カエルの子に会った。AIM Legend’s Club Cup

レジェンドドライバーが参戦したAIM Legend’s Club Cup。

お騒がせしております。
先週、日本自動車連盟の2023年JAFモータースポーツ表彰式において特別賞をいただきました。ありがとうございます。45年間モータースポーツジャーナリストを続けられているのは、先達や関係者に教えをいただき、サポートしていただいてきたからです。この賞は、ボク個人への受賞ではなく、モータースポーツジャーナリズムに対していただいたと認識しております。重ねてありがとうございます。

今年の国内メジャーシリーズが終わりを告げていますが、超プレミアム・メジャーレースのお手伝いに先週末は富士スピードウェイ(FSW)に行ってきました。そのレースとは、「AIM Legend’s Club Cup」。今年もレジェンドドライバーさんたちが元気に走ったのです。幸いに最高のコンディションで無事終了！無事では無かったのは、表彰式のMCを担当したボク。ロレツが回らなくてカミカミ。賞品を寄贈いただいた企業名を噛みまくってしまい申し訳ありませんでした。

さて、AIM Legend’s Club Cupの競技車両は、現在VITA-01を使用させていただいております。KYOJO-CUPや各サーキットで展開されているVITA RACEに参加している車両です。このマシンをプロデュースしているのは、鈴鹿のウェストレーシングカーズ株式会社を母体に現在は、VITA CLUBとして【エキサイティングマシンを安全かつローコストで】をコンセプトに生産。そのラインオフ数はなんと390台というから凄い。モータースポーツの関係ならウェストをご存じない人はいない。同社の創業者は、神谷誠二郎さんは、「神やん」と呼ばれて、1973年の創業以来多くのマシンを開発、プロデュース。フォーミュラからスポーツカーまで1,500台を生産！モータースポーツの振興にも尽力。神やんは、惜しまれて2019年12月29日に逝去された。

FSWでVITA CLUBの代表取締役の神谷　弦さんにお会いした。以前2020年のお別れの会でご挨拶させていただいた。弦さんは神やんの息子さん。カエルの子はカエル。然もありなんと思っていたら、大学を卒業してモータースポーツとは全く異なる仕事をしていたとのこと。ウェストに関わり始めたのは神谷やんが病魔に蝕まれ始めた頃らしい。神やんの奥さんで同じく代表取締役の雅子さんと手を携えて日本のみならずアジアでの展開、新たな企画を練って実現に向けて活動をしている。レース界の人物にありがちな風貌とは異なり涼やかな目元と落ち着いた語り口。しかし、モータースポーツの発展と底辺層を支える信念を持っていることが短い時間の会話でも感じられた。やはり、神やんの息子。カエルの子だった。

文：高橋 二朗