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僅か1点差のキャシディvsデニス!現実的な王者候補は4人 | FIA フォーミュラE世界選手権 2023 第13戦&第14戦ローマ プレビュー
モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシポートランドで勝利したニック・キャシディ
来年春の東京開催が決定した電気自動車のレース「フォーミュラE」のシーズン9(2023年)も2ラウンド4レースを残すのみに。ここからローマ市街地、そしてロンドンを舞台に、Gen3シャシーによる初のシリーズチャンピオンが決定します。今回は7月15日(土)16日(日)の第13戦&14戦・ローマのプレビューをお届けしましょう。
さて、前戦の舞台はアメリカのポートランドでした。フォーミュラEでは珍しい、他のメジャーフォーミュラカーレースと同じレイアウトを使用する常設サーキットで行われましたが、優勝したのは元スーパーフォーミュラ王者でもあるニック・キャシディ(エンビジョン・ジャガー)でした。中段のグリッドからスタートして次々に順位を上げてきたキャシディはチャンピオンを争うジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)やチャンピオン経験者のアントニオ・フェリックス・ダコスタ(ポルシェ)を抑えての優勝。お見事でしたね。
でも、日本でニック・キャシディ(エンビジョン・ジャガー)の走りをSUPERGT/スーパーフォーミュラで見てきたファンにとっては、こういった常設サーキットではきっと彼が強さを発揮するはずだと思っていた人は多いと思います。そんな日本で見てきたキャシディの速さがまさに光ったレースでした。
一方でランキング首位だったパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)は8位と低迷し、首位から陥落。代わって首位に立ったのは開幕戦のウイナー、ジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)=154点、そして僅か1点差でランキング2位がニック・キャシディ(エンビジョン・ジャガー)=153点、そしてランキング3位にパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)=138点という状況になっています。
残り4レースですから、今回のローマの2レースでチャンピオンが決定する条件を見ていきましょう。フォーミュラEの1戦あたりの最大獲得ポイントは優勝25点+ポールポジション3点+ファステストラップ1点=合計29点です。最終ラウンドのロンドンまでにランキング首位のドライバーが2位以下のドライバーに対して58点以上の差をつけなくてはいけませんから、ジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)が全てのポイントをフルマークで獲得し、ニック・キャシディ(エンビジョン・ジャガー)以下のドライバーが獲得ポイント0点に終わった場合にはチャンピオンがローマで決まることもあるかと思いますが、現実的には非常に難しいでしょう。逆にニック・キャシディ(エンビジョン・ジャガー)がフルマークのレースをし、ジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)が0点だったとしても57点差ということになり、チャンピオン争いはロンドンへと持ち越しになります。
FIA フォーミュラE世界選手権 2023
チャンピオン候補は計算上ランキング12位のレネ・ラスト(マクラーレン・ニッサン)まで権利を持ちますが、現実的にはジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)、ニック・キャシディ(エンビジョン・ジャガー)、パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)、そしてトップから32点差のミッチ・エバンス(ジャガー)までの4人がチャンピオン候補と言えるでしょう。
ローマで強いのはランキング4位のミッチ・エバンス(ジャガー)です。彼はローマで旧レイアウトの2019年、現行レイアウトの2022年はレース1&レース2で連勝と3回も優勝しているドライバーなのです。今年からGen3にシャシーが変わっていますので、過去の記録はあまり関係がないものかもしれませんが、コースとの相性という意味ではエバンスの躍進には期待したいところです。
今季ここまでのチーム別の優勝回数を見ていくと、最大は「ポルシェ」の4回。次いで「エンビジョン・ジャガー」の3回(キャシディのみ)、そして「ジャガー」が2回(エバンスのみ)、「アンドレッティ・ポルシェ」「DSペンスキー」「マセラッティ」の3チームが1回優勝しています。その中でドライバーが2人とも優勝したのは「ポルシェ」だけとなっています。2021年にはパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)が3位表彰台を獲得しているので、ローマでは今季4勝の「ポルシェ」勢が合わせてくるかもしれません。
ランキング首位のジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)は開幕戦以来優勝がない状態でここまで来ていますから、ここは何としても優勝してチャンピオンシップリードを広げたいでしょうし、パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)はワークスチームのドライバーとしてここで勝たなければ、最終ラウンドのロンドンがかなりキツくなります。誰が勝つのか、ランキング上位以外のドライバーが勝つのか、チャンピオンシップの流れを決める重要な1戦が始まります。
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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