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モーター スポーツ コラム 2022年5月31日

【FIA フォーミュラE世界選手権 2022 第9戦 ジャカルタ(インドネシア):プレビュー】初開催のジャカルタは未知数の戦いに

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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第8戦はニック・デ・ブリース(メルセデス)が制した

第8戦はニック・デ・ブリース(メルセデス)が制した

電気自動車によるフォーミュラカーレース「フォーミュラE」のシーズン8(2021年〜2022年)は全16戦の折り返しに入りました。第9戦の舞台は初開催となるインドネシアのジャカルタです。「J SPORTS」では第9戦の模様を放送。今回はそのプレビューをお届けします。

目覚ましい発展を続けるインドネシアの首都、ジャカルタ。その北部のビーチ沿いにあるショッピングモールを中心としたエリアに2.4kmの特設市街コースが作られます。初開催となるインドネシアは近年、モータースポーツを積極的に誘致している国の一つで、MotoGPやスーパーバイク世界選手権がマンダリカサーキットで開催されていますが、F1などの4輪レース世界選手権の開催は初めて。

当初は2020年にジャカルタでの開催が計画されていましたが、残念ながらコロナ禍で中止に。その時の予定地とは違うロケーションに場所を移し、インドネシアで初めてのフォーミュラEが開催されることになりました。近年はフォーミュラEも過去に開催されたコースでのレースが多くなってきていて、新しいコースはシーズンの中で珍しい存在になりつつあります。そういう意味では誰が勝つか、どのメーカー、チームが主導権を握るのか全く予想がつきません。

ただ、シーズンの流れとしては今季の前半戦で勢力図は見えてきています。チャンピオンであるメルセデスのパワートレインを使う「メルセデス」と「ヴェンチュリ」が多くのポイントを獲得し、チームランキングでは首位が「メルセデス」、そして2位に「ヴェンチュリ」がつける1−2状態です。レースウイナーもチャンピオンのニック・デ・ブリース(メルセデス)とエドアルド・モルタラ(ヴェンチュリ)が2勝ずつをマークし、ランキング首位のストフェル・バンドーン(メルセデス)が1勝と全8戦中5勝をメルセデス勢が獲得するなど勢い付いています。

第8戦ベルリンで久しぶりの優勝を飾ったのはシーズン7のチャンピオン、ニック・デ・ブリース(メルセデス)でした。今季、開幕のサウジアラビアで勝って以来の勝利となりましたが、メルセデス勢の中では最も苦戦していただけにようやく結果を出すことができました。

コースレイアウト | ジャカルタ(インドネシア)

コースレイアウト | ジャカルタ(インドネシア)

ただランキングは首位のチームメイト、ストフェル・バンドーン(メルセデス)から46点も離れたランキング6位に沈んでいるデ・ブリース。「獲得ポイントを気にする時だとは思わない。状況はあっという間に変わっていくものさ」と楽観的。大きな差がついていますが、長いシーズンの後半戦でデ・ブリースが再び勢いを取り戻せるかに注目です。

対照的に今季好調なのが、ストフェル・バンドーン(メルセデス)です。実にステディなレース運びで、ベルリンでは2レース連続の3位表彰台を獲得。激しいバトルの中で順位を上げてくるバンドーンの走りはキャリアベストのものになっていると言えるでしょう。

そして、今季チャンピオン候補として注目なのが、エドアルド・モルタラ(ヴェンチュリ)です。モルタラは2009年にF3マカオGPで優勝したこともあるストリートマイスター。長年、DTMなどGTカーやツーリングカーのレースで活躍してきたドライバーです。

モルタラがフォーミュラEにデビューしたのはシーズン4(2017年〜18年)のこと。ずっと「ヴェンチュリ」で走り続けているドライバーですが、昨シーズンはついにチャンピオン争いを展開。初開催のメキシコ・プエブラでも優勝を飾りましたから、そういうシチュエーションにも強いドライバーです。今季は第7戦ベルリンでシーズン2勝目を飾り、波に乗るモルタラ。初開催のジャカルタではぜひ注目したい存在です。

さて、好調のメルセデス勢ですが、すでに今季限りでの撤退が決まっていたワークスチーム「メルセデス」は来季から「マクラーレン」によってそのリソースが引き継がれることが発表されました。新型マシンのGen3が導入となるシーズン9から参戦することになるので、これまでメルセデスが積み上げてきた開発力はきっと大きな武器となるでしょう。大手自動車メーカーがフォーミュラEを去る残念なニュースが続いていましたが、モータースポーツ界のビッグネームの参戦はとても楽しみです。

来季に向けたシート争いという意味でも重要になってくるシーズン後半戦。初開催のジャカルタで主導権を握るのはどのチーム、どのドライバーでしょうか。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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