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モーター スポーツ コラム 2022年9月23日

【FIM スーパーバイク世界選手権2022 第8戦 カタルーニャ:プレビュー】決勝で強さを見せるドゥカティとヤマハ

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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前回大会レース2の表彰台

前回大会レース2の表彰台

世界を代表するメーカーが鎬を削る「FIMスーパーバイク世界選手権」の2022年シーズンの後半戦が始まりました。9月23日(金)〜24日(日)にスペインのカタロニアサーキットでは今シーズンの第8戦が開催されます。今回は熾烈な争いになっているチャンピオン争いが見どころとなるカタロニア戦のレースプレビューをお届けしましょう。

「FIMスーパーバイク世界選手権」は約1ヶ月半のインターバルを経て、前線・マニクール(フランス)で再開しました。今季はディフェンディングチャンピオンのトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)、6度のチャンピオンを獲得したジョナサン・レイ(カワサキ)、そしてドゥカティに復帰したアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)の3人が主役となっていますが、後半戦もどうやらその流れは変わらないようです。

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マニクールでポールポジションを獲得したのはジョナサン・レイ(カワサキ)。一発の速さはここ数戦、抜きん出ており、なんとドニントンパーク、モスト、そしてマニクールと3ラウンド連続でレース1、スーパーポールレースのポールポジションを獲得し、今季は通算8回のポールポジションスタートを獲得しています。

しかし、ジョナサン・レイ(カワサキ)がポールポジションから優勝したのは僅か1回だけ。決勝レースペースに悩み、ロングランでの厳しさがデータでも明らかになっています。8回のポールスタートの内、表彰台でのフィニッシュは6回と、しっかり結果を残すのはさすが年間チャンピオン6回のライダーと言えますが、頑張っても優勝できない状況はランキング首位のアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)とのギャップを広げていくだけという歯痒いパターンに陥っています。

レース1でジョナサン・レイ(カワサキ)はマイケル・ルーベン・リナルディ(ドゥカティ)と接触し、転倒。再スタートは切りましたが、無得点レースを作ってしまうことに。レース2では接触によるロングラップペナルティを受け表彰台に乗れずじまい。この影響でランキング3位に転落してしまいました。

一方で、前半戦の最後に勢いを取り戻した王者、トプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)はマニクールでもスーパーポールレース、レース2と優勝し、今季8勝目をマーク。しかし、レース1でラズガットリオグルも転倒し、11位完走となり高得点獲得のチャンスを失ってしまいました。これにより、首位アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)とのポイント差は8点縮めただけに留まりましたが、ラズガットリオグルはバウティスタから30点差のランキング2位に浮上することになりました。

レース1で追い上げて優勝したアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)ですが、レース2ではジョナサン・レイ(カワサキ)の体当たりを受け、転倒。今季2度目の無得点レースができてしまったのです。これは不運すぎますが、3強と呼ばれるライダーたちが3人ともに表彰台に上がったのは距離の短いスーパーポールレースだけ。前半戦にも増して、「FIMスーパーバイク世界選手権」の上位争いは激しくなっている印象です。

今季、苦戦が続いているアレックス・ロウズ(カワサキ)は3レースともに4位フィニッシュ。マイケル・ルーベン・リナルディ(ドゥカティ)はレース2で今季ベストの2位フィニッシュ。さらにマシンのアップデートで戦闘力を増したBMW M1000RRに乗るスコット・レディング(BMW)が3ラウンド連続の表彰台を獲得するなど、どの陣営も戦闘力が拮抗し始めています。もはやチャンピオン争いを展開する3強ライダーだけが主役で居続けるのは難しい混戦ぶりになってきました。

そんな中、ランキング首位のアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)は地元の応援を受けるスペイン、カタロニアでのレースに挑むことになります。スペイン中部出身のバウティスタにとってはアラゴンの方がホームサーキットということになりますが、カタロニアサーキットでは世界グランプリの125cc、250cc時代に優勝。さらにMotoGPではスズキからデビューしたルーキーイヤーに当時のチームメイトだったベテランのロリス・カピロッシを上回る5位でフィニッシュしています。

ホンダ時代にも地元スペインのサーキットでやたらと好成績を残すことが多いバウティスタ。昨年もスーパーポールレースで3位フィニッシュを果たしています。バウティスタと相性が良いカタロニアで、ラズガットリオグルは優勝経験がありませんし、バウティスタ旋風が吹くのか注目です。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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