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昨シーズン、サルデニア・イタリアラリーを疾走する勝田貴元。
世界的なコロナ禍が落ち着きつつあり、熱心な観客が戻ってきました。前半5戦を終えてのランキング争いは昨年より混沌としています。ロバンペラ(98pt)、タナク(81pt)、オジェ(69pt)、エバンス(69pt)、ヌーヴィル(68pt)、ラッピ(49pt)ソルド(36pt)、勝田(20pt)と混戦状態。
メーカーポイントはトヨタ(201pt)、ヒョンデ(169pt)、フォード(134pt)となっています。
勝田選手は今年からメーカーポイント獲得権のある3台目として活躍が期待されていますが、オジェが出場するラリーはセカンドチームに回ることになっています。オジェは今シーズン5戦中3戦出場し、第1戦モンテカルロと第3戦メキシコで優勝するなど依然力は落ちていません。
ラリー・イタリアは、2003年までは本土側のサンレモをベースに開催されていました。この時のラリーは、ターマックとグラベルの混合でDay1と4がターマック、2と3がグラベルの構成で各チームはサイズの異なるホイール、サス、ブレーキを持ち込む大物流作戦でした。この時期のサンレモはバカンスシーズンで交通渋滞が酷く、2004年からサルデニア島に移りました。
ラリーは、オルビアをベースに島の北半分のエリアで行われ、路面はラフグラベルで緑が少ないハゲ山状の丘陵地が主戦場です。浮き砂利が多くありスタート順はかなり影響します。ミッキージャンプと呼ばれる小さな周期の連続ジャンプには正確な対処が必要です。ウオータースプラッシュも有るなど車両の不具合を起こす要因がふんだんに有ります。次のサファリ・ラリーへのテストイベントにもなります。各メーカーの車両の信頼度は毎回向上しますが、問題はタイアトラブル。これは偶発的に起こるので運・不運の範疇ですが、それでも速く走るより上手く走る頭脳が必要です。今回一番の見所は金曜日SS4・7の49,90キロ、最近あまり見ない長距離SSです。
優勝者は表彰式のあとで水中に飛び込むのが慣例になっていますので最後までテレビ放映を楽しんでください。
ポルトガル・ラリー概要は下記のとおりです。
| SS本数 | SS km | Liaison km | Total km | |
|---|---|---|---|---|
| L-1 (6/1-2) | 7 | 141.27 km | 211.03 km | 352.30 km |
| L-2 (6/3) | 8 | 135.46 km | 426.80 km | 562.26 km |
| L-3 (6/4) | 4 | 46.02 km | 209.48 km | 255.50 km |
| Total | 19 | 322.75 km | 847.31 km | 1170.06 km |
<ラリー・イタリア ミニヒストリー>
1993年はサンレモラリーでした。11月中旬開催。エントリー120台、完走57台、SS本数27、SS距離520km、フォード・エスコートRSのワンツーフィニシュ、3位ランチアでした。
文:福井敏雄
福井 敏雄
1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。
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