するとすでに発表済みだが、”最終戦”がモビリティリゾートもてぎから取って代わることで、鈴鹿ではサクセスウェイトなしでの戦いが実現する。当然のことながら季節的にもグッと気温が下がるコンディションが見込まれるため、いわゆる”ガチンコ勝負”で繰り広げられる予選のタイムアタックは、申し分のない条件下で行なわれそうだ。しかも、レギュレーション改正に伴い、第6戦からは予選Q1、Q2ともにニュータイヤでのアタックが可能となるだけに、コースレコード更新という”お楽しみ”を含む観戦が楽しめるのではないだろうか。

さて、第6戦が開催されるスポーツランドSUGO。仙台市内からほど近い場所にあり、天気が良ければ山間の地形を活用したサーキットからは、最終コーナー越しに蔵王連峰の雄大な姿を見ることができる。まだ猛暑が残る日本列島だが、自然豊かなSUGOらしく、9月も中旬を過ぎたレースウィークの朝夕には、ひぐらしの鳴く声を聞く機会に恵まれるかもしれない。一方、このサーキットで繰り広げられる戦いは予期せぬ展開を見せ、のちに記憶に残るものとして語り継がれることが少なくない。それゆえ、今大会もどのようなドラマが生まれるのかと自然に期待値も高くなる。となれば、まずは予選の行方から注視する必要があるだろう。

・迫力満載、チャレンジングなSUGO

SUGOの全長は約3.586km。SUPER GT開催サーキットのなかで最短となる。加えて高低差がかなり大きく、中高速コーナーが連続するレイアウトを持つため、参加台数が多いSUPER GTでは、予選、決勝中の”渋滞”発生も珍しくない。予選では、コースインのタイミング次第で、前方を走る車両に”泣かされる”リスクも承知の上でアタックしなければならない。よく「運も実力のうち」というが、まさに強い運も欲しいところだ。

攻略が難しいこのSUGOだが、第5戦鈴鹿が延期されたことを受け、変更された予選方式が初めて導入される一戦となる。前回のプレビューで変更点をかいつまんで記したが、今シーズンの開幕戦以降、予選Q1およびQ2、さらに決勝スタートまで1セットで走行しなければならなかったルールが変更され、結果的に各予選セッションでニュータイヤ装着が可能となった。つまり、各ドライバーは思う存分ニュータイヤのメリットを引き出す形でアタックに挑むことができる。

一方で、GT300クラスは改定された予選方式が、吉と出るか凶と出るか。これまでQ1では参戦車両を2組に分けていたが、改定によって全27台での出走となる。コースコンディションにおける公平性を高めるための見直し策だが、SUGO特有の短く、狭いコースで各車がどうアプローチしてくるのか。初となる20分間のQ1セッションでの”泣き笑い”も気になる。

決勝は、開幕戦以来となる300kmレース。第5戦が開催されていたら、シーズン最大のサクセスウェイトで臨む一戦になっていたのだが、今回は第4戦終了時点のポイントによるウェイトが適用される。よって、従来より平均的に軽い状態で走行するクルマが多くなる。たとえば、昨シーズンのSUGO戦を前にランキングトップのNiterra MOTUL Zは98kg、同2位のau TOM'S GR Supraは90kgだったが、今大会におけるランキングトップのau TOM'S GR Supraは82kg。決して数値だけで推測できるものではないが、アップダウンの激しいSUGOだけに、例年よりラクな”足かせ”で走ることができるのであれば、攻防戦もいっそう盛り上がりそうだ。

なお、サクセスウェイト搭載に伴う燃料流量リストリクターの調整だが、GT500クラスはランキング上位6台がその対象となっており、現時点でau TOM’S GR Supraとランキング2位のSTANLEY CIVIC TYPE R-GTが”2リスダウン”と言われる通常より2ランク小さい口径のリストリクターを、残る4台が1ランク小さいものを使用することになる。一方、GT300クラスでは、サクセスウェイトが上限の50kgを超えるクルマは6台。混戦模様の上位陣が本来の速さを存分に発揮することが難しいなか、予選で好タイムをマークして一気に表彰台を狙おうとする中団チームの活躍にも注目したい。

・タイトル争いに向け、混戦必至。”魔物”は!?

