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劇的な逆転優勝と遂げた2020年のSUPER GTシリーズチャンピオン記者会見での高橋国光氏。
JAF MOTORSPORT JAPAN 2022は、無事に終わりました。
予想していた以上の来場者。二日間で72,000人以上の方々が会場に足を運んでくれました。ありがとうございました。
そして、昨日(11月21日)に高橋国光お別れの会に参列してきました。3月に逝去された国さん。会場の祭壇は、白と赤の花で国さんのヘルメットをデザイン。中央に国さんの遺影が置かれていた。祭壇への献花の部屋は、厳粛な空気に包まれていたけれど、隣の部屋には、国さんのプライベートと現役レーシングライダー/ドライバー時代の数多くの写真。マシンたちが置かれ、そこに国さんと縁のあるひと、ひと、ひと。隣の祭壇の部屋とは全く違う空気が満たされていた。厳粛さとは全く違う和やかな会話が飛び交う旧交を分かち合う場となっていた。国さんの<お別れの会>は、国さんを介して久しぶりに会い、近況を知らせ、名刺を交換、再会を約束する場となっていた。ただそこに国さんという人間が居ないだけだった。
生きている国さんはそこには居なかったけれど、国さんは、現役時代も神格化されるような人だったし、一度言葉を交わしただけで、その人の心に強い存在を刻むことができる人だった。その存在は、100%ポジティブなものだった。絶対間違いない。だから、あの場には絶対に国さんが居たのだろう。故人を偲ぶというものではなくて、国さんと共にその時間をとても、とても楽しく過ごすことができた。皆さんも絶対にそう、とても不思議な楽しい時間だった。それこそが、高橋国光という稀代のライダー、ドライバーであるという孤高の存在である証明だったのでしょうね。だから、これからも国さんの存在は、多くの人の心、気持ちの中かに永遠に生き続ける。
会で配られた冊子にTEAM KUNIMITSU監督の小島一浩氏の開催の辞に国さんの言葉があった。「チームは勝つ事で、応援してくださる皆様に恩返しするしか無いんだよ」。勝てなかった時でも、国さんは悔しさを表情に出すことはなかったと記憶しています。しかし、勝つことへの拘りが強かったと改めて知りました。それは、自分自身に対してではなくて<応援してくださる皆様>のため。
死してなお、われわれに集う場を設けていただいた高橋国光さんに改めて合掌です。
ありがとうございます国さん。
文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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