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モーター スポーツ コラム 2022年7月15日

スーパーフォーミュラ 2022 第6戦プレビュー 2強から3強に変わりつつある2022王者争い。終盤戦へ向け、流れを掴むのは誰か?

SUPER GT by 吉田 知弘
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連勝を期すサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)

2022年の全日本スーパーフォーミュラ選手権は、シリーズ後半戦に突入。7月16日、17日には富士スピードウェイで第6戦が行われる。

4月の開幕ラウンドの際には今年から新たに導入された1週末に2戦を消化するフォーマットが採用されたが、今回は通常の1レース制となり、土曜日に公式予選、日曜日に決勝が予定されている。

ここまでの前半戦を振り返ると、昨年王者の野尻智紀(TEAM MUGEN)が安定した速さをみせ、81ポイントでランキング首位を快走。特に予選では、ライバルを寄せ付けない強さをみせており、第2戦から4戦連続でポールポジションを獲得している。今回もポールポジションを勝ち取れば2008年の松田次生以来の快挙となる。ただ、今回は今までとは異なり予選日は雨の予報が出ている。ウエットコンディションとなった第3戦鈴鹿の決勝ではマシンバランスがうまく決まらず苦戦した部分もあったが、そこをどう克服して雨の予選に合わせ込んでくるのか。ここが一つの注目ポイントとなりそうだ。

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そんな野尻だが、決勝でも安定感があり5戦中4戦で表彰台を獲得。唯一表彰台圏外でのフィニッシュとなった第4戦オートポリスでは、かなり落胆した表情をみせていたが、そこで課題となっていたマシンバランスの部分は、前回のSUGOで改善できた様子。同レースは結果として3位ということで、目標としていた優勝には届かなかったが、レースの後の野尻は非常に前向きに捉えており、後半戦に向けて自信を深めていた様子だった。この富士でも好結果を残し、連覇に向けてさらに一歩近づきたいところだろう。

野尻智紀(TEAM MUGEN)

全く隙のない王者に対して開幕戦から果敢に挑んでいるのがル・マン24時間レースで総合優勝を飾った平川亮(carenex TEAM IMPUL)だ。富士での第1戦では野尻とのバトルを制して優勝を飾ると、第4戦オートポリスでは8番手スタートから1周目で5台を抜く追い上げを披露。その後も順位を上げていき、今季2勝目を飾った。それ以外のレースを見ても、決勝では必ず順位を上げてフィニッシュするなど“決勝での強さ”が際立っている。その一方で予選一発の速さについては課題を抱えている様子で、ここ数戦の間はずっと「予選を何とかしないといけない」と語っている。

ただ、富士スピードウェイは比較的オーバーテイクの機会が多いサーキット。それは平川も理解しており、「少なくとも2列目からスタートできれば、良いレースができると思います」と、こちらも前向きに捉えて夏の富士戦に臨もうとしている。

TEAM IMPULといえば、例年は夏場のレースで強さを発揮する。今回の富士に加えて、今年は8月のモビリティリゾートもてぎ戦が2レース開催となるため、連勝できれば野尻を逆転することも十分可能だ。そのため、富士では少しでもポイント差を縮めておきたいところだろう。

シーズン前半は、この2人のチャンピオン争いに注目が集まっていたのだが、前回のSUGOで新たに名乗りを挙げたドライバーがいる。サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)だ。2020年にスーパーフォーミュラにデビューし、1年目は不運なアクシデントに見舞われることが多く、結果を残すことができず。2年目となった昨年はコロナ禍に伴う入国規制の影響で、シーズンの大半を欠場することとなってしまった。

それでも、日本のトップフォーミュラへの挑戦を諦めることなく来日を果たし、3シーズン目を迎えている。野尻や平川ほどではないが、常に表彰台争いに絡む速さをみせ、前回のSUGOではついに初優勝をマーク。本人も「ずっと目標にしてきた舞台で、やっと勝つことができた」と、パルクフェルメでは感極まっていた。

昨年の終盤、日本に戻ってきたときにはブランクを感じている様子もあったが、今ではすっかり感覚を取り戻し、マシンのセットアップも進んでいる様子。さらにアドバイザー兼通訳として、かつて国内トップフォーミュラで活躍したミハエル・クルム氏がサポートについており、これも彼にとってはプラス材料となっている。

さらに今年に入って海外からの入国に対する水際対策も緩和され、フェネストラズもSUGO大会前に一時帰国。慣れ親しんだヨーロッパの土地で英気を養ってこられたことも、SUGOでの快進撃の一助になったことだろう。

この勝利をきっかけに、フェネストラズを含めKONDO RACINGもかなり勢いがついた様子。もし富士大会でも連勝することがあれば、チャンピオン争いの流れはガラリと変わることになるかもしれない。ある意味で、一番のダークホースと言える存在かもしれない。

もちろん、スーパーフォーミュラには彼ら以外にも、いつトップに来てもおかしくないドライバーがたくさんいる。毎度のことながら、ここでは紹介しきれないほどたくさんの注目ドライバーがいるのだが、なかでも特筆しておきたいのは山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)だ。

山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)

前回のSUGOでは、予選Q1で久々にトップタイムを記録。その後は、歯車がかみ合わず、結果的にポイント圏外でのフィニッシュとなったのだが、昨年からずっと悩まされ続けていたマシンの症状に関しては、かなり改善の兆しが見えた様子。SUGOの予選で見せたような速さが富士でも発揮されれば、久しぶりに上位争いをする山本の姿が見られそうだ。

今回も隅から隅まで見どころ満載で、誰が勝つかという予想も難しいほど接戦となっている富士大会だが、その中で、今度はどんなドラマが生まれるのか……目が離せない。

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文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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