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モーター スポーツ コラム 2022年9月8日

【FIM スーパーバイク世界選手権2022 第7戦 マニクール:プレビュー】後半戦折り返し、ヤマハの巻き返しに期待

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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激しく争う上位3台

激しく争う上位3台

排気量1000ccのビッグバイクの戦い「FIMスーパーバイク世界選手権」の2022年シーズンは長い夏休みを経て9月9日(金)〜11日(日)にフランスのマニクールで開催される第7戦からシーズン再開となります。全12戦ですから、ようやくシーズン折り返し。まだまだチャンピオン争いは分かりません。今回は後半戦のスタートとなるマニクールのレースプレビューをお届けしましょう。

ようやく「FIMスーパーバイク世界選手権」の後半戦が始まります。約1ヶ月半のインターバルがあり、その間にはジョナサン・レイ(カワサキ)やイケル・レクオーナ(ホンダ)が出場した「鈴鹿8耐」もありましたが、多くのライダーにとってはトレーニングや休息、家族との時間に充てるサマーブレイクとなりました。

さて、シーズンの流れをおさらいしておきましょう。今シーズンはディフェンディングチャンピオンのトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)、6度のチャンピオンを獲得したジョナサン・レイ(カワサキ)、そしてドゥカティに復帰したアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)。この3強ライダーによってチャンピオン争いが展開されています。

もちろん、まだシーズン折り返しの段階なので、他のライダーがチャンピオン争いに加わってくる可能性は充分にあるのですが、前半戦の12レースで優勝したのは上記の3人だけ。スーパーポールレースを含めると、アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)が7勝、トプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)、そしてジョナサン・レイ(カワサキ)が5勝と、どんなレース展開になっても3人が勝ってしまうというシーズンになっています。

各ライダーのチームメイトですら手も足も出せない状態なのですから、「FIMスーパーバイク世界選手権」はやはり速いライダーありきのレースであることがよく分かる、そんなシーズンになっていますね。

そんな中、ポイントランキング首位でシリーズをリードするのがアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)。彼が乗るドゥカティ・パニガーレV4Rのストレートスピードの速さは最大の武器で、多くのサーキットでその恩恵を受けながら、レースを優位に進めている印象です。しかしながら、チームメイトのマイケル・ルーベン・リナルディ(ドゥカティ)との差は歴然。長くMotoGPで活躍してきたバウティスタの速さは健在です。

ランキング2位はチャンピオン奪還を狙うジョナサン・レイ(カワサキ)。前半戦3戦は各ラウンドで勝利したものの、決勝レースペースが厳しい状態が続いています。接戦の中でトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)との接触、リタイアがもったいなかったですが、それ以外は苦しみながらも着実にポイントを重ねています。ただ、アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)とのポイント差は31点とジワジワ開いて行っています。

ジョナサン・レイ(カワサキ)はサマーブレイクの間に「Kawasaki Racing Team」のチームクルーと共に「鈴鹿8耐」に出場。決勝レースではまさかの転倒もあり、ホンダワークスの速さに無理をせざるを得ない状況でした。それでも2位表彰台を獲得したレイ、アレックス・ロウズ(カワサキ)、そしてレオン・ハスラムのトリオ。ぜひ来年もまた出場して欲しいものです。

一方、鈴鹿8耐には出場しなかったトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)はカワサキ勢が8耐に気を取られている間にドニントンパーク(イギリス)で3連勝、さらにモスト(チェコ)でも2勝を飾り、完全に復調の波に乗っています。チャンピオンを獲得した昨年もそうだったのですが、彼はシーズン中盤から終盤に向けて強さを見せるライダーであり、一度連勝するとその勢いに乗っていく傾向があります。

シーズン開幕当初はドゥカティ、カワサキに対して劣勢と見られていたヤマハYZF−R1ですが、チームメイトのアンドレア・ロカテリ(ヤマハ)が3強につぐランキング4位に付けていることからも分かる通り、ヤマハは決してポテンシャルが劣っている訳ではないと考えられます。2回リタイアがありながら、トップから38点差のランキング3位につけるトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)は後半戦の台風の目になりそうです。昨年のマニクールでも2勝をマークしているので、彼は気持ちよくレースウィークに挑めるでしょう。

ヤマハといえば日本人唯一のフル参戦ライダーとして参戦する野左根航汰(ヤマハ)にとっても大事な戦いとなります。今季で2年目のスーパーバイク世界選手権への挑戦となっていますが、現在ランキングは19位と低迷。過去最高位は昨年のインドネシアでの7位。今季はまだシングルの位置にもたどり着けていない状況です。前戦・モスト(チェコ)では久しぶりポイント獲得ができましたから、何とか後半戦は安定してポイントを獲得できるようになって欲しいものです。

また、ホンダワークスから「鈴鹿8耐」に出場したイケル・レクオーナ(ホンダ)の後半戦も要注目。大抜擢の8耐でレースライダーとしてしっかり自分の与えられた仕事をこなし、トップ10トライアル(結局、中止になりましたが)のアタックライダーにも選ばれるなど評価は鰻登り。ホンダワークスが鈴鹿8耐で得たものはきっとスーパーバイク世界選手権にもフィードバックされ、向上への力になるはずですから、ホンダファンはぜひ期待してください。

ホンダに加えて、BMWも勢いが増してきている印象のスーパーバイク世界選手権の後半戦。シーズンが終わってみると、前半戦とは全く違った展開になっているかもしれませんから1戦1戦お見逃しのないように。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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