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モーター スポーツ コラム 2022年10月7日

【FIM スーパーバイク世界選手権2022 第9戦 ポルティマオ(ポルトガル):プレビュー】バウティスタ3連勝で迎える最後の欧州戦

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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第8戦ではアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)が3連勝

第8戦ではアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)が3連勝

市販車スポーツバイクレースの最高峰「FIMスーパーバイク世界選手権」の2022年シーズンは最後のヨーロッパラウンドを迎えます。10月7日(金)〜9日(日)にポルトガルのアルガルヴェサーキットで開催される第9戦で、一旦ヨーロッパの転戦は終了。これからアルゼンチン、インドネシア、オーストラリアと続く巡業を前にチャンピオン争いが加熱する1戦になります。今回は熾烈な争いになっているアルガルヴェ戦のレースプレビューをお届けしましょう。

「FIMスーパーバイク世界選手権」の第9戦の舞台はイベリア半島の西側、大西洋沿いに位置するポルティマオのアルガルインターナショナルヴェサーキットです。1周4.6kmのテクニカルコースになっていて、アップダウンが激しく、バイクのポテンシャルの高さ、ライダーの技術が堪能できるサーキットと言えますね。

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昨年は3レース共にウイナーが異なり、マイケル・ファン・デル・マーク(BMW)がスーパーポールレースで移籍後の初優勝を飾るなど、波乱の展開が起きやすいコースと言えます。

今季はは昨年王者のトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)、6度のチャンピオンを獲得したジョナサン・レイ(カワサキ)、そしてドゥカティに復帰のアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)の3人が三つ巴の激しいレースを展開し、特定のライダーが揺るぎない優位性を見せるシーズンが多いスーパーバイク世界選手権において、近年稀に見る好バトルが続いています。

夏休みを経て後半戦に入ってからはトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)に勢いがあり、混戦度合いが増すかと予想されたのですが、第8戦・カタロニア(スペイン)ではなんとランキング首位のアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)がスーパーポールレースも含めて3連勝。地元でパーフェクトなレースを見せました。

これでアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)はランキング2位のトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)に対し、59点の大量リードを築くことに成功。逆にラズガットリオグルはレース2で3位表彰台に登ったのがこの週末のベストリザルトになり、決定的な差がついてしまいました。ラズガットリオグルは残り12レースで全て勝っても、バウティスタが全て2位に入れば逆転は不可能。ラズガットリオグルにとっては他力本願、バウティスタは心理的には楽になったと言えるでしょう。

しかしながら、アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)にも転倒、接触によるノーポイントレースができてしまう可能性はあるので、追う側のライダーたちは自分達が勝つことだけを考えてレースをするしかありません。とは言うものの、バウティスタは今季、英国ドニントンパークを除くサーキットでは少なくとも1勝は飾っていますし、彼が乗るドゥカティ・パニガーレV4Rのポテンシャルは盤石。

アルガルヴェでも昨年、スコット・レディング(今季BMWに移籍)がドゥカティ・パニガーレV4Rで優勝を飾っていますし、このコースとの相性はかなり良さそうです。スペインでの3連勝に続き、アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)がさらにリードを広げる可能性はかなり高そうです。

一方、シーズン後半に入って、3強状態だったトップライダー達に一矢報いるライダー達がどんどんと出てきているという印象を受けたのが前戦・カタロニアのレースでした。予選でポールポジションを獲得したのはなんとスペイン人ライダーのイケル・レクオーナ(ホンダ)。レースでは表彰台獲得とはなりませんでしたが、改めて彼のポテンシャルの高さが示される形となりました。

そして、カタロニアのレース1で今季初の表彰台を掴んだのはギャレット・ガーロフ(ヤマハ)。デビュー当時から速さを示してきたガーロフでしたが、今季は苦戦。トップ争いになかなか絡めずにいましたが、ここに来て初ポディウム獲得となりました。

ギャレット・ガーロフ(ヤマハ)は来季から、BMWのサテライトチーム「Bonovo Action BMW」への移籍が決定。彼が所属するヤマハのサテライトチーム「GRT Yamaha」は来季、MotoGPからレミー・ガードナーが転向してくることになり、さらにスーパースポーツ世界選手権で昨年王者を獲得したドミニク・エガーターの加入が決定。グランプリで豊富な経験を積んできたビッグネーム2人が戦うことになりました。

これにより、日本の野左根航汰(ヤマハ)はシートを喪失。しかしながら、来季もヤマハの支援でMoto2世界選手権に参戦することが発表されました。今季、ランキング19位とかなり苦戦している野左根は今季をもってスーパーバイク世界選手権を去ることになります。残り4戦、12レース、来季の去就は決まりましたが、元全日本JSB1000王者として1000ccクラスで意地の走りを見せて欲しいところです。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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