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モーター スポーツ コラム 2021年11月22日

SUPER GT第8戦プレビュー |今シーズン最後の戦い、勝つのはどのチーム、チャンピオンの行方は?

SUPER GT by 秦 直之
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8号車 ARTA NSX GTは逆転でのタイトル獲得を狙う 

泣いても笑っても、これが今シーズン最後のSUPER GT!最終戦は富士スピードウェイで開催され、全車サクセスウェイトがゼロとされた戦いとなる。最大の焦点となるのは、やはりチャンピオンの行方だ。ある意味、全車に優勝のチャンスがある。果たして勝ったチームがチャンピオンに輝くのか、それともタイトル獲得の権利を失ったチームが勝った上で、微妙な計算の上でチャンピオンが決まるのか? ドラマ必至の一戦、見逃しは厳禁だ!

また、GT500クラスではニッサンGT-Rにとって、これがラストレースとなることも明らかになった。こちらもドラマチックなエンディングを期待したい。

2位というハードル、STANLEY NSX GTにとって高いか、低いか

現状トップではあるが、第7戦で痛い取りこぼしをしてしまった1号車STANLEY NSX GT

速さはあるが、展開に恵まれず、涙を飲み続けてきたARTA NSX GTの野尻智紀/福住仁嶺組が、オートポリスに続き、もてぎでも勝ち、シリーズの情勢に大きな変化がGT500クラスに表れた。というのも、ランキングトップはキープし続けているものの、STANLEY NSX GTの山本尚貴/牧野任祐組がもてぎではノーポイントに終わったからだ。その結果、野尻組は5ポイント差にまで迫ることとなった。

さらにAstemo NSX GTの塚越広大/ベルトラン・バゲット組も、もてぎで4位につけたことによって、山本とは8ポイント差としており、タイトル争いはまさにホンダ勢の三つ巴という状況だ(ちなみに、牧野は開幕戦を欠場しているため、チャンピオン獲得の権利は失われている)。

他にタイトル獲得の権利は、au TOM’S GR Supraの関口雄飛/坪井翔組、カルソニックIMPUL GT-Rの平峰一貴/松下信治組、ENEOS X PRIME GR Supraの大嶋和也/山下健太組にも残されているが、それぞれ山本との差は16ポイント、17ポイント、20ポイントとあって、正直なところ分はかなり悪い。

山本はポールポジションさえ奪えば、たとえ野尻組の優勝を許しても、2位でゴールすれば逃げ切って連覇が達成される。ただし、ポールが奪えなければ、2位でも野尻組がチャンピオン。一方、塚越組が勝った場合は、山本が3位以下であれば、逆転を許す。したがって山本には2位というハードルが前に立ちはだかる。

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勝ってチャンピオンを決めるのは無理?

富士で強さを誇る38号車ZENT CERUMO GR Supra。ホームコースで今シーズン初優勝を果たしたい

ただ、これは明らかにシナリオどおりのストーリーだ。全車ノーハンデだから、たとえタイトル獲得の権利があろうとなかろうと、最後のレースで勝って、シーズンをスッキリ締めくくりたいというのが、どのチームにも共通の意識。そこで前回の富士、第2戦の結果を振り返ってみよう。

まずは予選。WedsSport ADVAN GR Supraの国本雄資/宮田莉朋組のポールポジションを筆頭に、2番手こそARTA NSX GTの野尻組がつけたが、それ以外のトップ6はトヨタ勢で独占されている。こと一発の速さでは、ホンダ勢やニッサン勢の比ではなかったことが分かる。

しかし、決勝では予選11番手だった、Astemo NSX GTの塚越組が優勝。これはアクシデント発生によるFCY(フルコースイエロー)提示前に、ピットに入っていたという幸運もあってのこと。しかも、その後に抜かれた2台がペナルティで、揃って後退。もはや運命的な勝利としか思い難い。

順当に行けば、最終戦でもトヨタ勢が強そうだ。富士にめっぽう強さを誇る、ZENT CERUMO GR Supraの立川祐路/石浦宏明組が、ズバリ優勝候補とした上で、対抗はここ2戦の勢いで、ARTA NSX GTの野尻組。大穴は前回の富士でポールを奪っている、WedsSport ADVAN GR Supraの国本組とした上で、チャンピオンの行方は……というと。

もう予測不能としか言いようがない。少なくても勝って、順当に決まるということだけはないのではないか。最終ラップの大逆転で決まった、昨年とは違って。

42勝目を挙げられるか、GT-R!

