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ル・マン4連覇を狙うTOYOTA GAZOO Racing。
プロトタイプカーとGTマシン、4つのクラスの混走による世界耐久選手権(WEC)の2021年シーズン第4戦「ル・マン24時間」が、8月18~22日にフランス西部、サルト県ル・マン郊外のサルト・サーキット(1周13.626km)において開催される。その予選、決勝の模様はJ SPORTSで生中継、J SPORTSオンデマンドでもLIVE配信する。
2021年シリーズはスパ、ポルティマオ、モンツァと欧州ラウンドを転戦し、シリーズ最大のイベントであり、1923年に始まった伝統的な耐久レースでもあるル・マンへたどり着いた。2018年に初制覇を果たしたトヨタGAZOO Racingは昨年までLM P1車両で3連覇を果たし、そして今年は新規定のハイパーカーで4連覇を飾ることができるのかが最大の注目だ。今年は62台の車両が出走する。
トップクラスとなるハイパーカークラス(5台)は、まずトヨタの8号車GR010が連勝し、モンツァでは7号車が優勝して3連勝。前回のモンツァで発生した燃圧の低下、そして電気系トラブルも既に解決済みという。15日に現地で行われたテストデイでトップを奪ったのは、ヨーストのスタッフも加わったグリッケンハウス・レーシングの708号車。これにトヨタの7号車、8号車、36号車アルピーヌ、709号車グリッケンハウスと続いた。トップ2台の差は0.225秒とわずかで、予選のアタックも見ものとなるだろう。テストを含めたマイレージも多く経験豊かなトヨタの連覇が確実と予想されるが、決勝は長距離耐久になるので何が起きるか分からない。
虎視眈々とル・マン制覇を狙うテスト・デーTOPの708号車 グリッケンハウス・レーシング。
LMP2クラス(25台)はWECレギュラーの11台に14台の車両が追加という大激戦で、最も面白いレースが展開されるだろう。スパとモンツァで優勝した22号車ユナイテッド・オートスポーツUSA、ポルティマオで優勝した38号車JOTA、28号車JOTAらレギュラー組よりも、ル・マン制覇を目標にエントリーしている車両の方が元気良く、テストデイではベテラン、パトリック・ピレを擁す地元フランスの48号車アイデック・スポールがトップタイムをマーク。しかもハイパーカーのトップと2秒しか差がない。ハイパーカーにトラブルがあればLMP2も総合上位へ食い込むことだろう。48号車に続いたのは65号車パニス・レーシング、41号車チームWRT、23号車ユナイテッド・オートスポーツとスポット組。レギュラー組の意地も見たいもの。
混戦が予想されるLMP2クラス。28号車JOTAなどレギュラー組は維持をみせたい。
LMGTE Proクラス(8台)も追加参戦車両が4台(ポルシェ2台、シボレー・コルベット2台)で、これでポルシェは計4台と数的には圧倒的に有利。72号車ハブ・オート・レーシングのポルシェにはアウディワークスのデリエス・バントール、79号車ウェザーテック・レーシングのポルシェにはポルシェワークスのラウレンス・バントールという兄弟が乗るので、ポルシェ同士での兄弟対決が見られるかもしれない。なおテストデイでトップを奪ったのは79号車だった。ポルシェGTチームとAFコルセ(フェラーリ)のバトルに、コルベット・レーシングがどう絡むのかもチェック。
ポルシェ勢有利の下馬評だが、激戦が予想されるLMGTE Proクラス。
LMGTE Amクラス(23台)も10台が加わった。内訳はポルシェが8台、フェラーリが11台、アストンマーティンが4台。日本の777号車D’stationレーシングは、前回のモンツァで終盤2位争いのデッドヒートを演じ、惜しくも3位とはなったもののWEC初表彰台を獲得した。今回も星野敏、藤井誠暢、アンドリュー・ワトソンのトリオで表彰台を目指す走りを見せて欲しいものだ。またCARGUYレーシングの木村武史は57号車ケッセル・レーシングのフェラーリをドライブする。
木村武史は3度目のル・マン参戦。ジェントルマンドライバーとしての果敢な挑戦に挑む。
加えて特別枠として参戦する84号車アソシエーションSRT41(オレカ・ギブソン)には元WGPライダーの青木拓磨が乗り込む。もうひとりのナイジェル・ベイリーも下半身が動かないドライバーだが、ル・マンという舞台でどのようなレースを見せてくれるのか楽しみだ。
今年も各クラスで激しいバトルが長時間にわたり展開される”シーズン9”。J SPORTSでは、18日深夜から、公式予選、公式練習、ハイパーポール、ウォームアップ走行を、さらに決勝を21日22:30から 生中継予定。
文:皆越 和也
皆越 和也
1961年熊本県出身。1980年代後半に富士スピードウェイで観戦した「WEC in JAPAN」で四輪モータースポーツに目覚め、モータースポーツ専門誌編集部等を経てフリーランスのフォトライターに。SUPER GTは全日本GT選手権がスタートした1993年より、ほとんどのレースを現場で取材している。
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