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モーター スポーツ コラム 2022年5月18日

【スーパーバイク世界選手権 第3戦エストリル:プレビュー】バウティスタがリードを広げられるか?

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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第2戦 ポディウム

バウティスタが優勝した第2戦 ポディウム

市販スポーツバイクによる時速300kmオーバーの戦い「FIMスーパーバイク世界選手権」の2022年シーズンはヨーロッパを転戦中です。開幕戦のアラゴン、第2戦のアッセンで昨シーズンを上回る熱戦が繰り広げられました。J SPORTSでは全12戦のシリーズを放送中。今回は5月19日(金)〜21日(日)にポルトガルのエストリルで開催される第3戦のプレビューをお届けしましょう。

ここまで2戦の計6レースを終え、今季ドゥカティワークスに戻ったアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)と6度の王者ジョナサン・レイ(カワサキ)が3勝ずつをマーク。レイがアッセンのレース2で昨年の王者トプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)とトップ争い中に絡み合い、両者リタイアに終わったことで、アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)がランキング首位となり、シリーズポイントでも18点のリードを築くことになりました。

とはいえ、1戦で最大62点が獲得できるスーパーバイク世界選手権では18点差というのは微々たるものであり、バウティスタ、レイ、そしてラズガットリオグルの三つ巴の戦いは激しさを増していくことでしょう。

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そんな中で今季まだ未勝利なのがトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)です。昨年、トルコ人ライダーとして初めて同選手権のワールドチャンピオンに輝いたラズガットリオグルですが、今季はトップ争いに絡めているものの、昨年のような優位性はなく、最高位は第2戦アッセンのスーパーポールレースの2位止まり。多くのポイントを獲得できるレース1、レース2では3位表彰台止まりなのです。勝てそうなレースだった第2戦アッセンのレース2での接触リタイアは実に手痛いノーポイントになりました。

ラズガットリオグルにとっては厳しいレースが続いてはいますが、決して今季のヤマハYZF−R1が劣勢というわけではないでしょう。チームメイトのアンドレア・ロカテッリ(ヤマハ)はラズガットリオグルのすぐ後ろを走るようになっていますし、マシンの素性は悪くないはずです。ロカテッリは第2戦アッセンのレース2で自己最高位となる2位表彰台を獲得しました。

ただ、ストレートでのトップスピードの速さはドゥカティ・パニガーレV4Rが優勢です。第2戦アッセンでも最高速が300kmを超えて来ていましたし、これは大きなアドバンテージと言えます。しかしながら、乗りこなせているのはランキング首位のアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)だけ。ドゥカティワークスのマイケル・ルーベン・リナルディ(ドゥカティ)はまだ一度も表彰台を獲得できていません。

逆に厳しい状況にあるのはカワサキZX−10RRかもしれません。ジョナサン・レイ(カワサキ)が3勝をマークしてチャンピオン争いを展開していますが、アレックス・ロウズ(カワサキ)が今季まだ一度も表彰台に登れておらず、ある意味どんなマシンでも乗りこなせるレイの巧さが際立つ形になっています。1発の速さではロウズもポテンシャルの高さを引き出せるのですが、決勝レースではペースがレイに比べて明らかに厳しい状況です。

そんな3社のマシンに次いで、今勢いに乗っているのがホンダです。今季はホンダCBR1000RR−Rもかなりの改善が見られ、スーパーバイク世界選手権にMotoGPからスイッチしてきたイケル・レクオナ(ホンダ)がついに3位表彰台を獲得しました。バウティスタを失ったホンダとしてはその後釜に相応しいポテンシャルを持ったライダーを招聘したと言えますし、今季のラインナップ発表の時には予想しづらかった展開です。ベース車両のパワー、トップスピードの速さも活かされているホンダCBR1000RR−Rの今後のさらなるポテンシャルアップは大いに期待が持てます。

一方で厳しい結果に終わっているのがBMW。昨年登場したBMW M1000RRの速さは期待通りとはいかず、エストリルを前にポルティマオでプライベートテストを行ったとのこと。昨年までチャンピオン争いをし、新たなチャレンジを求めて移籍したスコット・レディング(BMW)も最高位が5位と苦戦中です。

第3戦の舞台はポルトガルのエストリルサーキット。アフリカ大陸はすぐそこという温暖な気候のリゾート地にあるクラシックサーキットで、コロナ禍のスケジュール変更があった2020年から復活しています。このサーキットに強いのはトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)。過去6レース全てで表彰台を獲得していますし、優勝もスーパーポールを含めて2回飾っていますから、ラズガットリオグルとしてはここでまず1勝を飾りたいところでしょう。

ランキング首位のアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)は以前圧勝した2019年は開催が無かったため、ポテンシャルの高いマシンでのエストリルは未知数。ここで昨年優勝しているジョナサン・レイ(カワサキ)も含めた三つ巴バトルから目が離せません。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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