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BMWが来た!早くもウイナーが4人誕生した2024年 | FIM スーパーバイク世界選手権 2024 第3戦 アッセン・プレビュー
モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシしかしながら、そのポテンシャルがWSBK最強レベルに達することはなく、時折、モディファイされたパーツがうまく機能したタイミングやトリッキーなコンディション下で好成績を残すのみで、シーズン全体的には苦戦している印象でした。昨年は一度も表彰台を獲得できずに終わっていたのです。
そこに降って沸いたような2021年王者トプラク・ラズガットリオグル(BMW)のヤマハからの移籍。優勝争いができる気配ゼロの中での移籍でしたから、ヤマハからMotoGPへの道を断たれたことでヤケクソ状態になったのか、あるいはBMWがMotoGPに参戦する布石なのか、など様々な憶測を呼ぶ移籍でした。
BMWがトプラクの才能を求めていたということは間違いありませんが、さすがにトプラクほどのトップライダーが何のエビデンスもなく移籍するわけがありません。実際にBMW M1000RRは全日本や鈴鹿8耐でも走っていますが、関係者からはベースマシンの素性は非常に良いという意見を聞きます。耐久レースでもFIM EWC(世界耐久選手権)で耐久のワークスチームが昨年ランキング3位という速さと信頼性を示していますから、戦闘力は高い車両なのです。
しかし、WSBKでこんなに早い段階でトプラクの移籍効果がでるとは思いませんでしたね。BMWの戦闘力アップはレース2でマイケル・ファンデルマーク(BMW)がトプラクに次ぐ4位に入ったことからも分かります。
さて、第3戦はオランダのTTサーキット・アッセンでの開催ですから、マイケル・ファンデルマーク(BMW)の地元になります。ようやく大きな怪我から回復し、今季はトップ10のフィニッシュが5回と復調は明らか。アッセンではホンダ時代、ヤマハ時代に何度も表彰台に上がった母国コースになるので注目です。
一方で第2戦・バルセロナでは、日本のメーカーがMotoGP同様に外国車勢に押され気味になってしまいました。ヤマハに移籍したジョナサン・レイ(ヤマハ)はようやく今季最高の結果が出ましたが、順位は8位と悪戦苦闘中。このままドゥカティ、BMWに差を付けられていってしまうのか、それとも開幕戦でカワサキが躍進したように混戦の戦いとなるのか、今回のアッセンはシーズンの一つのキーポイントになりそうです。
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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