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モーター スポーツ コラム 2023年10月24日

2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロッパラリー プレビュー|“WRC史上初めての試み”

Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄
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マニファクチャラーズタイトルを確定させたトヨタ。

WRC史上初めての3カ国を跨いでの開催となるセントラル・ヨーロッパラリー。シュコダの生産国であるチェコの首都プラハを出発し、金曜日はチェコ国内のSSを消化。土曜、日曜はドイツとオーストリアを走り、ドイツの国境の町パッサウにゴールします。パッサウは、ドイツ南東部バイエルン州のミュンヘンから約100キロ未満、オーストリアとチェコの国境に接しています。

この街はドナウ川、イン川、イルツ川が合流することから“3河川の町”(Dreiflussennstadt)の異名が有ります。余談ですが、この街の中心部にある聖シュテファン大聖堂には世界最大の教会パイプオルガンがあるそうです。私は70年代後半から80年代前半にかけて駐在地のベルギーから何回もこの街を通過してプラハまで車で出張したことがあります。ドイツからチェコに入ると小麦とホップの生産地として有名なピルゼンが有ります。1978年にプラハの春の民主化運動でソ連がチェコに侵入しましたが、私はソ連侵入2日前に脱出した武勇伝を経験しました。プラハ中心部の建物にはソ連の機関銃の弾痕がまだ残っていることでしょう。こんな時代を経てラリー競技が行われることは有り難いことですが、一方で中東の紛争さなかに競技を行うのはと複雑な気持ちになります。

路面は全てターマックですが、各国の路面は微妙にグリップが異なる上に全ドライバーが未経験ですから、結構面白い展開になると期待しています。
シーズンが終わりに近くなりました。これまでの獲得ポイントを確認しておきましょう。
Rd.11チリでトヨタのマニファクチャラーズタイトルが確定しました。ドライバーズタイトルは、トヨタのロバンペラか僚友のエバンスどちらかが取ることになります。従ってトヨタはダブルタイトル確定です。ロバンペラ217pt,エバンス186pt、ヌーヴィル155pt、タナク146ptとなっています。

来年のWRCカレンダーが発表になりました。今年と同じ13戦です。2023年に比べメキシコとエストニアが落ちてポーランドとラトビアが入りました。残りは本年と同じです。ラリージャパンも三年連続でカレンダー入りです。毎年この時期になると賑やかになるストーブリーグですがフォードのタナクがヒョンデに復帰するとアナウンスがありました。今後のラッピの動静が注目されています。

ラリー概要は次のとおりです。

  SS本数   SS km  Liaison km  Total km
L-1 (10/26-27) 8 133.09 km 709.57 km 842.66 km 中間サービス無し
L-2(10/28) 6 111.46 km 434.85 km 546.31 km 中間サービス有り
L-3(10/29) 4 67.24 km 210.88 km 278.12 km 中間サービス無し

トヨタはロバンペラ、エバンス、オジェに加えて勝田の4台体制。ヒョンデはヌーヴィル、ラッピ、スニネンの3台。フォードはタナク他2代です。WRC2の競合も激しくなっています。ミケルセンに注目です。

文:福井敏雄

福井 敏雄

福井 敏雄

1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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