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モーター スポーツ コラム 2021年11月26日

最後の1周まで“全開魂”貫く!星野一樹、いよいよSUPER GTラストランへ

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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SUPER GTラストランとなる星野一樹(No.10 GAINER TANAX with IMPUL GT-R)

いよいよ2021シーズンの最終戦を迎えるSUPER GT。GT500・GT300両クラスともに年間チャンピオンが決まる注目の1戦となる。王座争いに絡んでいる者はもちろんのこと、今季最後の1戦を良い形で締めくくりたいと、どのチーム・ドライバーも意気込んでいる。

そんな中、このSUPER GTで長年活躍したドライバーが、この1戦で第一線を退く決意をした。No.10 GAINER TANAX with IMPUL GT-Rの星野一樹だ。

“元祖日本一速い男”として知られる星野一義の長男である星野一樹。SUPER GTには2003年から参戦を開始し、GT300クラスで2度チャンピオンを獲得。GT500クラスでは父が監督を務めるTEAM IMPULのドライバーとして2シーズン走る活躍を見せた。常に全開で攻め込んでいくアグレッシブな走りで、多くのファンを魅了してきた。

そんな星野一樹だが、今シーズンの折り返しを迎えた第5戦SUGOを前に、SUPER GT引退を発表した。最近では、シーズンが終わってから引退を発表するドライバーも多い中、星野一樹は“応援してくれた全ての人に、ちゃんと感謝の気持ちを伝えたい”と、周囲の同意を得て、シーズン半ばに自身の進退を明らかにした。

「本当はシーズンの始めくらいに言えればよかったですけど、その時は自分の中でも葛藤していました。残り5戦というタイミングで(引退を)決めました」

「シーズンが終わってから『皆さん、ありがとうございました!』というのは、自分のやり方とは違うなと……。ファンの人に対してはもちろんですし、お世話になった関係者やスポンサーさん、全ての人たちに、もっと自分の感謝を伝えなきゃいけない思っていました」

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「自分が退くと決めたタイミングで、ニスモにも報告して納得してもらえましたし、みんなに発表することで、みんなに声をかけてもらえるし、逆に僕も『今までありがとうございました』と言えます」

SUPER GTでは、欠かせない存在の1人だった星野一樹。それだけに、彼の引退発表に対する反響は想像を遥かに上回った。

「周りから『星野一樹はまだやれる!』と思ってもらえるうちに辞めるのは光栄なことだし、周りの人たちにそういってもらえて、改めて自分がこうして発表できたタイミングは間違っていなかったんだなと再認識できました」

この決断に悔いはないという星野一樹。発表当初はもちろん、それ以降も今までと変わらずレースに取り組んでいるが、いよいよ“ラストランの瞬間”が近づいている。

2019年の第4戦 タイでの優勝。苦しんだ末に掴んだ久々の優勝に星野は男泣きした。

その舞台は、子供の頃から何度も足を運び、自身もドライバーとして輝かしい成績を残してきた富士スピードウェイだ。

「富士スピードウェイには色んな思い出があります。小さい時からレースを観に行くといえば富士が一番近かったですし、関東近郊の人たちにとっては馴染みのあるサーキットです。SUPER GTだけじゃなくて、富士24時間とか……語り尽くせないくらい、色んな思い出がありますね」

「その中で、最後のレースが富士というのは嬉しいです。皆さんの前で良い走りをしたいですね。最終戦が富士で本当に良かったなと思います」

最後までプロとしての仕事に徹したいと強い決意を持って今季後半戦を戦っている星野一樹。ただ、約20年近くドライバーとして携わってきたSUPER GTの舞台から去るとなると、やはり自然と力が入ってしまう。

「引退を発表した時は『残り4戦あるから、なんとか!』という形でいましたけど、こうして残るレース数が少なくなっていくと、感慨深くなるというか、自分で発表しておきながら、寂しい気持ちになっていますね」

「でも、SUGO、オートポリスと予選で気負い過ぎてしまって失敗したところもありましたけど、第7戦もてぎでは『ここまで来たら自分が思い切り楽しまなきゃいけない』という気持ちになれて、アタックも思い切りいけました」

「やっぱりプロとして雇ってもらっているので、自分だけが感傷に浸ることなく、最後の1周までプロスポーツ選手として頑張りたいです」

「僕は幸せなことに、“熱い走り”とか“全開魂”とか……今まではそういうふうに言ってもらえてきたので、最終戦だからと言って、急に何かをするのではなくて、いつも通りやるだけです。自分らしく、最後の1周まで全開で頑張ります。それを皆さんにも見てもらえればなと思います」

富士での全開アタックを目に焼き付けたい。

最後の瞬間まで、自分らしさを存分に発揮していきたという星野一樹。泣いても笑っても、SUPER GTで彼の勇姿を見られるのは、これが最後だ。

多くの人を魅了してきた“全開魂”の走り。ぜひ、その目に焼きつけてほしい。

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文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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