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モーター スポーツ コラム 2022年11月10日

音への拘り。~「エキゾーストノート」をこれからも~

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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大観衆を集めたSUPER GT最終戦

長かったようで、気がつけば最終戦。
先週、SUPER GTの第8戦=最終戦が終わりました。今年は、3年ぶりにモビリティリゾートもてぎ(旧ツインリンクもてぎ)が舞台。とても多くのファンの皆さんが来場いただきました。決勝日には26,000人の来場者数と発表されました。先頃同サーキットで行われた2輪の世界選手権Moto GPに迫るほどの来場者数だったそうです。さすが、すごい人気です。

日曜日の午前中に行われるGTアソシエイション(GTA)板東正明代表の定例記者会見では、
【SUPER GT Green Project 2030】 が発表された。これまでにも何度かカーボンニュートラル(CN)について代表はコメントしてきたのですが、具体的なロードマップをここで示して、2023年から実施して行く事を明確にしてくれた。

やはり<2030>としたのは、SDG’sに沿った事だから。しかし、GTアソシエイションらしさがプロジェクトの骨子で示された。
1.CN化を推進して2030年までにCO2排出を半減する。
2.「今できること」を全力で。
3.「エキゾーストノート」をこれからも。

東京都など自治体の方針で2030年までには販売される新車を全て非ガソリン車、電気自動車などのゼロエミッションヴィークルにと、大きな目標を掲げているけれど、GTAは、1.のように半減=50%とした。そして、2.ではカーボンニュートラルフューエル(CNF)と持ち込みタイヤセット数の削減、部品のロングライフ化、燃費の向上。そしてモータースポーツファンの協力を仰いでサーキット内のゴミの削減、プラスチックゴミの再利用を目指す。最後に3.では、1.と2.の取り組みと結果を境に周知、理解してもらってできる限り内燃機関エンジンで【音のあるモータースポーツ】を継続したいとしている。

タイヤのセット数は、23年には、300キロレースの場合、現行の6セットから5セットへ。450キロは、7セットから6セット。24年には4セット(300キロレース)。タイヤの製造から運搬、廃棄をトータルで削減する。毎戦40台が参戦するとして、サーキットに持ち込まれるタイヤが960本→800本→640本と大きな削減数となる。CNFも数値発表でCO2の削減になるけれど、視覚的にタイヤのボリュウムが減るのは一目瞭然。タイヤメーカさんたちとの協議、協力によってできる事に着手するという姿勢。決勝の翌日月曜日にはCNFのテスト走行が行われている。多少の出力減となっているようだけれど、少しスピードが落ちたって、バトルが展開されれば、全く問題ない。多くのドライバーは違和感なく走行できたとコメントしているようだ。

そして、3.については板東代表の思い、自身がチームを率いて参戦していた当時からモータースポーツの魅力として感じていたサウンドの力をCNといえども削がれたくなかったという強い拘りなのでしょうね。そういうの、嫌いではないです。

文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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