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岡山国際サーキットで開催されるSUPER GT公式テスト
国内で最大級の人気を誇る4輪モータースポーツ「SUPER GT」。多くのファンが待ちに待った2023年シーズンの開幕が、およそ1ヶ月後に迫ってきた。それに先立ち、3月11日・12日の2日間、岡山県の岡山国際サーキットで、毎年恒例となっている第1回目の公式合同テストが行われる。
当日は現地での観覧も可能だが、J SPORTSでは今年も全セッションを生配信。全国のSUPER GTファンに、シーズン開幕に向けて準備が進む各チームの走行シーンなどをさまざまな情報を届けていく。
今回は、多くのSUPER GTファンが注目する岡山公式テストで、ぜひチェックしておきたい見どころを紹介する。
【2023年の各チーム新体制の仕上がり具合は?】
まず、岡山公式テストでチェックしておきたいのは、新体制となった各チームの仕上がり具合。GT500クラス、GT300クラスともにドライバーや車両を変えるなど、新しい体制で2023シーズンを臨もうとしているチームもある。
このうち、GT500クラスで見ていくと、今年は各陣営とも車両が変わることがないので、昨シーズンからどれだけ熟成が進んでいるかが見どころになりそう。また新体制という点ではARTAとM-TEC(TEAM MUGEN)がタッグを組み、2台体制でエントリー。8号車は野尻智紀と大湯都史樹、16号車は大津弘樹と福住仁嶺。
SUPER GTでは長年の経験があるARTAと、スーパーフォーミュラでは昨年も圧倒的な強さをみせたTEAM MUGENのタッグは今シーズンの注目ポイントになることは間違いない。しかも、2月・3月に行われたメーカーテストでも群を抜く速さをみせていた。おそらく、今季のGT500新体制のなかでも一番の注目チームとなることは間違いないだろう。
またトヨタ陣営では、トムスの2台が組み合わせを変更。特に36号車には2021年チャンピオンの坪井翔に加えて、国内レースで勢いのある若手ドライバーのひとり、宮田莉朋が加入した。両ドライバーとも周囲の評価は高いだけに、2人のコンビネーションがどんな走りをみせるのか、今回のテストから目が話せない。
また37号車にはジュリアーノ・アレジとホンダ陣営から移籍した笹原右京がコンビを組むというのも見逃せないポイントのひとつ。トムスの2台はすでに今シーズンのカラーリングを発表しており、今回のテストでも新カラーリングで走行を予定しているのも見どころとなっている。
そして3メーカーの中でドライバーシャッフルがなかった日産勢だが、昨年チャンピオンを獲得したインパルはマレリのロゴが大きく掲出された2023年バージョンのカラーリングに仕上がっているなど、細かな変更点はある。何より、昨年はライバルを圧倒する速さをみせた日産Zが、この冬の間で、どんな進化を遂げてきたのか。今回の岡山テストでは、それをチェックする機会にもなりそうだ。
GT300クラスも体制が新しくなったチームや、すでにカラーリングが出来上がっているところもあるなど、見どころ盛りだくさん。なかでも、aprの新規車両であるレクサスLC500hが初めて公式テストに登場することとなる。年々、ハイレベル化しているGT300クラスで、どんな走りをみせるのか。この岡山テストから、是非ともチェックしておきたいところだ。
【今季から導入されるカーボンニュートラル燃料や、今季のタイヤづくりにも注目集まる】
今シーズンは、レース展開を占う上で、押さえておきたいレギュレーション変更が2つある。
まずは、昨年から発表されている“カーボンニュートラル燃料”の導入だ。SUPER GTではカーボンニュートラル化を促進し、2030年までにCO2排出量を半減させるロードマップを作成。今シーズンから本格的に取り組みが開始されていく。
その中で、1番最初の試みとなるのが、カーボンニュートラル燃料の導入だ。昨年までは各サーキットで販売されるハイオクガソリンが使用されていたが、今年からハルターマン・カーレス社製のETSレーシング・フューエルを使用する。
昨年の最終戦もてぎが終わった翌日に、新燃料のテストが行われ、GT500クラスの各チームは冬のメーカーテストでもデータ収集を行なっている。
そこで関係者らから聞こえてくる話によると、燃費がどれくらいになるのかというのは、各チーム気にしている様子。特にGT500クラスは、ピットストップの時間を少しでも短縮するために、燃費に神経を尖らせている。
それ以外にも、昨年までとは異なって対応しなければいけない点や、レースを力強く戦っていく上で懸念事項なども浮き彫りになってきている模様。その辺の詳細が、今回の公式テストで明らかになってくるのではないだろうか。
もうひとつの変更点が“タイヤ”だ。今季のレギュレーションでは300kmレースの場合、使用できるドライタイヤは5セット、ウエットタイヤは6セットに制限される。タイヤの使用本数が減ることは、レース開催ごとで製作する総本数を、前年比で抑えることができ、製作過程で排出されるCO2の削減にも、ゆくゆくは繋がっていく。
セット数を減らす分“より長く走れるタイヤ”が求められることになり、これに各タイヤメーカーとも試行錯誤を続けているようだ。おそらく、今回の岡山公式テストでは開幕戦を想定したタイヤを持ち込んでテストするため、ロングランでのペースはもちろんのこと、タイヤとマシンのマッチングなどもチェックしておきたいところだ。
両クラスとも、勢力図というのは公式テストだけでは見えてこないところもあるが、それでも全車両が今季初めて揃う岡山公式テストでリズムを作っていけるかは重要な項目となる。
新しいレギュレーションにうまく対応し、流れを作っていくのはどのチームなのか。見逃すことのできない2日間になるだろう。
文:吉田 知弘
吉田 知弘
幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ
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