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【FIA フォーミュラE世界選手権 2022 第15戦&16戦 ソウル:プレビュー】いよいよ最終戦!バンドーンがタイトル獲得なるか?
モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシストフェル・バンドーン(メルセデス):中央
電気自動車のフォーミュラカーレース「フォーミュラE」のシーズン8(2021年〜2022年)は初開催となる韓国・ソウルでフィナーレを迎えます。最終ラウンドの第15戦、第16戦は「J SPORTS」で放送。今回はそのプレビューをお届けします。
さて、いよいよ最終戦になる「フォーミュラE」シーズン8ですが、初開催の地、ソウルでの戦いに向け、チャンピオン争いに残っているのは四人。4レース連続のトップ5フィニッシュを果たしてポイントを伸ばしたストフェル・バンドーン(メルセデス)=185点がランキング首位。それに続くのは初タイトルに僅かな望みを託すミッチ・エヴァンス(ジャガー)=149点、今季3勝をマークしているエドアルド・モルタラ(ヴェンチュリ)=144点、そしてチャンピオン経験者であるジャン・エリック・ベルニュ(DSテチータ)=128点の四人です。
ストフェル・バンドーン(メルセデス)が圧倒的なマージンを築いた状態となっていて、ライバルたちの逆転王座獲得への条件としては、ベルニュが最も厳しい状態で、2勝はもちろん、2回のポールポジション、さらに2戦ともファステストラップを取った上で、バンドーンが無得点に終わらなければならず、ジャン・エリック・ベルニュ(DSテチータ)の3度目のタイトルはほぼ不可能に近いと言えます。一方でチャンピオン候補のランキング上位三人は王座に輝けば、初めての経験ということになります。
今季限りでフォーミュラEを撤退する「メルセデス」はチームランキングでも2位の「ヴェンチュリ」を36点リードしており、ストフェル・バンドーン(メルセデス)とのダブルタイトルがかかっています。
ストフェル・バンドーン(メルセデス)はベルギー出身の30歳。ジュニアフォーミュラ時代から数多くのタイトルを獲得し、2014年にはマクラーレンの育成ドライバーとしてF1のリザーブドライバーを務めたこともありました。2015年にGP2(現在のF2)のタイトルを獲得し、翌2016年はスーパーフォーミュラに参戦。現役GP2王者の国内レース参戦ということで、当時大きな話題になりました。その年に代役でマクラーレン・ホンダからF1デビューを果たし、マクラーレンには2シーズン所属。しかし、当時のマクラーレンは戦闘力が低く、F1で彼の才能が開花することはありませんでした。
コースプロフィール
昔から着実にフィニッシュに導くタイプの安定型ドライバーだったストフェル・バンドーン(メルセデス)ですが、コース幅が狭いコースが多く、当たりの強いフォーミュラEに転向してからは、速さとは裏腹に結果を残せずに苦労してきました。安定型と言われる所以は今季のリザルトにも表れていますが、今季は優勝が僅かに1回ながらも無得点に終わったレースはメキシコの1回だけ。混乱を潜り抜け、着実にレースをすることでランキング首位の座に立ち、そのリードを大きく築くことに成功しました。
ランキング2位のエドアルド・モルタラ(ヴェンチュリ)との間には36点の差が開いており、モルタラが7点以上詰めることができなければ、最終戦を待たずに土曜日でバンドーンのタイトルが決まります。モルタラは絶対にリタイアできないレースになり、まずはポールポジションの3点を土曜日の第15戦で得られないと、かなり厳しい戦況になってしまいます。
一方、ミッチ・エヴァンス(ジャガー)は今季3勝の大活躍を見せています。エバンスは首位から41点差が開いており、前戦・ロンドンで第14戦がリタイア、無得点に終わったことで、傷が大きくなってしまいました。モルタラよりもさらにチャンピオンへの獲得条件は厳しくなっていますが、今季決勝での速さが光るジャガーはレースウィークの流れ次第では一発逆転のチャンスを手にする可能性もあるのではないかと思っています。フォーミュラEは6シーズン目という古参ドライバーの一人であるエヴァンスはチームの力を信じるしかありませんが、ジャガーとは来季も契約済み。真っ直ぐに突き進めばチャンスは開けてくるでしょう。
チームタイトルは「メルセデス」=291点、「ヴェンチュリ」=255点、「DSテチータ」=244点、そして「ジャガー」=200点の4チームによる争い。ヴェンチュリはロンドンでモルタラが無得点に終わりましたが、ベテランのルーカス・ディグラッシ(ヴェンチュリ)が今季初優勝を果たすなどチームとしては好調。同じメルセデスのパワートレインを使うワークスとサテライトチームの戦いという対決構図になりますが、こちらも正々堂々とタイトル争いの最終戦を戦ってほしいですね。
「メルセデス」としてフォーミュラEでの最後のレース。彼らは有終の美を飾ることができるでしょうか?
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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