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GTAの坂東会長は最終戦でSUPER GT Green Project 2030を発表した
本格的な冬に突入。
新潟の南部では記録的な豪雪に見舞われてしまって、幹線道路が麻痺してそまって、多くの自動車が立ち往生というニュースが連日報じられています。早い復旧を祈ります。
さて、ちょっと前のことですが、SUPER GTの最終戦決勝日の午前中に行われたGTAの定例記者会見で【SUPER GT Green Project 2030】が発表され、その一環である燃料のカーボンニュートラルフューエル(CNF)のテストが決勝日の翌日、月曜日に行われましたね。ボクは、常にレースの翌日はレポートをまとめるなどの作業があるので、決勝を終えて、深夜には東京の自宅へ帰っていました。だから、現場の状況はWEB、ネットのニュースやSNSで情報を得ることとなりましたが、それだけではなくて、関係者に直接話を聞いてみると、なかなか面白いことが・・・。
GTAが2023年から導入を決めたのは、ドイツのハルターマン・フューエルという会社のバイオマスエタノールを化石燃料=ガソリンに混合した燃料。エタノールの割合はE5と言っている。E5のCNFとはエタノールが5%という意味。アメリカのインディシリーズは、85%エタノール燃料を使っていたが、来年から100%再生可能燃料を使うらしい。このようにアルコール100%の燃料を使うことになると、ガソリンを燃料としている内燃機関と別物のエンジンが必要になるし、出力は低下する。
GTAが決めたE5だと現行の内燃機関にそのまま給油しても特に問題はないらしい。最終戦を終えてそのまま残ったチームはガソリンを抜いてCNFを給油して走行。あるドライバーは、「ほとんど違和感は感じなかった」とコメント。「知らなかったら全くわからないかも」とも。
しかし、ハイオクタンのガソリンとCNFでは、着火した時の熱量が異なる。エタノール100%とガソリンでは70%と熱量が低い。E5だからそこまで熱量は低くないようだけれど、燃焼効率は下がるのは当然だから、今後GT500クラスに参加しているメーカーのエンジン担当者は、いかに燃焼効率を上げるかというチャレンジをすることになる。
CNFのテストは、順調に終了した。その状況を見守っていたある関係者が、「加速する時の排気ガスの色をチェックしてみたら、メーカーによって異なっていたのが面白かった」と。GT500クラスの3メーカーの中で一つのメーカーだけが黒煙を出さずに加速していたという。そのメーカーはすでにCNFに対して、一歩進んでいるということなのでしょうかね。
さあ、黒煙を出さずに加速していたのは、一体どこのメーカーでしょうか考えてみてください。
文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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