人気ランキング
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
コラム&ブログ一覧
勝田貴元(トヨタ)
モンテカルロ、スウェーデンと2戦続いた特殊路面から局面は変わり、今回のラリー・メキシコはラフなグラベルです。
シーズン初めての長距離遠征となります。ちなみに本年の欧州域外のRdは今回のメキシコと第7戦ケニア、第11戦チリ、そして第13戦ラリージャパンとなっています。
2戦終了後のポイントは、フォードのタナクが昨年チャンピオンのロバンペラを少しリードしています。予想された通り3メーカーの戦いは昨年より面白くなりそうです。
ラリー・メキシコは1979年に初回開催され、2004年に政府の観光事業としてサポートを受けWRC参入した比較的歴史の浅いイベントです。首都メキシコシティから約400km北西に位置する同国5番目の都市レオンを中心に行われます。特徴としては、州都グアナフアトを中心に二つの山脈を巡る悪路、この時期でも30度を越える高温、2700mの標高によるエンジンへの負担やパワー不足、それに冷却不足等で人にもクルマにも過酷な条件となります。
もうひとつの特徴は、進行スケジュールのリズムです。SSの本数は23本と多めですがスーパースペシャルが7本もありしかも他のSSも多数が短めですが30km超も3本あり強いアクセントになっています。またレオンの市街地走行も特徴的です。全走行距離が1000km以下のコンパクトなコース設定ということはリエゾンが短いので途中整備の余裕が少ないことになります。ハードグラベルなのでスタート順の影響はかなり大きいでしょう。Day 2の名物コースSS3/SS6エル・チョコレート(31.45km)と最終日Day4 SS 21オタティス(35.39km)あたりが勝負どころとなりそうです。タイヤ選択も重要です。
R1グループのエントリーは10台。トヨタはオジェ、ロバンペラ、エヴァンスに勝田貴元が加わります。ヒョンデはヌービル、ラッピと今回はソルドの3台。フォードはタナク、ルーベとギリシャ人のセルデリデスの3台。
トヨタのオジェは、今シーズンセミリタイアのはずだったのですが3戦中すでに2つ目のエントリーです。オジェがメキシコ出場にこだわる理由があります。ローブが6連勝の記録を持っており一方オジェは3連勝を2回と勝ち数で並んでいます。モンテ優勝回数も昨年まで8勝の同数、今年オジェが優勝して均衡を破りました。ローブとオジェ、フランス人同士の記録争いが底流にあります。
ラリー概要は下記のとおりです。
SS本数〈内SSS〉 | SS km | Liaison km | Total km | |
---|---|---|---|---|
L-1 (3/16) | 2(2) | 2.24 km | 138.52 km | 140.76 km |
L-2 (3/17) | 8(2) | 128.61 km | 256.43 km | 385.04 km |
L3 (3/18) | 9(3) | 128.61 km | 163.62 km | 292.23 km |
L4 (3/19) | 4(0) | 61.37 km | 92.52 km | 153.89 km |
Total | 23(7) | 320.83 km | 651.09 km | 971.92 km |
<ミニ・ヒストリー>2004年WRC初開催のラリー・メキシコ
2004年WRC第3戦としてメキシコ・ラリーが初開催された。参加台数52、完走26。
全走行距離1040km、SS15本合計394.43km。優勝はマルコ・マーティン(フォード)、2位フランソア・ヂュバル(フォード)、3位カルロス・サインツ(シトロエン)。この他ソルベルグ、ヒルボネン、グロンホルムなどの一流選手が上位を占めた。この年ローブは出場したがトラブルでリタイアしたがその後2006年より6連勝の記録を残した。
文:福井敏雄
福井 敏雄
1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
【先行】スーパーフォーミュラ 2024 第9戦(最終戦) 鈴鹿サーキット 決勝
11月10日 午後1:40〜
-
SUPER GT 2024 第8戦 モビリティリゾートもてぎ 決勝
11月3日 午後12:00〜
-
SUPER GT 2024【Team Radioプラス】 第7戦 オートポリス 決勝
11月15日 午後10:00〜
-
FIA 世界耐久選手権(WEC) 2024 第8戦(最終戦) バーレーン8時間レース(バーレーン)
11月2日 午後7:30〜
-
スーパーフォーミュラ 2024 第8戦 鈴鹿サーキット 決勝
11月9日 午後2:00〜
J SPORTSで
モーター スポーツを応援しよう!