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モーター スポーツ コラム 2022年8月5日

2ヶ月ぶりのSUPER GT、改めて“未知数”の450kmレースに挑む

SUPER GT by 吉田 知弘
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未知なるレースに挑むことになるSUPER GT第4戦。

2022年のSUPER GTシリーズは、約2ヶ月のインターバルを経て、今週末は富士スピードウェイで第4戦が行われる。シーズンの途中で、ここまでSUPER GTのレースがない期間があるのは珍しいことではあるが、その分大いに盛り上がる1戦になることは間違いないだろう。

これまでは、300kmレースが通例だったSUPER GTだが、今年から新たに450kmのフォーマットが追加され、今回もその形式で開催される。5月の第2戦の時には、途中に大クラッシュがあった影響で長時間にわたってレースが中断。結局、450km(100周)全てを消化できないままレース終了となった。

そのため、新フォーマットに対する戦略などを各チームがしっかりと準備してきていたのだが、“どれが正解だったのか?”が分からないまま、今回の第4戦を迎えることになる。それだけに、予想がつかない戦いになっていきそうな予感だ。

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特にGT500クラスは第3戦鈴鹿を終えてのポイントランキングを見ると、上位陣がほぼ横一線という状況。ここで誰が頭ひとつ抜け出て、後半戦に向かっていくかがポイントになりそうだが、5月の第2戦を含め、ここまでの前半戦を振り返ると、日産Zの速さが際立っている。第3戦鈴鹿でのNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zの独走優勝はもちろんのこと、第2戦富士では3号車がクラッシュに見舞われてしまったが、仮に最後まで走れていれば、間違いなく優勝争いに絡んでいたであろうパフォーマンスを披露していた。

今回の3号車は52kgのサクセスウェイトとなり、燃料リストリクター制限がかかるのだが、そのほかの3台は比較的サクセスウェイトも軽く、十分に上位を狙ってこられそう。しばらく富士での優勝から遠ざかっているGT500の日産勢だが、今回こそ勝利を勝ち取れるか。注目ポイントのひとつとなりそうだ。

日産勢は連勝を狙う。

これに対して、ライバルメーカーも真夏の1戦で大量得点を稼ごうと虎視眈々としている。まずはランキング3~5番手を占めているホンダ勢。今年はシーズン全体のトータルバランスを考えたマシン作りや戦略を立てており、どちらかというと長い直線のある富士スピードウェイでは苦しむのではないかという予想もあったが、第4戦に関しては、各チームのドライバーからもポジティブなコメントが聞こえてきている。ランキング上位につけているとはいえ、どのマシンも燃料リストリクター制限に入る前の状態ということで、ここでポイントを稼いでおきたいという考えが強いようだ。また通常よりも長い450kmというフォーマットのため、戦略面でうまく機能すれば、ストレートスピード勝負でライバルに敵わなかったとしても、最終的に優勝争いに食い込んでくる可能性は十分にある。

第2戦富士では、No.8 ARTA NSX-GTが優勝を飾ったが、途中でのレース終了と、上位フィニッシュチームが相次いでペナルティを受け、繰り上がった形での勝利ということで、少し歯切れが悪い感じはあった。それだけに、今回はしっかりと100周を戦いきって、優勝を掴み取りたいところだろう。

富士で開催された第2戦で優勝を飾ったNo.8 ARTA NSX-GT。

そして、ホームコースでのレースを迎えるトヨタ勢。第2戦のレース展開を見ても、彼らが手強いことは間違いがない。ただ、No.14 ENEOS X PRIME GR Supraは52kgのサクセスウェイトで燃料リストリクター制限がかかるほか、No.38 ZENT CERUMO GR Supraは3基目のエンジン投入に伴い、ペナルティが出る予定となっている。

それでも、第3戦鈴鹿で3位表彰台を獲得したNo.37 KeePer TOM’S GR Supraや第2戦富士でも好走をみせたNo.39 DENSO KOBELCO GR Supraも目が離せない存在となりそう。何より2戦連続でポールポジション獲得と快進撃を見せているNo.19 WedsSport ADVAN GR Supraが、今回も予選から速さを見せるのかにも注目だ。

2ヶ月ぶりのレースということで、ある意味で前半戦の流れはリセットされた感のあるGT500クラス。ここから新しい流れを、どのチームが作り出していくのか?目が離せない1戦になることは間違いない。

一方、GT300クラスは、前半3戦で2度の表彰台を獲得しているNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rがランキング首位を快走し、今回は99kgものサクセスウェイトを背負ってのレースとなる。これに対し、ここまでポイントを十分に獲得できていないチームも多く、今回はその差が少なからず出そうな予感だ。GT500クラスと同様に、ここでポイントを稼いで、後半戦のチャンピオン争いに名乗り出たいと企んでいるチームはたくさんいる。それだけに、今回の1戦は激しい戦いが繰り広げられそうだ。

GT300クラスは混戦が予想される。

見どころの多い第4戦富士ではあるが、筆者個人の想いとしては、とにかく安全に無事にレースが終わってほしいと願っている。5月の第2戦で起きたアクシデントをはじめ、ここ最近国内トップカテゴリーで、マシンが大破するほどの大きなクラッシュが続いているのが気になる。今のところは、ドライバーが大怪我をするまでには至っていないが、いずれも一歩間違えば……という事象ばかりである。

第2戦のアクシデントに関しては、GTAがしっかりと検証を行い、再発防止策も発表しているのだが、それを全員が納得して、実践していけなければ意味がない。日本のトップカテゴリーは、手に汗握る接戦をしながらも、アクシデントなくクリーンなバトルをするというのが魅力のひとつではあったが、最近はそれが少し崩れ始めているというのは、ここ最近の状況を見ても否定はできない。だからこそ、全員が現場を今一度見直し、気を引き締めてレースに臨む必要がある気がしている。

その上で、誰もが「良いレースだった!」と言えるような熱戦を、今週末は期待したい。

文:吉田 知弘

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吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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