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来季WSBKに転向のブレガのチャンピオンが決定 | FIM スーパースポーツ世界選手権2023 第12戦 へレス(スペイン) プレビュー
モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)
スーパーバイク世界選手権に帯同する第2のシリーズ「FIMスーパースポーツ世界選手権(WSSP)」の最終戦がヘレス(スペイン)で10月27日(金)〜10月29日(日)に開催されます。
ちょうど1ヶ月前に行われた第11戦・ポルティマオにおいて、2023年シーズンのWSSPチャンピオンは決まりました。来季、ドゥカティワークスからのWSBK昇格が決まっているイタリア人ライダー、ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)です。
ブレガはレース1、2ともにポールポジションを獲得。レース1で優勝して見事シリーズチャンピオンを手中にしました。彼にとってキャリア初となるワールドクラスカテゴリーでのチャンピオンとなりました。
一方でレース2では今季の最大のライバルとなったステファノ・マンジー(ヤマハ)が優勝。今季4勝目を飾り、ランキング3位のマーセル・シュロッター(MVアグスタ)に対して50点以上の差をつけたため、マンジーのランキング2位も確定しました。今シーズンはまさにこの2人が引っ張ってきたというシーズンでしたね。
今年チャンピオンを獲得したニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)がWSBKにステップアップを掴んだように、新規定になって2年目のWSSPはよりWSBKを目指すライダーたちの修行の場という色が濃くなってきています。そんな中、ステファノ・マンジー(ヤマハ)は来季もTen Kate Yamahaに残留し、来季こそはシリーズチャンピオンを目指していくことになりました。
最近は同チームで2年連続のチャンピオンを獲得し、WSBKのライダーとなったドミニク・エガーターのようにMoto2で走ってきたライダーが次の挑戦の場としてWSSPを選ぶというのも一つのトレンドになっています。激戦のMoto2は非常にレベルが高く、MotoGPにステップアップできたライダーたちがいきなり活躍するのを見ても、トップ10に入れること自体がすごいことであり、その中に居たライダーたちは高いポテンシャルを有していることがよく分かります。
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ニッコロ・ブレガ 2023年 SSP600王者【ハイライト】FIM スーパースポーツ世界選手権2023_第11戦 アウトドローモ (ポルトガル) RACE1 & RACE2(600 & 300)
Moto2出身のライダーたちが増え、近年のWSSPもかなりレベルアップしたという印象です。来季Moto2からMotoGPにステップアップするのはチャンピオンのペドロ・アゴスタだけ。Moto2に残留するライダーが大半となりますが、シート争いも多くが決まりつつある状況です。
来季はまだスーパーバイク世界選手権のシートの多くが決まっていないこともあり、それが決まってからWSSPのストーブリーグも加熱していくことになるでしょう。WSSPからステップアップしていくライダーも居るはずです。以前と少し違うのは、ステファノ・マンジー(ヤマハ)らMoto2からの転向組ライダーはチームからプロとしてサラリーをもらって乗るライダーも増えてきていることです。来季はWSSP自体もさらにレベルの高い選手権になっていきそうです。
今季はニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)とステファノ・マンジー(ヤマハ)のMoto2からの転向組(2年目)がシリーズを席巻しましたが、多くのライダーが彼らに継ぐ結果、あるいは彼らとバトルをしての表彰台を獲得しました。
ランキング3位のマーセル・シュロッター(MVアグスタ)は合計7回の表彰台を獲得し、そのうちの6回が2位という好成績でした。来季も同メーカーでの残留が決まっており、来季はチャンピオン候補の筆頭と言えるでしょう。
ランキング4位が確定しているフェデリコ・カリカスロ(ドゥカティ)は来季もアルテアレーシングとの契約があるようで残留。ランキング5位のバハティン・ソフォーグル(MVアグスタ)もバルセロナの1勝を含む4回の表彰台を獲得しており、残留する方向ではないかと考えられています。
ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)を除く上位4人がこのカテゴリーに残るということになれば、来季もさらにコンペティティブな戦いが期待できると思います。ここに日本人ライダーも加わって欲しいところですが、今年挑戦した日本人2人は最後まで厳しい結果に終わってしまいました。プライベート参戦で孤軍奮闘して上位に食い込むのは相当難しいレースになってきていると言えますが、逆にメーカーの力を借りて、このカテゴリーを走る日本人ライダーがもっと出てきて欲しいところですね。
チャンピオンは決まりましたが、今季の最終戦は多くのライダーが豊富な経験を持つコース、ヘレス(スペイン)での開催です。今年一番のビッグバトルを期待したいです。
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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