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モーター スポーツ コラム 2022年4月15日

SUPER GT 2022 シーズンレビューマシン編 |サーキットによって各陣営の“得意不得意”が分かれそうな2022シーズン

SUPER GT by 吉田 知弘
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フロント周りのデザインが大きく変わったNSX-GTのタイプS。

いよいよ開幕を迎える2022年のSUPER GTシリーズ。これまで3月に岡山国際サーキット、富士スピードウェイの2ヵ所でテストが行われてきたが、ここでGT500クラスに参戦する3メーカーの“方向性”が少し見えてきた。

昨年は空力部分の開発規制があり、各社とも2020年モデルから外観部分での変更がなかったのだが、2022年に向けては変更が認められることなった。こういった動きもあり、日産は新型Zを投入。ホンダもNSX-GTをタイプS仕様に変更し、フロント部分のデザインが大きく変わった。トヨタGRスープラも見た目で大きな変化はないが、エアロパーツを見直しており、新しいアイテムを今季に向けて用意している。

メーカーそれぞれで思惑があって今季仕様のマシンを仕上げてきたのだが、2回の公式テストをみていると、それぞれに強みと弱みがあるように感じられた。

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特に顕著に見られたのが、富士スピードウェイで行われた2回目の公式テスト。2日間設けられたセッションのうち、およそ半分はウエットコンディションとなってしまったが、ドライコンディションで速さをみせたのが、トヨタ勢。1日目にはNo.36 au TOM’S GR Supraがトップタイムを記録し、2日目にはNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraが速さをみせた。

GRスープラが富士スピードウェイで速いというのは、2020年から言われていたことだが、その流れは今年も変わっていない様子。特に昨年のチャンピオンマシンである36号車は開幕戦の岡山国際サーキットでも速さをみせており、序盤戦はかなり手強い存在となりそうだ。

連覇に期待が掛かるNo.36 au TOM’S GR Supra。

ただ、今年はトヨタ勢に加えて日産勢も富士スピードウェイで速さを見せそうなのだ。前述の通り、今季は新開発のZ GT500を投入したのだが、昨年までのGT-Rと比べて全体的にバランスを見直してきたとのこと。その影響もあってか、ストレースピードが速いと開幕前から話題となっている。

実際に約1.5kmのロングストレートを持つ富士スピードウェイでも上位に食い込む速さをみせており、5月の第2戦、8月の第4戦では優勝争いに加わってくることも十分に考えられる。さらに、先日の公式テスト富士では、ミシュランが新しく開発したウエットタイヤのパフォーマンスがかなり高いことが分かった。

昨年途中からパドックにお目見えしていた新しいトレッドパターンを採用したウエットタイヤだが、シーズン中は好天に恵まれたこともあり、レースウィーク中に装着する機会がなかった。そのため、新しいタイヤのパフォーマンスが分からないままでいたが、公式テスト富士ではライバルに対して1秒近い差をつけており、ウエットコンディションでは頭ひとつ抜け出ている感があった。これに対して、ライバルたちがどのように対処してくるかも、シーズンが進んでいく中での見どころとなるだろう。

ストレートスピードの前評判が高い日産 Z GT500。

そして、タイプS仕様になったホンダNSX-GTだが、ここまでのテストで発揮されているパフォーマンスやドライバーたちの声をまとめると、ダウンフォースが上がっており、コーナリングの部分では優勢になっている様子。その一方で富士スピードウェイではライバルメーカーが少しリードしていた印象だが、開幕戦の舞台である岡山国際サーキットをはじめ、コーナー重視のサーキットではホンダ勢が速さを見せそうな予感がある。

また、ダウンフォースを上げたことで、全体的に安定感も増しており、特に決勝でのロングランで粘り強い走りができるのではないかという声もある。SUPER GTでは一発の速さだけでなく、決勝レースで如何にペースを落とすことなく安定して走れるかもポイントとなるため、陣営が狙った通りのパフォーマンスがシーズン中も発揮されれば、チャンピオン争いに加わってくることは間違いないだろう。

こうして開幕前のテストで垣間見えた3メーカーの特徴を見ていくと、開催コースによって優勢・劣勢というのが出てきそう。そのため、サーキットによって勢力図がガラリと変わり、レース結果もそれに応じて変動する可能性も十分に考えられる。

どうしても、ファンの目線で見ていくと、ひとつのレース結果で一喜一憂してしまいがちだが、今年はシーズンを通して長い目で見ていって、最終的にチャンピオンがどこのチームになるのか? そういった視点で見ていくと、より深くSUPER GTを楽しめるかもしれない。

何れにしても、昨年よりは全体的なタイム差が縮まっているのは確かで、その週末の気温や路面温度、天候などのコンディションに合わせ込めるかも、重要な要素となる。今年は各大会とも、予選日から目が離せないバトルが楽しめそうだ。

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文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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