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いよいよ最終決戦!キャシディ悲願の戴冠なるか? | FIA フォーミュラE世界選手権 2024 第15・16戦ロンドン プレビュー
モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシランキング首位のニック・キャシディ(ジャガー)=167点
今年は東京大会も大きな話題を呼んだ電気自動車の世界選手権レース「フォーミュラE世界選手権」。10年目となるシーズン10がいよいよロンドンでの最終戦を迎えることになりました。2024年7月20日(土)の第15戦、21日(日)の第16戦でシリーズチャンピオンが決定します。今回はシーズン最終ラウンドとなる「London e−prix」のプレビューをお届けしましょう。
さて、まずはチャンピオン候補のドライバーを見ていきましょう。ランキング首位をキープしているのは今季ジャガーワークスに移籍したニック・キャシディ(ジャガー)=167点、追うランキング2位はキャシディのチームメイトでこちらも初のチャンピオンを狙うミッチ・エヴァンス(ジャガー)=155点、そしてランキング3位はエヴァンスと同点で最終戦に挑むパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)=155点というトップ3人がチャンピオンの最有力候補になっています。
計算上はランキング4位のアントニオ・フェリックス・ダコスタ(ポルシェ)=134点、ランキング5位のオリバー・ロウランド(ニッサン)=131点、ランキング6位のジャン・エリック・ベルニュ(DSペンスキー)=129点、そして昨年の王者でランキング7位のジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)=122点、以上の7人にチャンピオンの可能性が残っています。
今季の優勝はニック・キャシディ(ジャガー)が2勝、ミッチ・エヴァンス(ジャガー)が2勝、パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)が2勝とチャンピオンに一番近い3人が2勝ずつをマークしていますが、最も多くの勝利を掴んでいるのは前戦ポートランド(アメリカ)で連勝したアントニオ・フェリックス・ダコスタ(ポルシェ)の4勝です。特にシーズン終盤になって4勝をマークし、ミサノではレース後に失格になって幻になった優勝を加味しても、ダコスタは上海、ポートランドで勝利するなど今季増加した常設サーキットで強さを見せています。
ランキング4位のアントニオ・フェリックス・ダコスタ(ポルシェ)=134点
シーズン序盤の絶不調から始まり、ミサノではまだまだ勝てるポテンシャルを示した元フォーミュラEチャンピオンのアントニオ・フェリックス・ダコスタ(ポルシェ)は終盤戦で完全にスターダムにカムバック!「ポルシェ」が好調であり、チームメイトのパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)を凌駕している現状を考えると、ロンドンの最終戦で最も気になる存在と言えるでしょう。
負けられないのは、ドライバーズタイトル獲得はもちろん、初のチームチャンピオンを狙う「ジャガー」のワークスチームです。そのエースとも言えるニック・キャシディ(ジャガー)は前戦ポートランドでノーポイントに終わるという波乱の結果に。タイトル争いの最大のライバルだったパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)も表彰台に届かずという結果に終わったことはキャシディにとって幸いでしたが、勝てるはずのポートランドでトップ走行中の単独スピンはあまりにも大きな痛手となりました。
最終戦の舞台、ロンドンの開催地は大型展示場である「ExCeL LONDON」の建物の中も走る室内屋外混成のストリートコース。コーナリングが続く区間は非常にタイトで昨年のチャンピオン決定レースはまさにカオス状態。ニック・キャシディはタイヤにダメージを負い、チャンピオン獲得を逃しました。しかし、最終戦では見事にポールトゥウインを達成。混乱を避けるという意味でも、とにかく予選で前にいることが必須となるレースです。
ニック・キャシディ(ジャガー)は今季ポールポジションが一度も無し。しかし、昨年同様にレースで猛烈に追い上げてくるのが彼の真骨頂。トップ8デュエルに進出しなくても上位に進出してくるパターンですが、コンクリートウォールに囲まれたストリートコースでは追い上げはリスクを伴います。ミッチ・エヴァンス(ジャガー)、パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)との差が12点しかない状況は土曜日の第15戦でトップ8デュエル進出、上位スタート獲得がマストと言えるでしょう。
上位3人だけで見れば今季ポールポジションはパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)が3回、ミッチ・エヴァンス(ジャガー)が2回獲得しています。昨年もロンドンのレース1ではミッチ・エヴァンス(ジャガー)がポールポジションを獲得していますし、ポールポジションは3点が与えられますから、追う2人は第15戦のポールを絶対に狙ってくるでしょう。特にチャンピオンを争う上位3人は強烈なプレッシャーの中で予選から戦うことになります。
彼らが最も警戒したいのは勢いに乗るアントニオ・フェリックス・ダコスタ(ポルシェ)かもしれません。ポールポジションこそないものの、上海、ポートランドと4レース連続でトップ8デュエル進出を果たし、そこから3回の勝利を掴んでいます。ましてや彼はチャンピオン経験があるだけでなく、F3マカオGPで2度優勝したことがあり、フォーミュラEモナコでも勝っているストリートコースマイスターでもありますから上位3人には怖い存在と言えるでしょう。
ニック・キャシディ(ジャガー)がシリーズをリードして迎える最終決戦。これまでのレースを見ても波乱の要素が満載と言える「London e−prix」。果たして日本育ちのレーシングドライバー、キャシディが悲願の世界チャンピオンを獲得できるか、大一番がいよいよ始まります。
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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