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WRC 2023第10戦ギリシャ・アクロポリスラリー プレビュー|パンクと足回りの損傷に注意
Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄悪路がドライバーを待ち受けるギリシャ・アクロポリスラリー
私のコラム、前回のフィンランドは体調不良のため欠席してしまいました。お詫びします。
フィンランドは本命のロバンペラがコースアウトで脱落、その代わりにエバンスと勝田が頑張って1+3位を取りトヨタとしては上出来でした。第9戦フィンランドを終え、1位:ロバンペラ170pt、2位:エバンス145pt、3位:ヌーヴィル134pt、4位:タナク104pt、5位:オジェ98pt、6位:ラッピ87pt、7位:勝田58 ptがドライバースタンディングスです。メーカーポイントではトヨタ378pt、ヒョンデ311 pt、フォード205ptとなっています。優勝回数トヨタ7回、ヒョンデとフォードがそれぞれ1回となっています。
アクロポリスラリーは1953年に創設された長い伝統あるイベントです。1973年WRC発足当初からのメンバーでしたが、国家の経済危機などの理由で2013年よりWRCから脱落、その後2021年より復活しました。
路面はこぶし大の石が散乱するグラベルでカーブの多い丘陵地が主体です。この時期のギリシャはまだ夏真っ盛りでかなりの高温になるだけに、クルマにも人にも厳しい気象条件が予想されます。さらにタイヤトラブルが最も起こりやすいラリーとも言われるほどの悪路が続いています。WRCの中でSS平均速度が80km/h程度でエンジン冷却にもハンデが有ります。出走順はかなり影響しますが一方で後発者は全車が掘り起こしてばら撒いた石に気を付ける必要があります。L-1のSS6本は中間サービスなしですからここでの車両トラブルは致命的になります。注意深くしかも速く走る運転技術か必要です。
ラリー概要は次のとおりです。
SS本数 | SS km | Liaison km | Total km | |
---|---|---|---|---|
L-1 (9/7-8) | 6 | 103.46km | 372.48 km | 475.94 km |
L-2 (9/9) | 6 | 141.52 km | 369.56 km | 511.08 km |
L-3 (9/10) | 3 | 62.71 km | 175.40 km | 238.11 km |
Total | 15 | 307.69 km | 917.44 km | 1225.13 km |
トヨタは今回オジェがエントリーするため、勝田はマニュファクチャラー登録外ドライバー扱いとなります。ヒョンデの3台目はベテランのソルドが入ります。フォードは昨年6台投入しましたが今年は3台体制です。
<ミニヒストリー 30年前のアクロポリスラリー>
1993年のアクロポリスラリーはエントリー93台、完走46台。SS36本、SS距離545キロ、優勝車のSS平均速度78.93km/h.優勝はフォード・エスコートのミキ・ビアシオンでした。
文:福井敏雄
福井 敏雄
1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。
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