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モーター スポーツ コラム 2022年7月14日

【スーパースポーツ世界選手権 第5戦 ドニントンパーク:プレビュー】3年ぶりの開催でもエガーターの連勝街道?

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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77号車 ドミニク・エガーター(ヤマハ)

77号車 ドミニク・エガーター(ヤマハ)

FIMスーパーバイク世界選手権に帯同する、中型スポーツバイクの世界選手権レース「スーパースポーツ世界選手権」、そして日本人ライダーの岡谷雄太(カワサキ)が参戦する「スーパースポーツ300世界選手権」をJ SPORTSでは放送中。第5戦・ドニントンパーク(イギリス)は中量級「スーパースポーツ世界選手権」のみの開催となり、岡谷が参戦する「スーパースポーツ300世界選手権」はお休みとなります。今回は「スーパースポーツ世界選手権」のプレビューをお届けしましょう。

前戦・ミサノ(イタリア)から約1ヶ月。第5戦はイギリスの伝統あるサーキット、ドニントンパークでの戦いです。このサーキットはかつてロードレース世界選手権のイギリスGPを開催していた時代もありますし、4輪ではF1の開催でアイルトン・セナが雨の激走を見せたコースとしてもお馴染みです。兄貴分である「スーパーバイク世界選手権」が初開催されたサーキットであり、シルバーストーンと並んでイギリスのモータースポーツ聖地の一つと言えるでしょう。

スーパーバイク世界選手権は一時期、イギリス人ライダーが数多く参戦していた時代がありましたが、中量級クラスの「スーパースポーツ世界選手権」ではイギリス人ライダーは少なめです。おそらくその理由の一つはイギリスには英国スーパーバイク選手権(BSB)をメインにした国内選手権があり、そちらが盛り上がっているからでしょう。

ただ、過去には「スーパースポーツ世界選手権」でカル・クラッチロー、チャズ・デイビス、サム・ロウズら後にMotoGPやスーパーバイク世界選手権で活躍するイギリス人ライダーがチャンピオンを獲得しており、意外とイギリスとこのシリーズの繋がりは深いのです。

今、このシリーズをリードするのはスイス人ライダーのドミニク・エガーター(ヤマハ)です。昨年、Moto2から転向してきて、初の市販車ベースのレースでいきなり年間チャンピオンを獲得しました。今季は昨年までの600ccクラスという枠組みが変化し、性能調整を行うことで、ドゥカティ・パニガーレV2やトライアンフ・ストリートトリプルRSが参加できるようになり、優勢を続けていたヤマハYZF−R6の独走状態は止まると予想されていました。

しかし、蓋を開けてみると、ドミニク・エガーター(ヤマハ)の勢いは止まらず、開幕戦アラゴンのレース1を落としたのみで、レース2から7連勝。開幕戦・アラゴンのレース1で優勝したロレンツォ・バルダッサーリ(ヤマハ)と合わせてヤマハYZF−R6は開幕8連勝を飾っています。

連覇に向けて突き進むランキング2位のロレンツォ・バルダッサーリ(ヤマハ)はミサノで接戦に競り勝ちましたが、コース外走行のペナルティを受け優勝をフイに。エガーターの連勝が続く形となりました。

ただ、ヤマハ独走状態が今後も続くかどうかはわかりません。ランキング3位のニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)が駆るドゥカティワークスのパニガーレV2は熟成が進んできており、ミサノではレース1、2共にファステストラップを記録。エガーター、バルダッサーリ、ブレガのMoto2出身の3人が飛び抜けた形でレースを展開しましたから、ブレガとチームは優勝まであと一歩と言えるところまで来ていると感じます。

さて、今回はドニントンパークでの戦いになりますが、上記のランキング上位3名にとっては走行経験が少ないコースになります。というのも近年のイギリスGPはシルバーストーンで開催されており、ドニントンパークでの開催は2009年まででした。スーパースポーツ世界選手権としても開催は3年ぶりであり、3人の中で、ここでレースをしたことがあるのはドミニク・エガーター(ヤマハ)だけなのです。しかもエガーターはその時代、2ストロークの125ccクラスのライダーでしたから、もう遥か昔の話となっています。

そういう意味では昔の事とはいえコースを知っているドミニク・エガーター(ヤマハ)の優勢が続くのかもしれませんね。ここで25歳のロレンツォ・バルダッサーリ(ヤマハ)、22歳のニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)にも若さで一矢報いて欲しいところですね。

まるでジェットコースターのようにコーナリングしながら下っていくスリリングなサーキット、ドニントンパークでエガーターの勢いは続くのか、誰かが止めるのか?今季のキーポイントとなるレースになりそうです。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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