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モーター スポーツ コラム 2023年8月4日

7年ぶりのGT500勝利に勢いづくヨコハマタイヤ、夏場の中盤戦タイヤ争いがアツい!

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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第3戦で優勝を果たしたNo. 19 WedsSport ADVAN GR Supra

6月の第3戦鈴鹿から約2ヶ月のインターバルを経て、いよいよ中盤戦に突入する2023年のSUPER GT。GT500クラス・GT300クラスともに、この中盤戦からチャンピオン争いが盛り上がりを見せ始めていく。特に8月に行われる夏場のレースで各チームがどのような結果を残すかが、チャンピオン争いの行方に影響を及ぼすことも多いだけに、今回の富士大会と8月末の第5戦鈴鹿大会は目が離せない。

このうちGT500クラスは、No.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)が36ポイントでリード。2番手にNo.3 Niter MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)、3番手にNo.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)がつけている。なお、前回大クラッシュを喫した23号車はマシンの修復が完了し、問題なく富士大会に出走予定。事故後はしばらく入院していたという松田も復帰に向けたリハビリやトレーニングに励んでおり、今のところは週末のレース参戦に支障はなさそうだ。

そんな中で迎える中盤戦。なかでもGT500クラスはタイヤメーカー同士の争いが例年以上に注目を集めることになりそうだ。ここ数年はブリヂストンとミシュランがシーズン中の勝利を分け合い、チャンピオン争いも繰り広げてきたか、今年はそこにヨコハマタイヤが加わってきているのだ。

5月の第2戦富士ではNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)が表彰台圏内を走行。終盤にGT300と接触し脱落を余儀なくされたが、レースペースを考えるとライバルを脅かす存在になっていたことは間違いない。

No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z

そして記憶にも新しいのが前回の鈴鹿大会。No. 19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)が予選・決勝ともに力強い走りをみせ、7年ぶりの優勝を飾った。

今年に入って大躍進をみせているヨコハマタイヤ勢。その兆候がみられたのは厳密に言うと一昨年から。この年は19号車が予選で2度のポールポジションを獲得したほか、もてぎで行われた第4戦と第7戦で2位表彰台を獲得した。それまでは下位に沈むことが多かったが、徐々に優勝に近づくような走りを見せていた。

その流れが加速したのが2022年。19号車が4度のポールポジションを獲得し、第7戦オートポリスでは24号車もポールポジションを獲得。全8戦のうち5戦をヨコハマタイヤ勢が予選トップを奪うという快挙だった。すっかりライバルたちの間でも「予選はヨコハマが速い」という認識が浸透していたが、逆を言えば「決勝では逆転できる」という考えがあったのも確かだった。

予選一発の速さが出てきたことで、次なる課題が見つかったヨコハマタイヤ勢。特に決勝でのペースとウォームアップ性能を大きく修正してきたのが今の状態と言えるだろう。

第3戦鈴鹿で優勝という結果をひとつ手にしたことは、彼らにとっても大きな自信につながったことは間違いない。特に第4戦富士に関しては24号車が6kgと非常に軽いサクセスウェイトで参戦することとなる。第2戦・第3戦ともに結果にはつながっていないものの速さはみせているだけに、今回は注目の1台となりそうだ。

快進撃を続けるヨコハマタイヤに対し、ライバルたちも黙っているはず。特に夏場のレースで手強いと言われているのがミシュランタイヤ勢だ。毎年のように8月の暑い時期で力強い走りをみせる傾向があり、今年も夏が近づくと「ミシュラン勢が速いだろう」という話がライバルの各所から自然と聞こえてきている。

夏場に強いミシュラン勢は、早さを見せることができるのか

すでに発表されているがミシュランは2023年いっぱいでSUPER GTのGT500クラス参戦を休止することを決定。最後のシーズンはチャンピオンを獲って有終の美を飾りたいだろう。そのためにも、彼らが得意とする夏場のレースでライバルに差をつけたいところ。昨年から日産勢の車両がZに変わり、富士と鈴鹿では速さをみせているだけに、目が離せない存在となることは間違いない。

今季はNo.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/太田格之進)のみの供給となっているダンロップタイヤも夏場は上位に来る傾向がある。特に第5戦の鈴鹿は得意としており、過去にはポールポジションを奪う走りもみせていた。第4戦は2kgのサクセスウェイトで参戦できるという部分を活かせられれば、上位進出も見えてくるかもしれない。

そして、2016年から7年連続でGT500のチャンピオンタイヤとなっているブリヂストン。今はライバルの挑戦を受けて立つ側となっているが、彼らの快進撃もあり例年ほどのアドバンテージがなさそうなのは確かだ。特にライバル勢が得意としている夏場で、どう対抗できるかが見どころとなるだろう。

いつもはマシンの違いなどに注目がいきがちなGT500クラスだが、今年はタイヤメーカーにも注目が集まるシーズンになっている。こうして複数メーカーのタイヤが参入し、しのぎを削り合うのもSUPER GTならではの魅力。ぜひ、こういった部分にも注目を集めてみてはいかがだろうか。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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