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モーター スポーツ コラム 2022年7月11日

2022年WRC第7戦 ラリー・エストニア プレビュー “フィンランドの弟分ラリー”

Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄
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昨年のラリー・エストニアで優勝したロバンペラ。

コロナ騒ぎで主催者が大幅減少した中、チャンスを掴んだラリー・エストニアは早くも3年目の開催となりました。エストニアはバルト海とフィンランド湾に接する北欧の小さい国で人口約134万人、1,500以上もの島からなる多様な地形、岩場の海岸、原始林や湖など観光資源に恵まれた国です。路面はフィンランドに似て硬い岩盤に支えられたグラベルで基本的には高速タイプのイベントです。道幅は広めですが随所に狭い部分がありテクニカルコースと言えます。ファンは熱狂的、なぜならばタナク選手の出身国であり当然ながら国民的英雄です。

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このラリーは2010年初に初回開催、2014年からヨーロッパ選手権参入しました。開催11回のうちタナクが4回優勝しています。昨年大会はロバンペラ選手が20歳289日で最年少優勝ドライバーとなりました。

R1出場のエントリーは次のとおりです。
トヨタ:ロバンペラ、エヴァンス、ラッピ、勝田
ヒョンデ:ヌービル、タナク、ソルベルグ
フォード:ブリーン、グリーンスミス、ルベー、フルモー

前戦サファリ・ラリー終了後の主たるドライバーの獲得ポイントは次のとおりです。
1位:ロバンペラ145pt、2位:ヌービル80pt、3位:タナク、勝田62pt、5位:ブリーン60pt、6位:エヴァンス57pt
今季既に4勝を挙げたロバンペラが独走中、3位以下は混戦です。

ランキングTOPをひた走るロバンペラ(右)

今回のエストニアはWRCとしての体制を充実させており、SS総距離も300キロ超を確保。20キロ以上のロングステージ4本と多数のショートステージを組み合わせたアクセントの効いた構成になっています。
金曜日はSS8本、24キロや21キロの長いステージを4本含むSS合計距離140キロ。
土曜日はSS9本、ショートステージの連続で合計距離95キロ。
日曜日はSS6本、16キロのパワーステージ含む合計距離78キロ。

優勝予想をしてみましょう。ラリーは運転技能のほか、タイヤを中心としたトラブルなど予測不能な出来事があり予想の精度は保証できませんが、本命はやはり地元のヒーローであり11回参戦の経験があるタナクでしょう。対抗はロバンペラとラッピでしょうか。
勝田は各チームのエースドライバーが激しく争った結果トラブルで数台脱落すれば繰り上がりでポディウムの可能性ありといったところでしょう。ピレリのソフトタイアの耐久性にも注目です。

ラリー概要は次のとおりです。

  SS本数   SS km  Liaison km  Total km
L-1 (7/14-15) 9 140.84 km 484.85 km 625.09 km
L-2 (7/16) 9 95.40 km 357.19 km 452.59 km
L-3 (7/17) 6 78.02 km 324.84 km 406.54 km
Total 24 314.26 km 1166.88 km 1484.22 km

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文:福井敏雄

福井 敏雄

福井 敏雄

1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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