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モーター スポーツ コラム 2023年7月7日

トヨタ、フェラーリの地元モンツァでル・マンのリベンジを果たせるか?

モータースポーツコラム by 皆越 和也
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ル・マンでの雪辱を果たしたいトヨタ陣営。

プロトタイプカーとGTマシン、3つのクラスの混走によるFIA世界耐久選手権(WEC)の2023年シーズン第5戦「モンツァ6時間」が、7月 7〜9日にイタリア北部、ミラノ近郊のモンツァ・サーキット(アウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァ)において開催される。その決勝の模様はJ SPORTSで生中継J SPORTSオンデマンドでも予選からLIVE配信する。

全7戦で争われる2023年WECは後半戦に入り、第5戦はF1GPでもおなじみの高速サーキットにおいて開催となる。トヨタGazoo Racing(TGR)は前戦ル・マン24時間で、大会直前のBoP(性能調整)変更もあり、6連覇を狙っていたものの優勝をフェラーリにさらわれてしまった。

モンツァ・サーキットは、第二次世界大戦以前からグランプリレースが開催されている、伝統あるコース。かつではオーバルの区間もあったが、現在はピストルを逆さまにしたような形に改められている。ストレート区間が多いため高速コースとしても知られ、WECシリーズではル・マンのサルト・サーキットに次ぐ速さを誇り、ハイパーカーでの平均速度は220km/hを超えるという。

ル・マン24時間の直前に発表されたBoPはTGRに不利なものとなり、フェラーリが57年ぶりに優勝を遂げTGRの8号車は2位に甘んじた(7号車はアクシデントに巻き込まれリタイア)。今回も事前にBoPが発表され、今度はこれがフェラーリに不利なものとなりそうだ。フェラーリの車重はル・マン24時間時より5kg増で最高出力は約16psがカットされているためだ。ちなみにTGRの重量は変わらず、最高出力が約7ps下げられている。今回はフェラーリの地元での開催だが、このBoPがどの程度影響してくるか、初日の公式練習から興味が持たれるところだ。

今回ハイパーカークラスにはポルシェが1台増の4台、フェラーリ、TGR、そしてプジョーが各2台、キャデラック、グリッケンハウス、バンウォールが1台の計13台がエントリー。新しいポルシェはLM GTE Amクラスを戦って来たプロトン・コンペティションの車両で、プロトンのLM GTE Am車両はエントリーしていない。

シリーズポイントではTGRの8号車が107点でリーダーだが、ル・マン24時間を制したフェラーリ51号車が25点差に迫り、キャデラックがそれに続いている。TGRの7号車は今季の総合優勝獲得は厳しくなったものの、まだランキング上位が狙える位置にいる。今回どこまでポイントを伸ばし次の富士ラウンドへ帰って来られるのか? 8号車と共に活躍に期待したい。また4号車フロイド・バンウォール・レーシング・チームには、日本で活躍するジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが加入することになった。彼のWECでの活躍ぶりもチェックしておきたい。

J.Pオリベイラ選手の加入で注目が集まる4号車フロイド・バンウォール・レーシング・チーム

オレカ+ギブソンというワンメイク状態のLM P2クラスは、今回11台がエントリー。94点でポイントリーダーの41号車チームWRTと、ル・マン24時間で優勝してランキング2位となった34号車インター・ユーロポル・コンペティションの点差はわずか4点で、今回それが逆転する可能性もある。また22号車と23号車、2台ユナイテッド・オートスポーツと63号車プレマ・レーシングあたりが優勝を争うのではないかと予想される。

LM GTE Amクラスは第3戦スパから2台減の計12台で、内訳はポルシェ5台、フェラーリ4台、アストンマーティン2台に、コルベット1台。ル・マン24時間を含むシーズン3勝でポイントリーダー独走中の33号車コルベットが圧倒的な速さを今回も見せつけるのか? 今回は木村武史がAドライバーとしてドライブする57号車ケッセル・レーシングのフェラーリにケイ・コッツォリーノが加わることになった。そして星野敏、キャスター・スティーブンソン、藤井誠暢が組む日本チームである777号車D’stationレーシングのアストンマーティンも応援したいもの。

ケイ・コッツォリーノが加わった57号車ケッセル・レーシング

7日は公式練習が2本、8日は公式練習1本と公式予選が行われ、決勝のグリッドが決定する。そして9日の午後0時30分(日本時間:午後7時30分)に決勝レースがスタートとなる。

J SPORTSでは、公式練習と予選をJ SPORTSオンデマンドでLIVE配信。決勝レースは9日午後7時からJ SPORTS 3で生中継する。

文:皆越 和也

皆越 和也

皆越 和也

1961年熊本県出身。1980年代後半に富士スピードウェイで観戦した「WEC in JAPAN」で四輪モータースポーツに目覚め、モータースポーツ専門誌編集部等を経てフリーランスのフォトライターに。SUPER GTは全日本GT選手権がスタートした1993年より、ほとんどのレースを現場で取材している。

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