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モーター スポーツ コラム 2022年6月20日

2022年WRC第6戦サファリラリー・ケニア “究極のグラベルラリー”

Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄
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超悪路がドライバーを待ち受けるサファリラリー。

WRCは早くも中盤戦に入ります。サルディニアでかなりの悪路を経験したR1カーは超悪路のサファリに挑戦します。ラリーに関心が薄い人でも知っているサファリですが過去には冒険ラリーとして注目を集めてきました。大会の歴史は長く、約70年前の1953年にエリザベス女王戴冠記念としてケニア、ウガンダ、タンザニアを跨ぐ大イベントで走行距離は6,000キロに及びました。当時発展途上だった日本車メーカーは、製品の耐久性を訴えるため積極的にこのラリーに参戦し、日産、三菱やスバルが好成績を上げています。1970年台初期には日産が連勝し、日本にサファリブームが起こると石原裕次郎主演の映画も制作されました。その後三菱ランサーの2度の優勝や日産の4連勝もありサファリのブームは続きました。1980年代中盤にはトヨタが参入し、グループBセリカで3連勝、90年代にも4連勝しています。

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筆者(左)もポディウムに登った1990年サファリラリー優勝。車両はトヨタ・セリカGT-FOUR。※写真は筆者提供

日本車の他にも多くの欧州車が参戦しており1970年から2000年頃は充実した競争時代でした。サファリの競技規定では1995年まではSS方式でなく、指定速度(極めて高い)に対する遅れをタイムペナルティとする方式でドライバーは閉鎖していない一般路をフルスピードで走る方式でした。その後1996年より他のWRCイベントと同じSS方式に改訂されています。

2002年には政情不安や主催クラブの財政悪化によりWRCシリーズから脱落したものの19年間のブランクの後、昨年復活しました。昔の6,000キロ走行に比べ今回はSS方式の360キロということで物足りないと思う人(特に高齢者)がいると思いますが、昨年の映像を見る限り今の方式でも充分過酷でありサファリらしさは発揮されているような気がします。

前戦のサルディニアでは多くのR1車がデイリタイアしましたが、そのままリタイアせずに翌日も走っていたのは、おそらくサファリ用部品のテストだったのでしょう。
路面はギリシャ、メキシコ、トルコ、ポルトガル、イタリアより更に悪路です。乾季に入ったとはいえスコールによる路面の変化、ケニア特有の粘土質の土は、雨では液状となり乾けばコンクリート状になる厄介な変化をします。加えて野生動物との遭遇などもここ特有なものでしょう。

スコール等による路面の変化へ対応できるかが勝負の鍵となりそうだ。

初日に30キロ級のSS2本、翌日30キロ級が4本あります。ロングSSでのタイヤを含めたトラブルの有無が勝敗を決めそうです。

チーム体制は以下のとおりです。
トヨタ:オジェ、ロバンペラ、エバンス、勝田貴元
ヒョンデ:ヌーヴィル、タナク、ソルベルグ
フォード:ブリーン、グリーンスミス、フルモー、ローブ

ラリー概要は次のとおりです。

  SS本数   SS km  Liaison km  Total km
L-1 (6/23-24) 7 129.04 km 338.21 km 467.25 km
L-2 (6/25) 6 150.88 km 255.58 km 406.46 km
L-3 (6/26) 6 83.28 km 287.50 km 370.78 km
Total 19 363.20 km 881.29 km 1244.49 km

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文:福井敏雄

福井 敏雄

福井 敏雄

1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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