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モーター スポーツ コラム 2024年7月17日

BMW&ラズガットリオグルが連勝街道を突っ走る! | FIM スーパーバイク世界選手権 2024 第6戦 決勝レース2 モスト プレビュー

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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トプラク・ラズガットリオグル(BMW)

トプラク・ラズガットリオグル(BMW)

排気量1000ccのスポーツバイクで争う世界最高峰の闘い「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」。2024年シーズンの第6戦はチェコのモストで7月19日(金)〜21日(日)に開催されます。今季もJ SPORTSでは全12ラウンド(36レース)を生放送。今回は第6戦・モストのレースプレビューをお届けしましょう。

第5戦・ドニントンパーク(イギリス)は今季からBMWに移籍したトプラク・ラズガットリオグル(BMW)がなんと3連勝をマーク!第3戦アッセンのレース2から数えて7連勝を達成するという圧倒ぶりを見せています。ラズガットリオグルが一度も勝てなかったのは開幕戦のフィリップアイランド(オーストラリア)だけで、あとは全てのラウンドで優勝を飾り、現在は向かうところ敵なしの状態です。

昨シーズンはメーカーランキング4位で、一度も表彰台を獲得できていなかったBMWに移籍し、15レース中9勝を記録。一体誰がこの無謀とも言える移籍がここまで成功すると予想できたでしょうか?ミサノもドニントンパークもヤマハ時代からラズガットリオグルは得意としていたコースではありますが、7連勝はキャリア初の記録。チャンピオンを獲得したヤマハ時代よりも波に乗れている状態なのです。

移籍の決断は大成功。BMWとしてもファクトリー体制で2019年にWSBKに復帰し、昨年までの5シーズンで掴めた勝利は僅か1回だけ。しかもスーパーポールレースでの優勝でしたから、こちらもラズガットリオグルの招聘はサクセスストーリーへの非常に大きなステップになったと言えます。

WSBKで勝つためには圧倒的に速いライダーの起用は不可欠ですが、ここまで一人のライダーが不振だったメーカーを押し上げた例はあまりありません。近年の成功者といえばジョナサン・レイ(現ヤマハ)のカワサキでの成功が記憶に新しいですが、あの時はすでにチャンピオンチーム体制になっていましたからね。

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【ハイライト】FIM スーパーバイク世界選手権 2024 第5戦 決勝レース2 ドニントンパーク(イギリス)

強烈なインパクトを示すトプラク・ラズガットリオグル(BMW)には早くもMotoGP転向の噂が巻き起こっています。ドゥカティからヤマハのサテライトチームに鞍替えするプラマックレーシングのライダーに2025年から就任するのでは?との噂があります。ラズガットリオグルは昨年でヤマハと袂を分かちましたが、念願のMotoGP移籍のチャンスです。

しかし、BMWとの2年契約の1年目であることから、この契約をクリアにしなければなりません。BMWとしても当然、この契約を手放す理由はないでしょう。同じ「BMW Motorrad WSBK Team」のマイケル・ファンデルマーク(BMW)が最高位4位のランキング9位に沈んでいる状況ですから、ラズガットリオグルは今後のBMWのレース活動を考えても不可欠な存在と言えます。

そんなトプラク・ラズガットリオグル(BMW)の連勝街道はまだ続きそう。第6戦・モスト(チェコ)も彼が得意とするサーキットで3年間の9レースで5勝をマークしていますし、8レースで表彰台フィニッシュしているコースなのです。ポイントもすでに2位のニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)に対して41点の差をつけていますし、前半戦の締めくくりとなるモストで3連勝となれば、チャンピオン争いではかなり優位に立つことができます。

そんなラズガットリオグルのショータイムとなっているWSBKですが、ドニントンパークでは他にもポジティブな要素もありました。今季ヤマハにこれまた電撃移籍となったジョナサン・レイ(ヤマハ)がスーパーポールレースで移籍後初の3位表彰台を獲得しました。予想以上にヤマハへの乗り換えに苦労していたレイですがようやく結果が残るようになってきました。

そして、トプラク・ラズガットリオグル(BMW)を今年は追いかける立場になってしまっているドゥカティ勢では、ルーキーのニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)がミサノ、ドニントンの6レースで5回の2位表彰台。この2ラウンドでチャンピオンのアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)を凌駕しています。開幕戦のフィリップアイランドでデビューウインを達成したスーパールーキーが更なる勝利を獲得できれば、シーズン後半戦は面白くなっていくでしょう。

そして、昨今不振だったカワサキもアレックス・ロウズ(カワサキ)だけですが、母国レースのドニントンでは2回の表彰台を獲得。ロウズは3ラウンド連続の表彰台獲得となり、彼の活躍はランキング争いを混沌としたものにしています。

今年のWSBKは秋にレースが集中しており、今回のモスト(チェコ)で前半戦は終了。ラズガットリオグルの快進撃を止めるライダーが現れるのか、期待して楽しみましょう。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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