ラストランとなるGT-R。12号車、カルソニックIMPUL GT-Rは有終の美を飾る事ができるのか!?

そして今回がラストレースとなるニッサンGT-Rについても、触れておかねばなるまい。2008年にフェアレディZに代わって投じられてきたR35・GT-Rは14シーズンを戦い、その間に41勝、そして36回のポールポジションを獲得してきた。GT300クラスでは引き続き使用されるが、GT500クラスでは勝って惜しまれつつ、活動終了としたいはず。先にも述べたとおり、カルソニックIMPUL GT-Rにしかチャンピオンの権利は残されていないが、他の3台とも合わせ、凄まじい猛攻を見せてくれるに違いない。

最終戦にランキングトップで臨む、SUBARU BRZ R&D SPORT

61号車SUBARU BRZ R&D SPORTは初のシリーズチャンピオン獲得を狙う。

前回のもてぎでは、Hitotsuyama Audi R8 LMSの川端伸太朗/篠原拓朗組が優勝を飾ったGT300クラス。そして、ポイントリーダーであり、予選2番手からスタートした、SUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人/山内英輝組が序盤にトップを走り、ひょっとしたら最終戦を待たずに、チャンピオンを決めてしまうのかと思わせるだけの勢いもあった。

しかし、終盤になってブレーキが厳しくなり、4番手走行中の単独スピンによって6位に留まり、ポイントリーダーの座は守ったものの、2位に6ポイント差にまで迫られてしまった。

その2位とは、ディフェンディングチャンピオンでもある、リアライズ日産自動車大学校GT-Rの藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ組だ。GT-Rでは不可能とされた、タイヤ無交換を敢行したことで、3位でゴールすることができたのだ。

チャンピオン候補は、全部で6チーム。3位は井口組を10ポイント差で追いかける、ARTA NSX GT3の高木真一/佐藤蓮組で、4位はたかのこの湯 GR Supra GTの三宅淳詞/堤優威組で、トップとの差は15ポイントとなっている。続いてGAINER TANAX GT-Rの平中克幸/安田裕信組となっているが、さすがに大逆転の現実味は20ポイント差とあって、極めて薄い。GT300クラスも実際には三つ巴の戦いになりそうだ。

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このクラスにも2位のハードルがある。藤波組の優勝を許しても、ポール・トゥ・ウィンではなければ、井口組は2位でいい。そして高木組が優勝して、藤波組が2位でも、井口組は3位なら逃げ切り成功となる。どうあれ、井口組は2位狙いのレースに持ち込もうとするはずだ。第2戦の富士でもノーウェイトで2位となっているだけに、現実的でもある。

だが、この2年間、とにかくスープラとGT-Rの相性が抜群にいいことも、忘れてはならない事実だ。特に昨年、2勝を挙げながら今年は未勝利の、埼玉トヨペットGB GR Supra GTの吉田広樹/川合孝汰組の、今季最後の戦いにかける思いは想像に余りある。そして、チャンピオンの権利を残しながら、やはり今年未勝利の平中組も同様に。優勝争いは、この2台も軸となるだろうが、やはりチャンピオンの行方となると……。ドラマチックな展開を期待しよう。

文:秦 直之

秦 直之

秦 直之

大学在籍時からオートテクニック、スピードマインド編集部でモータースポーツ取材を始め、その後独立して現在に至る。SUPER GTやスーパー耐久を中心に国内レースを担当する一方で、エントリーフォーミュラやワンメイクレースなど、グラスルーツのレースも得意とする。日本モータースポーツ記者会所属、東京都出身。

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