シーズン後半戦の最初の戦いがSUGOになったことで、タイトル争いを巡る勢力図への影響はどうなのか。難コースでの一戦は不確定要素も多く、最後の最後まで展開を読むのが難しそうだ。なお、昨シーズンは、チェッカーを目前にしてGT300クラスのトップ車両が失速。逆転勝利した他チームは、その後の再車検で失格に。GT500クラスでも、再車検によって勝者が変更。すっかり日も暮れ、ファンが帰ったあとのサーキットで、両チームが優勝トロフィーを囲んで記念撮影を行なうという異例の結果になった。また、過去のレースを振り返っても、トラブルやアクシデントが発生し、荒れる展開になりやすいのがSUGOでもある。”SUGOには魔物が棲む”とたとえられるのが、その所以なのだろう。

今回は、予選Q1、Q2ともにフレッシュなタイヤを装着できるようになり、アタック合戦がいっそう白熱しそうな気配に。また、レース距離が300kmと短いため、ライバルよりひとつでも前のグリッドからスタートを切ることも重要になる。サクセスウェイトの影響を受けやすいランキング上位陣は、ポイントの取りこぼしのないような戦い方が大前提だろうが、何が起こるかわからないのがレースの怖さであり醍醐味でもある。粘りある戦いが求められるだろう。

攻め甲斐のあるチャレンジングなコースを好むドライバーも多く、毎年見どころ満載となるSUGOでの一戦。サーキットを訪れるファンにとっては観戦エリアとコースとの距離も近く、迫力あるGTカーの走りと爆音を文字通り体感できる。レースウィーク中は、どんなドラマが起ころうとも、力走するドライバーたちのパフォーマンスをしっかりと見届けて欲しい。

■ドライバーからひと言!

大湯都史樹(No.38 KeePer CERUMO GR Supra)

今年はメーカー移籍をして挑むシーズンになりましたが、非常にいいレースができていると思っていますし、チーム的にもすごく上り調子というか、進歩を感じながらレースを進められているし、それが第4戦富士での3位に繋がったと思います。また結果以上に中身が充実しているとも感じています。チームも今、”変わっていこう”という意思をもっていろいろ挑戦しており、僕自身もなにかチームに貢献できるようにという気持ちで臨んでいます。

鈴鹿が延期されてSUGOを迎えることになりましたが、去年はARTAで優勝したサーキット。僕自身も相性が良く、結果を残せている場所です。あとはクルマ含め、どこまでクルマを仕上げていけるかが今回のポイントになるでしょうね。ただ、SUGOのレイアウトを考えると、ホンダやニッサンが強いのかなぁとも思います。とはいえ、Supraはレースペースで速さがあります。抜きどころが少ないことを意識して、予選からタフな勝負になるのではないでしょうか。

今回から予選で使えるニュータイヤが増えますが、条件としてはみんな同じなので、勢力図としての影響はあまりないように思います。ただ、ドライバーそれぞれが気持ちよくプッシュ(アタック)できるという点はポジティブにとらえているし、レースでも戦略の幅が拡がると思うので、そこを味方にしたいですね。

SUGOは、毎回ドラマが起きやすいサーキットです。予選一発のアタックは緊迫したものになるし、レースで”生き残る”ことも難しいけれど、そのなかで攻めなきゃいけないサーキットです。一方、お客さんにとってはクルマでも電車でもアクセスしやすい場所だと思うので、東北地方の方だけでなく、いろんな場所から見に来ていただきたいですね。

J SPORTS オンデマンド番組情報

文:島村元子

島村元子

島村 元子

日本モータースポーツ記者会所属、大阪府出身。モータースポーツとの出会いはオートバイレース。大学在籍中に自動車関係の広告代理店でアルバイトを始め、サンデーレースを取材したのが原点となり次第に活動の場を広げる。現在はSUPER GT、スーパーフォーミュラを中心に、ル・マン24時間レースでも現地取材を行う。

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