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モーター スポーツ コラム 2022年2月21日

WRC2022 第2戦 ラリー・スウェーデン プレビュー ~かつては寒さを理由に参戦しないチームもあった!~

Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄
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シリーズ唯一のオールスノーラリーとなる第2戦ラリー・スウェーデン。

今シーズン初戦のモンテカルロは例年にも増して注目点の多いイベントでした。
24年間続いたWRカーがハイブリッド化され、このカテゴリーで参戦する3メーカーの車両開発の完成度に注目が集まりました。またドライバーではローブとオジェ、二人の新旧チャンピオンがセバスチャン対決したことが大きな話題となりました。セバスチャン対決は、終盤までオジェが僅差でリードしていましたが、オジェのパンクにより最後にローブが逆転し、フォードは久しぶりに好スタートを切りました。ちょっと気になるのはヒュンダイの不調ぶりでしたが、ハイブリッドのせいなのか他の原因なのか2戦目以降を注目しましょう。

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今年の各メーカーのドライバーラインアップは次のとおりです。
フォードはモンテにローブを投入しましたが、彼はレギュラーでなく年間4、5戦の予定です。クレイグ・ブリーン、アドリアン・フルモー、ガス・グリーンスミスの体制。
トヨタは前年までのトップドライバーであるオジェが半引退で全戦は出場しません。エルフィン・エバンス、出戻りのエサペッカ・ラッピ、カッレ・ロバンペラの3人がレギュラーを務め、これに単独チームでエントリーの勝田貴元選手が2年目のフル参戦となっています。
ヒュンダイは昨年と同じ体制でヌーヴィル、タナク、加えてソルドが控えに回ります。

さて、ラリー・スウェーデンはWRCの中では古手のイベントで1950年創設、当時は夏季開催でしたが1965年から真冬開催になりました。1973年に世界選手権が創設されて以来のメンバーです。ラリーのイメージとしては、圧雪路面を除雪で作った雪の壁をこすりながら駆け抜ける高速ラリーと表現されます。ところがこのところの地球温暖化のためイメージが若干崩れ気味で、ドライバーたちは浮き出たグラベルとそのために脱落するスパイクを気にしながら走行することが求められるようになりました。
元々このラリーのスポンサーの本拠であるスウェーデン南部のカールスタットを中心に開催されていたものを、SSは100キロ以上北部で行うなど工夫をしてきました。それでも雪や寒さが十分でないとのことで今年は思い切って首都ストックホルムから北に約600キロ離れたウメオという町が本拠地となります。スウェーデンはフィンランドと共に地元ドライバーが有利とされており、長い歴史の中で北欧人以外の優勝者はオジェ、ヌーヴィル、タナクと一昨年優勝のエヴァンスの4名のみです。寒さといえば、サービスメカニックの動作が鈍くなり作業時間が通常より長くなることがあります。今はサービスパークと言って立派な屋根付きの建物が準備されていますが私の現役の時代、サービスは屋外でした。

1990年代のサービスの風景。写真は筆者提供

ある年ランチアがスウェーデンを欠場したことがありました。冗談か本気か分りませんが理由は“スウェーデンは寒いから”ということになっています。彼らの本拠のイタリアに比べたらその寒さは大変なものでしょう。
ハイブリッドカーが雪上でどのようになるか、4月のクロアチアあたりでそれぞれのメーカーのポテンシャルが見えてくるような気がします。注目しましょう。

ラリー概要は下記のとおりです。

  SS本数   SS km  Liaison km  Total km
L-1 (2/25) 7 125.72 km 344.91 km 470.63 km
L-2 (2/26) 8 121.78 km 383.76 km 505.54 km
L-3 (2/27) 4 56.24 km 296.63 km 352.87 km
Total 19 303.74 km 1025.30 km 1329.04 km

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文:福井敏雄

福井 敏雄

福井 敏雄

1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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