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モーター スポーツ コラム 2021年8月5日

【スーパースポーツ世界選手権 第6戦 チェコ:プレビュー】エガーター5連勝の中、新コースでのレースだ!

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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FIM スーパースポーツ世界選手権2021 第6戦 モスト(チェコ)

FIM スーパースポーツ世界選手権2021 第6戦 モスト(チェコ)

600ccのスポーツバイクで争う「FIMスーパースポーツ世界選手権」の第5戦が2021年7月6日(金)〜8日(日)にチェコのモストサーキットで開催されます。チェコといえばブルノサーキットがおなじみですが、オーストラリア戦のキャンセルを受けて代替コースとして決まったのが、あまり聞きなれないモストサーキットでした。

色々と謎が多いサーキットではありますが、チーム力と主力ライダーの実力に左右され、シリーズの流れが一辺倒になりがちなスーパースポーツ世界選手権に刺激を与えてくれるレースになるのではないかと期待しています。

ただ、前戦アッセンで連勝し、目下5連勝をマークしているドミニク・エガーター(ヤマハ)のファンにとっては、流れは変わって欲しくないでしょうね。エガーターはランキング2位のスティーブン・オデンダール(ヤマハ)に対し、44点もの大量リードを築くことに成功しました。1ラウンド2レース制で得られる最大ポイントは50点ですが、エガーターは心の余裕を持って新コースに挑めるはずです。

新コースといってもモストサーキットは1983年にオープンしたコースで、ドイツに近いので中には下積み時代に走ったことがあるライダーはいるかもしれませんが、多くのライダーが初チャレンジとなるコースでしょう。

そんな中で初優勝を狙うのは母国からも近いフィリップ・エッテル(カワサキ)です。アッセンでも3位、2位と今や表彰台の常連となりつつあるエッテルですが、昨年の初レースのエストリルで2位表彰台に上がるなど初コースへの順応性は充分です。

エッテルは2013年にMoto3クラスにデビューしたグランプリ出身のライダーで、2015年のMoto3インディアナポリスGPでは3位表彰台を獲得。2018年のスペインGPでは初優勝を飾っています。激しいバトルの軽量級クラスで完走率が高く、安定してポイントを獲得してきたライダー。とは言いながらも年に1回か2回ですが優勝を含む表彰台を獲得する実力は持ち合わせていましたから、非常にポテンシャルが高い選手です。

ただ、エッテルが乗るカワサキZX−6Rは近年はシーズン終盤にルーカス・マヒアスが優勝することはありますが、チャンピオンが決まるまではヤマハYZF−R6に押され気味で、なかなか勝てません。今回の新コース、モストサーキットはチームが持ち合わせるデータがみんなゼロに近い状態からスタートするので、カワサキ勢にとってみればチャンスかもしれませんね。

今季はルーキーのルカ・ベルナルディ(ヤマハ)や2年目のマニュエル・ゴンザレス(ヤマハ)など新顔が表彰台を争う一方で、かつてスーパースポーツ世界選手権で輝かしいリザルトを残したベテランたちが苦戦しています。

2019年の王者、ランディ・クルメナッハー(ヤマハ)は前戦アッセンのレース2でようやく今季初表彰台を獲得。2019年のランキング2位で、昨年はスーパーバイク世界選手権にステップアップしていたフェデリコ・カリカスロ(ヤマハ)はまだ一度も表彰台を獲得できず苦戦しています。

また今季からカワサキに乗るラファエル・デローサ(カワサキ)は一度2位表彰台を獲得したものの、アッセンではレース1、2ともにリタイアとなり、ランキングも9位と沈んでいるのです。こういったベテランライダーたちは前半戦の締めくくりとなるチェコのモストサーキットで良い流れを呼び戻したいところでしょう。

しかしながら、シリーズの流れはすでにドミニク・エガーター(ヤマハ)が掴んでいます。スティーブン・オデンダール(ヤマハ)が開幕から3連勝して幕を開けましたが、やはり実力、経験共にエガーターは別格。本来ならMotoGPに乗っていてもおかしくはないライダーですからね。アッセンでは黄色のトリビュートカラーで出場し、パーフェクトなウィークエンドを過ごしたエガーターがモストサーキットでどんなパフォーマンスを見せるか楽しみです。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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