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モーター スポーツ コラム 2024年8月8日

後半戦のスタートは初のサンセットレースからスタート | スーパーバイク世界選手権 2024 第7戦 ポルティマオ プレビュー

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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スーパーバイク世界選手権 2024 第7戦 ポルティマオ プレビュー

スーパーバイク世界選手権 2024 第7戦 ポルティマオ プレビュー

市販車ベースのリッタースポーツバイクで争う世界最高峰の闘い「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」。全12戦の2024年シーズンもいよいよここから折り返しとなります。第7戦はポルトガルのポルティマオで8月9日(金)〜11日(日)に開催。後半戦もJ SPORTSでの中継をお楽しみください。今回は第7戦・ポルティマオのレースプレビューをお届けしましょう。

第6戦・モスト(チェコ)はまたもや今季からBMWに移籍したトプラク・ラズガットリオグル(BMW)が3連勝!第3戦アッセンのレース2から10連勝という無双ぶりを発揮しており、すっかりBMWとラズガットリオグルのシーズンになっています。本当に強すぎますね。同じBMWワークス体制で走るマイケル・ファンデルマーク(BMW)がまたも表彰台を逃す状況でしたから(ファステストラップはレース2で獲得)、ラズガットリオグルの速さと強さが際立っています。

「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」の歴史において一人のライダーが無双するのはよくあることですが、今回のポルティマオでは新記録達成がかかっています。WSBKにおける連勝記録は12連勝が最高記録。これは近年も連勝が記憶に新しいアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)、ジョナサン・レイ(ヤマハ/当時カワサキ)によって達成されています。もし、ポルティマオでトプラク・ラズガットリオグル(BMW)が3連勝するとその記録が更新されることになるわけです。ラズガットリオグルは2022年のヤマハ時代にレース1とスーパーポールレースの2連勝をポルティマオで達成したことがありますが、3連勝は過去にありません。ただ、ポールポジションも取ったことがあるサーキットですから得意なコースであることは間違いないでしょう。

BMW&ラズガットリオグルの強さに続く第2勢力はドゥカティ。昨年までとは完全に立場が逆転し、今季はルーキーのニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)がチャンピオンのアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)を上回っている状況。バウティスタはラズガットリオグルからすでに104点もの差をつけられており、後半戦どれだけ頑張っても逆転チャンピオンに持っていくには非現実的なポイント差になりつつあります。ただ、日本のメーカー、ヤマハ、カワサキを差し置いてBMWとドゥカティが勢力図のトップ2を形成しているのは明らかです。

モストではレース1でダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)が今季ベストリザルトとなる2位表彰台を獲得。アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)が3位とワークス勢だけではなくプライベートチームのライダーたちもその実力を見事に発揮しています。

第3勢力はヤマハでしょう。今季はジョナサン・レイ(ヤマハ)の電撃移籍で大きな戦力アップとなったはずでしたが、レイは開幕から信じられないくらいの大苦戦を強いられ、シーズン中盤にようやく3位表彰台を獲得。しかしながら、ホームレースであるドニントンパーク(イギリス)のスーパーポールレースでの表彰台ということで、本来の彼がいるべき位置を走れていないのが現実です。むしろ、モストのレース2で3位になったアンドレア・ロカテリ(ヤマハ)、4位になったレミー・ガードナー(ヤマハ)の方が目立っており、特にセカンドチーム体制ながら、レイを上回る結果を残しているガードナーの評価は急上昇していますね。

500ccクラスのワールドチャンピオン、ワイン・ガードナーを父に持つレミー・ガードナー(ヤマハ)は昨年から市販車ベースのWSBKに転向しました。Moto2でワールドチャンピオンになり、MotoGPクラスを1年経験してからの参戦でしたが、1年目は表彰台には登れず最高位は4位。しかし、今年はアッセンのレース2でWSBK初表彰台となる3位を獲得しました。シングルフィニッシュできる時とできない時でムラがありますが、アッセンとモストでは好結果を獲得できました。ドイツGPとイギリスGPでアレックス・リンスの代役としてヤマハからMotoGPにスポット参戦もしていますし、今まさにノリに乗っている状態です。

実はポルティマオは彼にとってMoto2で初のポールトゥウインを達成したサーキットであり、チャンピオンを取った2021年も3位表彰台を獲得。MotoGPでもポイントを獲得。さらには昨年のWSBKでもスーパーポールレースながらベストリザルトの4位を獲得とポルティマオはガードナーにとって良いことづくしのコースです。MotoGPでイギリスGPを走った後のガードナーの走りには期待したいところです。

興味深いスポット参戦という意味では、鈴鹿8耐を「Ducati Team KAGAYAMA」で戦ったハフィス・シャーリンがワイルドカードで参戦することも決まっています。昨年まではなかなか良い結果を残せず居ましたが、ポテンシャルの高いドゥカティでのWSBK復帰ということで、こちらも注目のトピックスです。

果たしてトプラク・ラズガットリオグル(BMW)の新記録達成となるのか、それとも夕刻の時間に開催される「サンセットレース」となるポルティマオで流れを変えるライダーが現れるのか、後半戦の流れを作る重要な1戦が始まります。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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