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モーター スポーツ コラム 2022年8月26日

王座争いへ注目集まるGT300クラス。実績のある2チームを止めるのは?

SUPER GT by 吉田 知弘
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安定感抜群のNo.56リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R

シーズンの半分を終了した2022年のSUPER GT。GT500クラスは上位7台が10ポイント以内にひしめく大接戦となっているが、GT300クラスもチャンピオン争いが面白い展開となっている。

ここまで、毎レースでしっかりポイントを稼いでいるNo.56リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が38ポイントでランキング首位を快走している。全車ノーウェイト勝負となった開幕戦岡山で優勝を飾ると、その後もサクセスウェイトが重くなっていく中で、しっかりと上位に食い込む走りを見せた。

特に印象的だったのが前回の第4戦富士。99kgと重いウェイトを背負いながら、予選では10番手に食い込む走りをみせた。しかし、決勝レースでは直前に雨が降るなどイレギュラーなコンディションになったこともあり、第1スティントでタイヤを思いの外消耗してしまった。本来ならドライバー交代ができるミニマム周回数でピットインをする予定だったが、急きょ2周早くピットストップを行うことに。これにより、当初の予定が崩れ、藤波がダブルスティントを務めることになったが、コンディションに合ったタイヤを選択し、着々と周回を重ねていった。前を走るライバルの脱落もあり、終わってみれば6位入賞。レース中のさまざまな不運を帳消しにする結果を得た。

56号車は2020年にシーズン2勝を挙げてチャンピオンを獲得したほか、昨年も最終戦まで王座を争いランキング2位となった。そこで培ってきた安定感と速さは今年も大きな武器となっている。

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さらに今週末の第5戦鈴鹿に向けては、サクセスウェイトが100kgを超えることを想定して、事前にウェイトを積んだ状態でテストもしており、かなり手応えがあるデータを得られているとのこと。ここでも上位に食い込むことになれば、藤波/オリベイラ組としては2度目となるシリーズチャンピオンに大きく近づく1戦となりそうだ。

その56号車を8.5ポイント差で追いかけるのが、2年連続でGT300王座を目指すNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)だ。こちらも第4戦富士で快進撃を披露。No.11 GAINER TANAX GT-Rとの一騎討ちとなった終盤の優勝争いでは、ストレートで引き離されるものの得意としているコーナー区間で相手を追い詰めていき、最終的に逆転の突破口を開いて、今季初優勝を飾った。

シリーズ連覇に向け、連勝を狙うNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT

このレースでは、山内がSUPER GT参戦100戦目を迎えた記念のレース。予選ではQ2でわずかの差でポールポジションを逃し悔しそうにしていてが、それをエネルギーに変えて、見事なオーバーテイクを決勝で披露した。

61号車といえば、予選での速さが昨年から目についているのだが、そこにダンロップタイヤとの開発も進んで、決勝での安定感もレースを重ねるごとに増してきている印象もある。前半戦では惜しいレースも多かったが、比較的GT3マシンなどのライバルが優勢と言われている富士スピードウェイで、自力でライバルを抜いて優勝を飾れたというのは、ドライバーのみならずチームにとっても自信につながったことだろう。ここからの後半戦、逃げる56号車をどう追いかけていくのか、注目が集まるところだ。

そして、前半戦を終えて、興味深いのが2020年王者の56号車と、2021年王者の61号車が、ランキングの1位と2位を分け合っているところ。SUPER GTはさまざまな要素が複雑に絡み合い、なかにはポイントが取れないことも覚悟しなければいけない状況がある中で、実績のある2チームが上位にきているところは、さすがという感じだ。

ただ、これで終わらないのが、SUPER GTの面白いところでもある。GT300クラスには、候補は挙げればキリがないほど、手強いライバルがたくさんいる。なかには前半4戦で思うように結果が残せず、まだサクセスウェイトが軽いチームもいる。チャンピオン争いを考えても、今回の鈴鹿で大量得点が欲しいところ。おそらく激しい戦いが予想されるのだが、その中でどのチームが結果を残して、チャンピオン争いに名乗りをあげるのか。好調な2チームに“待った”をかけられるのか。そういう点でも、450km勝負となる鈴鹿大会は目が離せない。

文:吉田 知弘

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吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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